ゼミを探検!

森類臣ゼミナール

朝鮮半島の文化と社会

森類臣(もり ともおみ)ゼミナール

キーワード:韓国・朝鮮・在日コリアン・文化・トランスナショナル・東アジア・メディア

【ゼミでの学びの概要】

文化・社会・歴史・国際関係など多様な視点から“Korea”(韓国・朝鮮・海外コリアンなど)を深く理解していきます。研究課題を通してゼミ生・教員がともに学んでいく姿勢を大事にします。

3年生ではゼミ生全員参加で共同研究を行います。一つのテーマ(研究課題)について、3年生の1年間を費やして(進捗状況によっては4年生の前期くらいまで)調査・分析して深めます。テーマはゼミ生が中心となって決め、教員はファシリテーターとなります。研究の一環として、海外調査旅行(韓国を予定)、ゲストスピーカーの招請とインタビュー調査、フィールドワークを行います。さらに、研究の中間報告の場として、他大学(日本・韓国・その他)との合同研究会を開催します。最終目標は、ゼミ誌を発刊して研究成果を学内はもちろんのこと社会に還元することです。

2021年度の3年生は「韓国ポピュラーカルチャーの社会学的研究~K-POP、アイドルを中心に」というテーマで共同研究に取り組んでいます。2021年9月には古家正亨さん(韓国大衆文化ジャーナリスト、ラジオDJ、テレビVJ、イベントMC、帝塚山学院大学客員教授)を招請し、ゲスト講義とインタビューを行いました。また、コリアNGOセンターの協力の元、大阪の生野コリアタウンをフィールドワークし、インタビュー調査を行いました。

4年生では、個々人でテーマを決めて卒業研究(卒業論文執筆)に取り組みます。3年生の共同研究で学んだことが卒業研究を進める上での基礎となるはずです。

【2021年9月21日 古家正亨さんのゲスト講義とインタビュー(Zoom)】

【2021年11月16日 生野コリアタウンでのフィールドワークとインタビュー調査(コリアNGOセンター協力)】

 

【ゼミで大事にしていること(自戒を込めて…)】

1) 人一人を大切に

 人一人を尊重しましょう。そして、ゼミという場を通して生まれた人間関係を大事にしていきましょう。私たち一人一人は知識にも能力にも限界があります。謙虚に耳を傾けて協力するとよりよい成果(win-win)が生まれます。素直に感謝することも、当たり前ですがやはりとても重要です。

2) 対話と議論

 人と意見が違うことを恐れないでください。私たちは生まれも育ちも違うのですから、違って当たり前です。対話と議論を通して私たちは貴重なことを学ぶことができます。

そして、相手の意見に賛成するときも反対するときも、そして第三の意見を述べるときも、重要なのは説得力があるかどうかです。そのためには、普段から知識を得る努力をし、「なぜだろう」「なぜだめなのか。どうしたらうまくいくのだろうか」「因果関係はあるのか」などとクリティカルかつ論理的に考える癖をつけましょう。そして議論をするときは、相手に対して常に敬意を払うようにしましょう。リスペクトがなければいけません。

3) Cool Head but Warm Heart (冷静な頭脳であれ、しかし温かい心を持て)、そして Healthy Skepticism(健全な懐疑主義)

 社会はとても複雑です。普段の生活やメディア情報に接する中で心に引っ掛かったことを大事にしてください。私たちが社会をよりよくするためには、皆が幸せになるためには、問題を発見する姿勢が大事です。情報を鵜呑みにするではなく、現象をいろいろな角度から眺め分析し、納得できるか吟味することが大事です。これを「Healthy Skepticism(健全な懐疑主義)」と言います。そして、問題解決のためには、冷静な頭脳が必要ですが、しかし温かい心を忘れると何のための問題解決なのかが見過ごされることになります。ですから「Cool Head but Warm Heart」を忘れないようにしましょう。

4) 世界基準で考え、現場に出よう!

 自分のしていること、そして自分の住んでいる地域や国のことを正確に捉えるためには「相対化」が一つの方法です。世界を意識してください。「他の国から眺めるとどのように見えるんだろう」「他国はどうなんだろう」という姿勢を持ち続けてください。そして、実際に現場に出てみましょう。活字で得た情報が体験と結びつく瞬間は大きな知的刺激となるはずで、時には忘れ得ない「原体験」となると思います。私はこの「原体験」で一生が変わりました。

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