チームメンバーの価値観を共有するワークショップ



UPDATE 2024-07-24

 2024年7月23日(火)3時限目(13:20~14:50)、京都府京田辺市「南部まちづくりセンター(通称:ミライロ)」を拠点に活動なさる市民・学生団体のみなさまにお越しいただき、国際学部小林基ゼミの3回生9名のためのワークショップを実施していただきました。

 お越しいただいたのは、地域の子どもたちのための企画イベントを行う「三山木まちづくり協議会子ども部会」および、ミライロの土曜カフェ「亜細亜屋台系喫茶 日々あらた」の松下 唯さん、学生たちと社会人の交流を促進する企画イベントを行う学生主体のグループ「接続使」メンバーの安田なつみさん、村上優太さんです。

 当該ゼミではまちづくりをテーマとしており、「まちの人々とかかわりながら自分を知ろう」を目標に掲げています。この日は、さまざまな社会活動を行う際にメンバー同士の多様な価値観を共有するためのカードゲーム「エンゲージメントカード」を体験し、メンバーが大事にする価値観をお互いに知ることを目指しました。

ファシリテーションをする松下さん

 カードには「友情」「愛」「向上心」「知性」などと、多様な価値を表す88パターンのキーワードが書かれており、その中から取捨選択して最終的に自分が最も重視したい7つのキーワードを残します。それらをグループでシェアすることで、自分たちが活動をしていく上でどんなことを目標にすべきか、どのようなチームを作りたいかを言語化して検討することができます。

 学生たちは接続使のみなさんといっしょに、入念にご準備いただいた松下さんのファシリテーションの下で、楽しく熱心にワークショップに取り組みました。お互いの手元に残ったキーワードを共有し合う際には、「意外!」とか「イメージ通り」といった感想が飛び交いました。自分や他のメンバーが大切にする価値観についてあらためて熟考する貴重な機会になりました。

 さらに追加のワークショップとして、「地域の伝統を受け継いでいくために地域住民同士が協力できること」についてのブレインストーミングを行いました。ゲストのみなさんとともに、学生たちは地域貢献のアイデアをたくさん提案することができました。

 

4人一組で実施したブレインストーミング

 自分たち自身の関心ややりたいことが地域社会への貢献といかに無理なく結びつくのか。ゲストのみなさまとの交流を通じ、学生の視野は広がりつつあります。引き続きまして、みなさまより学生たちの成長を見守っていただきたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

<関連リンク>

・「亜細亜屋台系喫茶 日々あらた」インスタグラム https://www.instagram.com/hi.bi.arata(外部リンク)

・「接続使」インスタグラム https://www.instagram.com/setsuzoku_shi_/(外部リンク)
小林基ゼミナール | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)

(国際学部講師 小林基)

日本文化を英語で伝える:科目「Japanese Society and Culture」の学期末



UPDATE 2024-07-16

国際学部2年生の必修科目の一つ「Japanese Society and Culture」では、日本文化や時事ニュースなどを英語で語り、伝えられるようになることを目指して学んでいます。学期末は、クラスごとにいろいろな形で、英語での情報発信や動画制作などを行います。

2024年7月15日(月曜)は前期14週目にあたり、あるクラスでは動画のコンテストを、別のクラスではライブのプレゼンテーション発表を行いました。テーマを各自が選んだクラスでの題材例は

・Karaoke scoring …カラオケマシーンの自動評点の仕組み。歌の上手下手でスコアがつくのではない??

