UPDATE 2023-06-26
Before her retirement, Matsuda-sensei introduced me (Michael) to Professor William Lowe from Howard Community College (hereafter HCC) in Maryland, USA. Professors Lowe and Matsuda organized a COIL in 2022 that had gone extremely well and he was eager to continue the exchange.
2022年度に、摂南大学外国語学部の松田教授と、米国メリーランド州のハワード・コミュニティ・カレッジ(以下、HCC)のWilliam Lowe教授がオンライン国際協働学習を実施したことは、以前にこのウェブサイトでご紹介しました。<アメリカのコミュニティカレッジと国際協働オンライン学習(COIL)プロジェクト | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp) >
昨年度のCOILが非常にうまくいったので、Lowe教授は交流を続けることを熱望し、松田先生から紹介を受けて今年は別の教員クラスがCOILの関係を続けることになりました。Lowe教授はアジア文学を教えており、この記事を書いている私Michael HerkeはAcademic Readingのクラスで日本の短編小説の英訳版を教材としています。そこで、今年は吉本バナナの『小さな闇』をCOILプロジェクトのテキストに選びました。
Using the same task sheet, HCC and Setsunan students worked through the text using the guiding questions therein. They then posted their answers to Padlet, an online writing platform, where they could read and respond to each other’s ideas. Finally, students met online in real time to continue the discussion on Zoom. One surprise was that two HCC students, Kevin and Jasmine, had been studying Japanese and could carry on basic conversation.
HCCと摂南の学生は、同じタスクシートを使用し、手がかりになる質問に答えながら作品に取り組みました。そして、回答をオンラインプラットフォームであるPadletに投稿し、お互いの考えを読んでコメントを送り合いました。最後に、オンライン会議システム上で顔を合わせ、リアルタイムで議論を続けました。なんとHCCの2人の学生、KevinとJasmineは日本語を勉強していて、基本的な会話を日本語でできました。
It was a challenge for Setsunan students to carry out literary analysis in English online as well as manage a new learning platform, but they rose to the occasion. HCC students appreciated the chance to discuss Japanese literature with Japanese and get their perspective on the story. It helped make the literature come alive.
摂南の学生にとって、英語で文学分析を行い、新しい学習プラットフォームを使いこなすことは簡単ではありませんでしたが、果敢に挑戦していました。HCCの学生は、日本文学について日本の人と話し合い、物語について視点を得る体験を意義ある機会ととらえてくれました。その経験は、この文学作品を、生きた言葉に変えました。
Professor Lowe visited the Setsunan campus in June and met with a class from the Ei-Pro course who will participate in a different COIL project in the fall. Professor Lowe explained the project and took their questions. They are really looking forward to it.
Lowe教授は6月に摂南大学の寝屋川キャンパスを訪問し、秋に別のCOILプロジェクトに参加する英語プロフェッショナルコースの3年生クラスとお会いになりました。教授はプロジェクトについて説明し、質問に答えてくださいました。学生たちは秋のプロジェクトを本当に楽しみにしています。
英文 Michael Herke 准教授
日本文 広報委員会
UPDATE 2023-06-22
私たち外国語学部森ゼミナールは、2023年1月16日(月)にラジオDJ・テレビVJ・イベントMC・韓国ポップカルチャー評論家でいらっしゃる古家正亨(ふるや・まさゆき)さんをゲストスピーカーとしてお迎えし、特別講義を開催しました。古家さんは、K-POPブームをはじめ日本における韓国ポップカルチャーの定着に貢献なさった第一人者といっても過言ではありません。現在も、イベントのMCや番組や執筆活動などを精力的に行っていらっしゃいます。
私たちゼミ生は韓国文化についての共同研究をゼミ内で進めているため、今回、お忙しい中で古家さんにキャンパスにお越しいただき、ゲスト講義とインタビューを行いました。

