第9回「国際文化セミナー」を開催しました



UPDATE 2024-12-05

2024年11月9日(土曜日)に摂南大学国際学部主催の第九回「国際文化セミナー」をオンラインで開催しました。今回は「ヨーロッパ世界へのいざない」というテーマで、本学部の教員2名が講演しました。


まず、原田豪講師が「欧州統合における制度への注目――問いかけることから」というタイトルで、現在の研究テーマにつながる研究上の問いの連鎖について話しました。学部時代に滞在した南米のペルーで見聞きしたことが、地域統合という具体的な研究テーマに結実して、欧州での研究活動への誘いとなったことが紹介されました。より具体的には欧州共同体の法的制度の成立と、加盟国におけるその運用について、原田講師が実証的な研究を進めてきたことが示されました。また、その後の質疑応答を通じて、欧州連合における法的基盤整備にかかる使用言語についても理解が深まりました。

次に、池田景子准教授による「英詩の読み方――P. B. シェリーの「西風に寄せるオード」」と題した講演がありました。池田准教授が学問的関心を寄せてきた英国の詩人シェリーの略歴を簡単に紹介したあと、彼のイタリアでの創作活動について説明しました。そして、シェリーの詩の一節を挙げながら、脚韻等の音韻的側面や文化的・宗教的背景といった、英詩解釈の基礎が説明されました。また、私たちの暮らしにおいて、英詩をはじめとする文学作品に触れることの意義についても言及がありました。質疑応答によって、シェリーの英詩とイスラーム世界との関連についても知見を得ることができました。


二つの発表は、学問的探求の面白さを第一線の研究成果とともに伝えるものであると同時に、ヨーロッパ世界を身近に感じることの出来るイントロダクションでもありました。参加者の多くが本学部の1年生であったため、国際学部での学びについてイメージを膨らませて、学ぶことの楽しさに触れる機会になったはずです。

(上田達 教授)