・Mizura… 「みずら」と呼ばれる髪型の歴史。形状や、どんな人のためのものか、アジアの他の国ではどうか、など

・Japanese “Yaki”… 日本語の「○○焼き」という表現は、調理方法にも陶器の製法にも火祭りの名称にも使われていること

・Judo uniforms… もともと白のみだった柔道着が、いつからどのような理由で白と青の柔道着を導入したのか(実物着用)

・Bike component… 各国の主要自転車メーカーが、日本で生産した重要な部品をロードバイクに採用している(実物持参)

画像は、ロードバイクの実物を使った発表の様子です。先に発表を終えた学生が、黒子(くろこ)のようにアシスタントを務めてくれました。

追って、他のクラスや発表のお話も投稿予定です。お楽しみに!
(文・写真 齋藤安以子) 

インドネシアの大学と連携交流授業を実施



UPDATE 2024-07-15

20247月12日(金)、インドネシア・ジャカルタLIA(リア)大学(Universitas LIA)と連携授業を実施しました。 

LIA大学は、本学グローバル教育センターの前身である国際交流センターの派遣プログラムを実施したり、つい先月までは本学部4年次生がインドネシア政府奨学生として留学するなど、摂南大学と緊密なつながりがあります。 

 LIA大学には日本語を学ぶ学生が多く、今回、国際学部3年次開講科目「インドネシア語で考える現代社会」において連携交流授業を実施しました。授業のテーマは「若者のライフスタイル」です。 

 授業では、まずLIA大学の学生たちが4班に分かれ、 

「インドネシア人学生の起床時間と人気のゲーム」 

「インドネシアのポピュラー音楽」 

「インドネシアのコンビニ」 

「若者の間で流行っていること」 

について、それぞれ日本語で10分程度の発表をしました。


そのあと
6班に分かれた摂南大生が 

「日本のコンビニへ行ってみよう」 

「大阪でカフェしてみる??」 

「USJを楽しもう」 

「『おはよう』から『おやすみ』まで─日本の若者の日常─」 

「花火」 

「(摂大寝屋川)キャンパスをぶらぶら」 

といったテーマについて、それぞれインドネシア語でプレゼンテーションをしました。学生にとって普段学んでいる外国語を使って、その言語のネイティブスピーカーに向かってプレゼンをする絶好の機会となりました。 


 この授業には、2年次の「総合インドネシア語」受講生も参加しました。連携授業は同年代の日本の学生とインドネシア人学生との交流の場と化し、質疑応答も大いに盛り上がり、予定の時間を大幅に過ぎてしまうほどでした。 

 以下、紙幅の関係ですべてを掲載するわけにはいきませんが、参加学生からのコメントを一部抜粋してご紹介します。 

・自分と同じ世代のインドネシア人がどんなことに興味があるのか知ることができたのでとても有意義だった。 

・実際に同世代のインドネシアの学生たちとお互いの国の流行しているものなどを共有できてとても楽しかったです。 

・授業では取り上げることのできないようなインドネシアの人のライフスタイルを知ることができた。また、流行しているスマホゲームが日本でも少し流行っていたもので少しびっくりした点もありました。 

・お互いの言語を使って発表することがとてもいい経験になった。zoomではあったが、お互いの顔などが見られてよかった。 

LIA大学の人のノリが良くて質疑応答の時にとても笑ったし、楽しめた。 

・面白くて楽しかったです。インドネシアの子たちと年齢とかもほぼ同じで、国は違うけどKPOPとかゲームとか思ってることも似ていて、通じてる感じがしました。 

・本場のインドネシア語を聞いてとても刺激になった。 

・お互いの言語で発表できて良い機会でした。合間に手を振ると振り返してくれたり質疑応答などをして、リアルタイムで繋がっていると感じられました。 

・現地の方との話す機会が出来てネイティブのインドネシア語を聞けたり、インドネシア人の日本語が上手くて、もっと勉強しないとな、と思いました。 

・現地の学生とコミュニケーションを取れてよかった。おんなじマインドを感じた。 

LIA大学の皆さんの日本語がすごく上手でした。日本の文化のことをもっと好きになってほしいです。また日本語ももっと勉強してほしいなと思いました。 

・摂南大学の先輩方の発表もインドネシア語がとてもスムーズに話せていてすごいなと思いました。僕ももっとインドネシア語を勉強して話す練習してスムーズに話せるようになりたいと思いました。 