古家さんにインタビューをする様子
古家さんは、ゲスト講義&インタビューを始める前に気になる事をおっしゃっていました。それは、自身の活動について「自分のようなスタイルで、韓国大衆文化を広める活動をしている方は他にあまりいないとは思います。自分にできる事として、日韓関係に関する情報を良い部分も悪い部分もきちんと伝えないといけないと感じています。ただ自分はおじさんなので(笑)活動には限界があるとも感じています。皆さんのような未来ある若者たちが韓国大衆文化に興味を持ち、日韓関係にかかわる活動を続けてくださるとありがたいです」とユーモアを交えながらも、私たちの研究を後押ししてくださいました。
当日は、ゼミ生の一人である黄愛美さんがゼミ共同研究の紹介をし、他のゼミ生が「MCのお仕事」「韓国メディア」「K-POP」「韓国ドラマとバラエティ」などの項目について順に質問しました。一つ一つの質問に対し、韓国の歴史や最近の事実を踏まえながら、分かりやすく解説してくださいました。例えば「韓国のネットワーク事業がなぜ強くなったのか?」という質問に、1990年代に韓国の政策として「サイバーコリア 21」が行われたことを指摘なさいました。また、K-POPが世界的に注目されるきっかけとしても、まだ「YouTube」が普及していない時に、CDの売り上げを主な収入源にしていた方向性を変え、アーティストのMV(ミュージックビデオ)を無料で公開したケースを紹介してくださいました。このような事例を挙げながら「韓国のインターネットをベースとした産業は、時代を先取りしただけでなく、『何かを犠牲にして何かを得る手法』によって成功につなげられたと感じます。韓国は時代の流れを読み、次に取るべき行動のタイミング、そして何より運が良かった点もあったのではないでしょうか」と指摘なさいました。また、K-POPのこれからについて伺うと、「K-POPのアーティストの個性は、多様性として捉えられるようになっている。そのうちK-POPというジャンルは無くなり、アーティストそのものが注目されると思います。例えばアリアナ・グランデやマイケル・ジャクソンのように、洋楽という枠組みを超えた存在にK-POPアイドル達もなっていくと思いますし、それが正しい成長の仕方だと感じます」とおっしゃっていました。
古家さんにインタビューをして印象的だったのは、ネットの記事やテレビなどのありふれた情報や切り取った一部の情報や憶測ではなく、事実に沿いながら私たちにわかりやすいように真摯に答えてくださる姿勢でした。古家さんにしか伺えないお話も多く、大変貴重な経験だったと感じます。大変勉強になりました。
お忙しい中、ゼミのゲストスピーカーをお引き受けくださった古家さんに心から感謝申し上げます。

古家正亨さんとゼミナール学生・森類臣准教授で記念撮影(古家正亨さん=写真中央)
(外国語学部森ゼミナール 原口恭)
UPDATE 2023-06-20

2023年6月12日、国際学部2年次「Japanese Society and Culture」のクラスに、米国からゲストをお迎えしました。アメリカ合衆国ジョージア州のBerry College( Berry College – Best Private Colleges in Georgia )の、Chang Pu先生です。昨年2022年度にPu先生がご担当の教職課程のクラスと摂南大学外国語学部の教職課程クラスが合同で数週間の授業を行ったことがご縁で、来日された先生に講義をお願いしました。日米の大学生活のちがいや、同じ商品がそれぞれの国・文化圏でどのような方法で宣伝されているかの比較、そして外国語学習のさまざまな工夫など、学生とやりとりしながらエネルギッシュな講義を英語で実施してくださいました。

参加した2年生のコメントと疑問の抜粋はこちら:
・英語を1時間ずっと聞き取ろうとすると結構体力を使うなと思った。単語のニュアンスが近い単語を考えて訳すのは難しかったけど考えていて面白かった。
・日本の学生がアメリカの授業に入って一番困ることは何だろう?
・[比較ディスカッションした題材の]コーラのCMでは、日本はとても美味しそうに飲むCMだが、アメリカは成分的に説明をして広告するタイプで全然違う・・・また、ペプシのCMがコカコーラにライバル視むき出しで面白かったです。
・言語を学ぶ上で、一緒懸命に伝えようとする意志があれば相手が助けてくれるため、間違えることを恐れずに質問や会話を自分から積極的にすることが大切だとあらためて感じた。
・[アメリカでは]文法的に間違えていても、伝わるまで話し続ける・・・文化の違いがそこにもあるのかと思いました。

