体験型特別実習(事後申請型)発表会が開催されました



UPDATE 2025-02-10

 国際学部の「体験型特別実習」科目にはいくつかのタイプがあり、事後申請型は、学生が自主的に計画・参加した社会的活動の内容や成果を日誌やレポート、プレゼンテーションの形式で事後に報告し、審査に合格することで単位が認定されます。「社会的活動」とは、学部のディプロマ・ポリシーに合致する自主研究活動やインターンシップ、ボランティアなどを指します。

 昨年の春休みや夏休みを利用して活動に取り組んだ計4名の学生が、事前授業、自主活動、申請書類の提出、事後授業を経て、2025年2月4日(火)に、この科目の最終授業であるプレゼンテーションに臨みました。

 地中海のマルタはイタリアの近くに位置しますが、かつてイギリスの植民地だったことから英語が公用語です。そのマルタで英語を学ぶ6週間のプログラムに参加した学生は、ヨーロッパや南米の学生と共に学び、ホームステイやシェアルームでの生活を経験しました。こうした活動を通じて、授業中でも活発に質問を投げかける雰囲気や、感情を率直に表現する文化に触れ、語学以外にも貴重な学びを得たことを報告しました。

 農学部から国際学部に転学部した学生は、マレーシア・サラワク州で「オランウータンの森再生プロジェクト」に参加しました。過度な伐採で失われた森を植林によって再生する活動です。日本での生活とマレーシアの環境問題とのつながり、現地少数民族のバディとのインドネシア語での交流、発光バクテリアによって光る神秘的な木、活動をやり遂げて自身の可能性を発見したことなどを、豊富なビジュアル資料を示しながら発表しました。

 日本語教師を目指し、日本語教員養成課程を履修している学生は、ベトナム・ホーチミン市の日本語学校でインターンシップを行いました。受け入れ校の学生は、すべて日本での就労を目指し、日本語を習得することを目的としています。与えられた課題は、日本語の授業外で彼らの日本就労を支援するためにできることを考えることでした。学生たちの目的やレベルに合わせたゲームを考案・実践し、学生からのフィードバックをもとに課題を解決したことや、自身がこの活動でコミュニケーションに積極的になったことを報告しました。

 教員を目指して教職課程で学んでいる学生は、小学校時代の先生の紹介を受け、大阪市内の小学校で授業や職員室業務の補助を行うボランティア活動に取り組みました。教材の作成や素材選びといった労力と時間を要する業務を経験し、自身の小学生時代と比較しながら多くのことに気づいたことを報告しました。また、教育技術が進歩する一方で、業務量の多さに対して教員数が不足している現状を認識したこと、多忙な中でも子どもと触れ合う時間の大切さを実感したという発表には説得力がありました。

 これらの発表には、聴衆として参加した国際学部の学生や教員から多くの質問が寄せられ、和やかな雰囲気の中で活発な議論が交わされました。

 

(国際学部 教授 中西正樹)