・お互いが異なる言語を話すことで異文化を知ることができていい経験になった。言語の壁を超え、コミュニケーションをすることで多くの知識を知ることができた。 

・伝わらないと思っても、気持ちを込めて話すとなんとか理解してもらえるなという風に感じました。それは学びになりました。 

 インドネシア(首都のあるジャカルタ)と日本の時差は2時間ですので、リアルタイムの遠隔授業もしやすい環境です。今回の授業は金曜日の実施だったため、イスラム教徒にとってはモスク(イスラム教寺院)での合同礼拝日となっており、リア大学側の要望もあり、授業開始時間をこちらでは昼休みが始まる12時30分としました。このような習慣の違いも参加学生たちにとってはお互いを尊重することの大切さを学ぶよい機会となったようです。 

 大きな刺激となった今回の連携授業を足がかりとして、学生たちには実際にインドネシアへ訪れ、交流を深めてほしいと願っています。 

(文責:国際学部教授 浦野崇央) 

小笹雄一郎さん(NPO法人シミンズシーズ)による企画ワークショップ



UPDATE 2024-07-09

2024年7月9日(火)3時限目(13:20~14:50)、博物館・地理学実習室にて、兵庫県加古川市においてNPOの中間支援事業に携わる小笹雄一郎さんをお招きし、ワークショップを開催していただきました。国際学部小林基ゼミの学生9名が参加しました。

当該ゼミではまちづくりをテーマとしており、「まちの人々とかかわりながら自分を知ろう」を目標に掲げています。この日の議題は、「みんなのやりたいことをカタチにする企画術」。企画やイベントをどのように考えて実施すればよいのかを、経験豊かなプロの目線からご教示いただきました。

 

KP法によるファシリテーションを行う小笹さん

 

NPOや一般社団法人といった「ソーシャルセクター」にとって、企画とは社会課題解決のアイデアを練ること。そのポイントは社会の課題と自分の課題(悩み)の共通点を見つけることです。

地域社会には解決すべきたくさんの課題があります。が、どれに取り組めばいいか多すぎて選べないとき、自分がもっとも共感できる問題を選んで挑戦していくと、「ジブンゴト」の仕事や社会貢献活動として取り組めるようになります。

そして、自分が抱える個人的な悩みも重要なきっかけとなります。それは自分だけの悩みとは限らず、他の誰かも共通して持っている悩みかもしれない。まだ世の中に知られていないだけで、実はすでに立派な社会課題なのかもしれません。

 

ワークショップに取り組む学生

 

緻密に設計されたいくつものディスカッションが、明快な紙芝居方式(KP法)のファシリテーションにより鮮やかに導かれ展開していく様子に、学生も教員も感銘を受けました。発言するのが苦手な学生も活発に意見を表明し、あっという間の90分間でした。プロのファシリテーションとはどういうものかを経験する貴重な機会にもなりました。

小笹さん、お忙しい中、本当にありがとうございました!

 

〈参考URL〉

・NPO法人シミンズシーズ:https://npo-seeds.jp/(外部サイト)

・小林ゼミブログ:https://hajimekobayashi.hatenablog.com/(外部サイト)

 

(文・写真:国際学部講師 小林 基)

日韓だけでなく韓中にも視野を広げて―許在喆先生ゲスト講義 [森ゼミナール]



UPDATE 2024-07-07

摂南大学国際学部森ゼミナール(4期生)では、2024年5月28日(火)3限に対外経済政策研究院研究委員(同院世界地域センター日本・東アジアチチーム長)の許在喆[ホ・ジェチョル]先生をお迎えし、ゲスト講義を開催しました。当日は許先生にオンラインで参加していただきました。また、許先生が東アジアについて精通していることから、同学部の小都ゼミナールと合同で講義を進めました。

許先生は、中韓の経済関係についてはもちろんのこと、東アジア周辺地域の政治経済状況についても詳しい方です。また、許先生は北朝鮮の対外関係についての知識も豊富であり、『北朝鮮研究の新地平―理論的地域研究の模索』(中戸祐夫・崔正勲編著、晃洋書房、2022年)や『北朝鮮の対外関係―多角的な視角とその接近方法』(中戸祐夫・森類臣編著、晃洋書房、2022年)の書籍にも携わっています。