当日は、昨年の合同授業に参加していた教職課程4年生や、キャンパスツアーを担当してくれた3年生(いずれも外国語学部の英語プロフェッショナルコース生)も授業に加わって、2年生をサポートしてくれました。オンライン国際協働学習は特定クラスの一過性のイベントではなく、学生も教職員も境界に思えていた線を超えて、広い視野で発展的に学びあう機会を生んでいます。
(文・写真:A.Saito)
写真
1&2:講義中のPu先生
3:左からグローバル教育センター長 中西先生、Chang Pu先生、3年生上田さん、4年生林さん、昨年度に教職課程クラス同士のコーディネートしてくださったCurtis Chu先生
関連ページ
アメリカ・ベリー大学のチャン・プー准教授が来学しました。 – 摂南大学 (setsunan.ac.jp)
英語科教職課程 | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)
COILという学び方 | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)
UPDATE 2023-06-05
摂南大学は、インドネシアのスラバヤ市にあるストモ博士大学(Universitas Dr.Soetomo、通称:ウニトモUNITOMO)と協定を結んでいます。
2023年6月1日(木)、国際学部の2年次生向けの授業「インドネシア語と現代文化」においてウニトモとの連携授業を行いました。授業では、講義科目名にある「現代文化」を知るべく、ストモ博士大学文学部の学生(MelodiさんとRyanさん)にスラバヤの「今」をテーマに、スラバヤの町中やモール、ナイトマーケット、流行りの食べ物などについて、ビデオで紹介してもらいました。

スラバヤのメインストリート

夜市

人力タクシー(ベチャ)
受講生からは以下のようなコメントがありました。
インドネシアの町は日本と同じくらいか、それ以上に発展しているということが現地のビデオを通して分かりました。
今日、インドネシアの人との交流を通して、会ったこともない私たちのためにたくさん動画を準備しておいてくださり、一つ一つ説明してくれる姿を見て、すごく優しい人たちで思いやりがある人だと感じた。私も今日交流をした人たちのように思いやりのある優しい人になりたいと感じた。
インドネシアの身近な風景や生活を見られたことは良かった。インドネシアに自ら足を運んでみたいというモチベーションにも繋がり、さらには、インドネシアの人々の人のなりなども垣間見られたため、インドネシアを学ぶ気力に繋がった。
今回、特別にインドネシアの現地の方々とインターネットを繋いで色々なことを紹介してくださり、インドネシアの街の雰囲気や、建造物などの現在の状況を知ることができた。私が思っているより街中は綺麗だった。友達や家族とインドネシアに行ってみたいという気持ちが強くなった。
インドネシアのスラバヤの風景を見て非常に都会で綺麗だなと思った。また、日本よりサービス精神が旺盛なインドネシア人はきっと優しいのだろうなと思い、よりインドネシアに行ってみたくなった。
リアルタイムでインドネシアの方の話を聞けて、屋台や夜市、モールなどの紹介もしてくれて、自分が想像していた以上に面白そうで楽しそうな印象でした。メインの通りも夜でも繁盛している雰囲気で、沖縄の国際通りっぼいなと思いました。今のインドネシアの食べ物や町並み、雰囲気を知ることができました。今後、インドネシアに対してプラスイメージで溢れるようにもっと学びたいし、いつかインドネシアを訪れたときにもっと楽しむことができそうです。大学生が教えてくれるインドネシアが1番伝わりやすかったです。
本日の授業では、インドネシアのウニトモの学生さんが作ってくださったビデオを見て、スラバヤの町並みが日本の都会の風景と似ていて、少し残っていたインドネシア=発展途上というイメージが払拭されました。ここから、偏見をなくすには、現地の方が作ってくださった映像を通して文化に触れることが有効であり、もし今後何かしらの偏見を持っている人がいて、自分がその人に偏見を持つのを止めてもらいたい時は、映像によってアプローチしてみようと感じる事ができました。今後の生活への影響としては、今後はまた違う目でインドネシアを見ることができそうだと期待できます。
摂南大学ではこれからも協定校とのつながりを重視し、連携授業やオンラインプログラムなどの行事に取り組んでいきたいと考えています。学生からのコメントにもあるように、映像を通じて「生のインドネシア」を見ることは関心を深めるきっかけとして大きい意味をもつことにつながることでしょう。
(文責:浦野崇央 国際学部教授)
UPDATE 2023-05-29
2023年5月16日(火)、国際学部小林基ゼミが農学部食農ビジネス学科中塚華奈ゼミと合同で、京田辺市の茶畑にてお茶摘みを体験をさせていただきしました。

