日韓だけでなく韓中にも視野を広げて―許在喆先生ゲスト講義 [森ゼミナール]



UPDATE 2024-07-07

摂南大学国際学部森ゼミナール(4期生)では、2024年5月28日(火)3限に対外経済政策研究院研究委員(同院世界地域センター日本・東アジアチチーム長)の許在喆[ホ・ジェチョル]先生をお迎えし、ゲスト講義を開催しました。当日は許先生にオンラインで参加していただきました。また、許先生が東アジアについて精通していることから、同学部の小都ゼミナールと合同で講義を進めました。

許先生は、中韓の経済関係についてはもちろんのこと、東アジア周辺地域の政治経済状況についても詳しい方です。また、許先生は北朝鮮の対外関係についての知識も豊富であり、『北朝鮮研究の新地平―理論的地域研究の模索』(中戸祐夫・崔正勲編著、晃洋書房、2022年)や『北朝鮮の対外関係―多角的な視角とその接近方法』(中戸祐夫・森類臣編著、晃洋書房、2022年)の書籍にも携わっています。

許先生によると、中国と韓国の関係はとても重要な関係ですが、最近の調査によると、韓国における対中国認識は良くない評価が多かったそうです。

最も興味深かった点は、韓国人の中国への肯定的な認識や好感度が低いことや、日本・台湾・欧州・欧米における中国認識もネガティブに見えたことでした。2021年は新型コロナウイルスの影響を受けたヨーロッパやアメリカ、アジア周辺国は中国への印象は良くなかったことが、許先生が配布してくださった資料から読み取ることが出来ました。また、パンデミックが落ち着いた今は、中韓関係が改善しているのかと考えましたが、韓国においては対中国認識が比較的ネガティブなまま低迷していることが分かりました。

また、中国に対して韓国と日本のどの世代が肯定的/否定的なのか、またどの国が中国に対して肯定的な認識があるのか資料を用いて教えていただきました。資料によると、日本や韓国は中国に対して全体的に否定的に考えているようでした。特に韓国の若者が否定的に考えている人が多いことが分かりました。おそらくそれは、最近の政治状況にネガティブな印象を持っているからではないかと私は考えました。

しかし一方で、アメリカでは、韓国や日本と比べて対中認識は肯定的なようでした。私が一番疑問を持ったのはなぜアメリカの若者は肯定的な意見を持っているのだろうということでした。この理由としては、経済大国の中国の経済状況が若者から注目を集めているからではないかと考えました。

最近では北朝鮮の汚物風船の問題やアメリカの大統領選挙、中露関係など目まぐるしく世界情勢が動いています。日韓関係はもちろん、より視野を広げて韓国とその他の国の関係について学んで対話する必要があると考えさせられました。今回教えていただいたことをこれからの研究や知識の蓄積に活かしていきたいです。

今回のゲスト講義を通して、韓国と中国のことについて、より深いところまで知ることができました。とても貴重な時間になりました。これを機会に、日本と韓国の関係だけでなく、韓国とその他の国の関係についても理解を深め、今後の研究へと繋げていきたいと思います。お忙しい中、オンライン講義をしてくださった許先生、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

                   (摂南大学国際学部 森ゼミナール 小杉七々夏)