許先生によると、中国と韓国の関係はとても重要な関係ですが、最近の調査によると、韓国における対中国認識は良くない評価が多かったそうです。

最も興味深かった点は、韓国人の中国への肯定的な認識や好感度が低いことや、日本・台湾・欧州・欧米における中国認識もネガティブに見えたことでした。2021年は新型コロナウイルスの影響を受けたヨーロッパやアメリカ、アジア周辺国は中国への印象は良くなかったことが、許先生が配布してくださった資料から読み取ることが出来ました。また、パンデミックが落ち着いた今は、中韓関係が改善しているのかと考えましたが、韓国においては対中国認識が比較的ネガティブなまま低迷していることが分かりました。

また、中国に対して韓国と日本のどの世代が肯定的/否定的なのか、またどの国が中国に対して肯定的な認識があるのか資料を用いて教えていただきました。資料によると、日本や韓国は中国に対して全体的に否定的に考えているようでした。特に韓国の若者が否定的に考えている人が多いことが分かりました。おそらくそれは、最近の政治状況にネガティブな印象を持っているからではないかと私は考えました。

しかし一方で、アメリカでは、韓国や日本と比べて対中認識は肯定的なようでした。私が一番疑問を持ったのはなぜアメリカの若者は肯定的な意見を持っているのだろうということでした。この理由としては、経済大国の中国の経済状況が若者から注目を集めているからではないかと考えました。

最近では北朝鮮の汚物風船の問題やアメリカの大統領選挙、中露関係など目まぐるしく世界情勢が動いています。日韓関係はもちろん、より視野を広げて韓国とその他の国の関係について学んで対話する必要があると考えさせられました。今回教えていただいたことをこれからの研究や知識の蓄積に活かしていきたいです。

今回のゲスト講義を通して、韓国と中国のことについて、より深いところまで知ることができました。とても貴重な時間になりました。これを機会に、日本と韓国の関係だけでなく、韓国とその他の国の関係についても理解を深め、今後の研究へと繋げていきたいと思います。お忙しい中、オンライン講義をしてくださった許先生、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

                   (摂南大学国際学部 森ゼミナール 小杉七々夏)

アメリカの大学生に日本語・日本文化を紹介



UPDATE 2024-06-20

2024年5月27日(月)の3時間目に、本校を訪問したアメリカのFayetteville Technical Community Collegeの12名(学生3名 教員3名)に、国際学部の門脇ゼミで「外国人を対象にした日本語教育」を学ぶ4年生のゼミ生が日本語・日本文化を紹介しました。


日本語学習歴のないアメリカの学生の皆さんに簡単な日本語を教えて、日本文化を紹介するアクティビティーとして、「福笑い・紙相撲・七夕の飾り作成」を行いました。

福笑いでは、まずは顔のパーツ(目・耳・鼻・眉毛・口)や方向を表す言葉)上・下・右・左)などを教えて、そのあとはジェスチャーゲームをして日本語の練習をしました。すぐに言葉を覚えて日本語を使っていました。紙相撲も非常に盛り上がりました7月7日の七夕にはまだ早い時期でしたが、折り紙を使って七夕の飾りを作成し、短冊には願いごとを英語と日本語(カタカナで自分の名前)で書いて飾りました。

アメリカの学生の皆さんは、日本文化を体験でき非常に喜んでもらえました。本学の学生にとっても英語で日本文化を体験できる貴重な機会となりました。

(門脇 薫 教授)

 

米国Berry Collegeから教職課程生が来校!



UPDATE 2024-06-27

2024年5月、米国ジョージア州のBerry Collegeから、Chang Pu教授と11名の学生が来校し、学生や教員と交流しました。5月6日に到着した翌日、さっそく摂南大学グローバル教育センター主催の交流プログラムに参加し、日本文化体験をしました。その後、アメリカの教職課程で学ぶ11名が常翔啓光高校と常翔学園高校にて3日ずつ、教育実習に挑み、週末には京都と奈良へ摂南大生と共に訪れてさらに日本の文化面にも触れました。(記事の最後に関連記事URLを掲載しています)この記事では、国際学部の学生とだけ過ごした16日についてお伝えします。

