2023年10月16日、英仏独で活躍する俳優・演出家のAlessandro Visentin氏による Dr Jekyll and Mr Hyde『ジキル博士とハイド氏』の公演を、摂南大学寝屋川キャンパス図書館 Learning Commonsを借り切って開催しました。何度も映画化された有名な作品で、ジキルとハイドの名は人の二面性の代名詞のように使われています。実は19世紀に書かれた原作は、主人公が不思議な出来事に巻き込まれていきながら謎解きをする複雑な構成です。今回は、観客が事件を目撃しつつ巻き込まれていく、観客参加型のお芝居になりました。
70名あまりの学生が集まり、予想していない瞬間に多数の学生が芝居の中に身を置く体験をしました。アレッサンドロ先生は一人で何役も演じながら、客席から相手役を次々に選んでいきます。学生は衣装や小道具をその場で渡され、英語で次々にセリフや動きを演出され、場面が展開します。たとえ発音がよくても演技のタイミングがいまひとつだったり、話すセリフの内容と話し方や動きが合っていなかったりすると容赦なく”Try again.” 言語は文法的な正しさだけでは伝わらない、音声と身体表現が適切に伴ったときにもっとも有効に聞き手に(芝居では観客にも)伝わる、ということを学ぶ時間になりました。 写真は素晴らしい仕上がりになった場面の抜粋です。
この日は国際学部の2年・3年・4年の学生が参加し、最後のカーテンコールには客席がガラガラになるほどたくさんの「出演者」が出ました。メッセージが1回でうまく伝わらなくても、伝え方を工夫したり、アクシデントを楽しんでしまう余裕を持つことも、この日の公演から学んだといえます。また次回の公演が楽しみです。
This project was supported by Japan Society for the Promotion of Science Kakenhi Grant Number [20K02798: Creation and practice of English drama workshops to promote multiculturalism].
(国際学部 齋藤安以子)
Drama Workshop:俳優に学ぶ身体表現 | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)