5月16日、Berry Collegeのみなさんは国際学部Curtis Chu先生ゼミの学生たちと学食を楽しんでから、国際学部の英語の教職課程生を交え、2つの高校での実習をふりかえるセッションを持ちました。Berry大学の学生にとっては、ペアでティームティーチングをすることも、また予備調査をしないで会う生徒たちに合わせて授業案を調整していく経験も、初めてでした。最初は思うようにいかなかったものの、教室移動の最中にもアイディアを出し合って全力で進め、最終日には自分やパートナーの成長がよくわかった、と口々に述べていました。

「来日前に、日本の子どもたちはあまり話さない、と聞いていたけれど、そんなことはなかった。ちゃんと向き合ったら、いろんなことを話してくれたし、英語でお話したいと授業以外のときにも近くに来てくれた。」

「生徒がとってもかわいかった。」

「雰囲気の異なる2校に行けてよかった。」

と感想を交わしていました。


16日午後には国際学部の授業にも参加してくれました。写真は、国際学部の鳥居祐介先生担当の「日米比較文化論」での様子です。この日のテーマは「人種と政治」。伝統的な物語のヒロインをエンターテイメントの新作映画でどう配役するかなどについて、複数の人種や移民の視点などから多様な見解を交わしました。Berry Collegeの学生・教員も摂南大学の履修生も、自分自身、また身近な人たちの人種や移民の家族がいて、それぞれからの実感のわくコメントに、互いに真剣に耳を傾けていました。

米国Berry College:  Berry College – Best Private Colleges in Georgia
摂南大学グローバル教育センター 記事: https://www.setsunan.ac.jp/kokusai/news/detail.html?id=6628
常翔学園高校:ベリー大学教育実習生来校 – 常翔学園中学校・高等学校 (josho.ac.jp)
(文・写真 国際学部教授 齋藤 安以子)

在日コリアンが多く住むまちを訪ねて~東九条フィールドワークとウトロ平和祈念館訪問[森ゼミナール]



UPDATE 2024-06-11

私たち国際学部森ゼミナールは、韓国(朝鮮半島)・在日コリアンについて勉強するゼミです。この度5月12日(日)に私たち森ゼミナールの学生と、鳥取大学准教授の呉永鎬(オ・ヨンホ)先生が引率する学生と合同で京都市南区東九条フィールドワークと京都府宇治市ウトロのウトロ平和祈念館を訪問しました。

【40番地について】

初めに、在日本朝鮮人権協会京都協議体のコーディネートで、東九条40番地という昔から在日コリアンが多く住んでいる場所を訪ね、東松ノ木団地1階の集会場で、在日コリアン2世の方からお話を伺いました。お話しによると、日本による朝鮮半島植民地支配の影響で渡日したけれど、様々な事情で仕事が無くなった朝鮮人がこの地域に集まってきたそうです。この地区には日本人が住んでいる時期もありましたが、日本が高度経済成長期に入ると、お金を稼げるようになった日本人の多くは違う地域に引っ越したため、在日コリアンの方が多くこの地域に住むようになったそうです。40番地の近くには川がありましたが、堤防も低く雨が降るとすぐに洪水が起こり、一度火事が起こると延焼するなど、住環境は大変だったということです。ただ、実際に日本で在日韓国人への差別がひどかったため、他の地域に住むよりも、在日コリアンが集まって暮らすこの地域に住むほうが気楽で落ち着くということで、在日コリアンはこの地域に住み続けたそうです。戦前から今に至るまでの在日コリアンの生活環境・人間関係など様々なお話を聞くことができました。NPO法人東九条まちづくりサポートセンターの村木美都子事務局長も東九条の歴史と現状を詳細に説明してくださいました。

【東九条フィールドワーク】

その後、NPO法人東九条まちづくりサポートセンターの丁春燁(チョン・チュナ)さんに案内していただき、東九条の町を実際に歩きながら説明を聞き、より理解を深めました。在日コリアン一世・二世の方の孤立を防ぐためにつくられたNPO法人京都コリアン生活センター「エルファ」という介護施設を訪問しました。在日コリアンが年齢を重ねてもこの地域に住み続けられるようにと考える地域住民の温かさを感じました。

そして、毎年秋頃に行われる地域のお祭りである「東九条マダン」の中心となる「文庫・マダンセンター」も訪問しました。地域住民同士で助け合ったり、町を盛り上げるために協力しているのを感じて、とても素敵な地域だと感じました。

【ウトロ平和祈念館訪問】

その後、ウトロ地区に移り、ウトロ平和祈念館を訪問しました。閉館時間を過ぎていたにも関わらず、副館長である金秀煥(キム・スファン)さんが展示物について直接、一つ一つ丁寧にお話してくださりました。ウトロ平和祈念館は民間の人が協力して建てた祈念館だそうです。やはりここでも、植民地時代に朝鮮人は当時炭鉱やダムなどの危険な場所で働かされたり、日本人からひどい差別を受けていたことを聞き、差別をしていた側である同じ日本人として、私は悲しくなりました。しかし、困難に直面しながらも戦ってきた人々と、ウトロに寄り添ってきた日本市民、様々な人の協力でウトロの歴史が守られてきたのもまた事実です。そのため、この祈念館では、差別があった事実を悲しく・重く受け止めることだけで終わるのではなく、協力してきた人がいることも知り、これから先の日本と朝鮮半島をよりよくしていける未来を考えるきっかけになると思いました。

東九条フィールドワークやウトロ平和祈念館訪問に参加したゼミ生の感想は次のようでした。

「何年経ってもあらゆる形でコミュニティを大事にしていらっしゃるたくさんの方々の思いや気持ちを一度に浴び、心の温まる瞬間がとても多かったです」

「何人だとか、障がいがあるだとかそんな立場の違いを飛び越えたマダンを今年見に行きたいと思いました」

「辛いことが多くても在日コリアンの方々がみんなで家族のように助け合っていたり、その人柄や関係性が印象的でとても素敵だと感じました」

「行政からの支援がなかったのにも関わらず、この東九条に残り、協力し合いながら生活をしていたことが今の韓国のデモ活動や団結力に引き継がれているのかなと考えました」

東九条もウトロ地区も大変なことを乗り越えてきたからなのか、現在の日本ではなかなか感じられないような地域住民同士の温かさやコミュニティの繋がりの深さを感じました。日本が在日コリアンの方々へ差別をしてきた事実は無くなりませんが、この地域を訪れて、一度皆さんにも直接感じて、理解して、考えていただければ嬉しいです。この地域を訪れたことによって、他の地域で起こっている差別問題にも関心が湧き、視野が広がりました。世界中にある差別問題が解決に向かってよりよい方向に進むことを願っています。

村木さん・丁春燁さん・金秀煥さん・呉永鎬先生・鳥取大学学生の皆さん、ありがとうございました。また、今回のフィールドワークと訪問を助けてくださった関係者の方々へ重ねてお礼申し上げます。ありがとうございました!

(国際学部森ゼミナール 松田涼奈)

「韓国、どこまで知っている?K-クイズチャレンジ!」に参加しました[森ゼミナール]



UPDATE 2024-06-10

2024年5月25日(土)に、国際学部森ゼミナール3年生(4期生)は駐大阪韓国文化院主催・大和大学共催の「韓国、どこまで知っている?K-クイズチャレンジ!」に参加しました。K-クイズチャレンジは大和大学の大和アリーナで行われ、約100名の参加者が集まりました。問題形式は2択から4択で答えを選ぶものであり、韓国の文化や一般常識など幅広く知識を問う問題が出題され、サバイバル形式で最後の1人になるまで続けられました。ゼミではK-クイズチャレンジに向けて韓国文化のクイズを事前に解いたりして対策をしましたが、想定していたより難易度が高い問題が多く出題され、残念ながら途中で敗退してしまいました。しかし、新しく学べたことも多くとても楽しく有意義な時間を過ごしました。結果として入賞はできませんでしたが、韓国文化について幅広く知る機会になりました。

今回の大会に参加したゼミ生の感想は次のようなものがありました。

「クイズ大会の内容は、私自身が想像していたよりも難易度が高く、序盤で脱落してしまった。しかし、もっと韓国について知りたいと思うきっかけになった」

「K-クイズチャレンジは1問目から思っていたよりとても難しくて、全部通しても分からない問題の方が多かったです。これからもっと韓国について沢山勉強して、来年も参加して次は1位を取りたいです」

「今回のクイズ大会を通して、楽しみながらも、韓国について今まで知らなかったことを知ることが出来てとてもいい経験になりました。より韓国について興味が湧いた一日でした」

「私が予想していた問題よりレベルが高く、まだまだ韓国について知らないことが多くあることを学びました!また機会があればもっと勉強して挑みたいと思いました。」

K-クイズチャレンジ後、参加者は主催者が用意してくださった韓国料理風のランチをいただきました。

午後からは、同会場で行われた「2024 K-POP CHALLENGE OSAKA」に参加しました。このイベントでは、ステージイベントとしてK-POPアイドルのカバーダンス、 K-SONGノレバン(のど自慢)、ゲスト公演などが行われていました。他にも広報ブース、体験ブースがありました。広報ブースでは韓国の航空会社などが出展しておりSNSをフォローすると抽選で賞品をもらうことができました。体験ブースではK-Beauty体験(韓国アイドル風メイク)やポッチュモニ(福袋)、サシェ作りのような韓国文化体験など他にもたくさんのイベントがありました。私たちも、韓国コスメやお菓子などを頂いたり、K-POP カバーダンスを見たりと韓国のポップカルチャーとKスタイルに触れて楽しい時間を過ごしました。

 

今回参加したイベントでは、体験型のイベントが多く参加者が韓国のことをより知りたくなる、より好きになるイベントがたくさんありました。私たち森ゼミナール4期生は、韓国の公共外交(Public Diplomacy)をテーマに共同研究をしていますが、今回の「韓国、どこまで知っている?K-クイズチャレンジ!」への出場と「2024 K-POP CHALLENGE OSAKA」への参加は、この公共外交を実際に体験できた良い機会になりました。この体験を今後の研究に生かし、韓国についてより深く知っていきたいと思います。

(摂南大学国際学部 森ゼミナール 南邑佳)

Drama Workshop:俳優に学ぶ身体表現



UPDATE 2024-07-09

2023年10月、国際学部1年生の科目「Drama」にて、プロの俳優・演出家によるドラマワークショップを開催しました。講師はAlessandro Visentin先生(写真1 左から2人め)とGabriel Felipe Ramirez Botero先生(写真2 左から2人め)のお2人です。

寝屋川キャンパス10号館7階には、小スタジオという、三方に階段状の客席があり、中央に板張りのステージがある特別な教室があります。写真1の上部にあるとおり、スポットライトと幕も完備しています。演劇やプレゼンの授業、音楽演奏のサークル活動でもよく使われるこの教室で、感情表現を身体で行うための90分を過ごしました。

すべて英語で進んだワークショップでしたが、今日のテーマはセリフ回しではなく「身体表現」。外国語を学ぶ学生が外国語でのコミュニケーションではついつい言語にのみ頼りがちなところを、セリフがなくてもこれほど豊かにメッセージを送り合えるということを実感しました。無言でも、人は協力できたり、拒絶したり、受け入れたり、できます。相手の身体表現から、驚くほど「わかる」のです。

この日の参加者には、選択科目「Drama」が摂南大学で開講された初期の履修生でもあった松吉先生(卒業して、今は大学と高校で教員として活躍中)も加わってくれました。コミュニケーションに興味を持っている学生が、代々履修して表現のバリエーションを広げるdramaの授業は、2024年度も後期に開講します。俳優によるdrama workshopは、今年は教職課程クラスで実施予定です。

This project was supported by Japan Society for the Promotion of Science Kakenhi Grant Number [20K02798: Creation and practice of English drama workshops to promote multiculturalism].

(国際学部 齋藤安以子)