この茶畑を管理されているのは、京田辺市の就労継続支援B型施設「さんさん山城」。当該施設はいわゆる農福連携の先進事例として全国的に有名であり、「第三十回 JA共販茶求評会」手摘みの部で1位を獲得するなど、非常に高品質なお茶を生産なさっています。さんさん山城は、小林講師と中塚准教授がメンバーとして研究を進める京田辺での地域連携研究のパートナーにもなってくださっています。
当日参加した学生たちにとって、お茶摘みは初めての経験。やり始めるうちに没頭し、時間を忘れて作業していました。「最高級のお茶がこんな風に作られていると知ることができ、とても勉強になった」「またぜひ農業体験をやりたい」といった声も聞かれ、充実した一日になりました。
さんさん山城のみなさま、とてもお忙しいシーズンに受け入れてくださり、本当にありがとうございました!心より御礼申し上げます。
UPDATE 2023-05-17
私たち外国語学部森ゼミナールは、2023年3月27日(月)に大阪市中央区に位置する読売テレビ(ytv)を訪問し、スタジオなど局内の見学を行いました。ゼミでのテレビ局見学は、今年2月の韓国JTBC見学に続き2つ目となります。今回の見学はゼミの共同研究の一環として位置付けられるものです。
読売テレビ放送とは
読売テレビ放送は日本テレビ系列の準キー局です。近畿地方を放送対象地域としています。「朝生ワイド す・またん」「関西情報ネットten.」「大阪ほんわかテレビ」(以上、関西ローカル)、「情報ライブミヤネ屋」「ダウンタウンDX」(以上、全国ネット)、「鳥人間コンテスト」「ベストヒット歌謡祭」「ytv漫才新人賞選考会」(以上、スペシャル番組)など有名な番組を数多く放送しています。
1990年以降はアニメ制作に力を入れており、「名探偵コナン」などの大ヒットアニメを数多く制作しています。局内では名探偵コナンの銅像を見ることができました。
また、私たちが訪れた際、読売テレビ一階エントランスロビーでは大型ビジョンにオリジナル映像が投影されていました。
中継車庫見学
最初に中継車庫の見学をしました。運搬車・映像車・音響車があり、色がシンプルかつサイズが大きい車体もあればコンパクトな車体もありました。
ニュース中継車の色がシンプルな理由は、暗いニュースを扱う際、派手な色だと良い印象を持たれず不謹慎だからだということでした。そしてコンパクトな車体は街中に入ることが比較的容易だということでした。
SNG(Satellite News Gathering)車もあり、通信衛星を経由させて、テレビ番組に用いる車が3台ありました。
スタジオ見学
番組を収録する際、スタジオ設営に一時間半ほど時間がかかるそうです。設営は、最初に照明の調整を行い、その後床のパネルを敷き、さらに大道具やセット・小道具などを設置していくとのことです。設置後、再びハシゴや棒を用いて照明の最終調整を行い仕上げとなるようです。この過程を手早く行うということでした。
スタジオ設営終了後はリハーサルを3回に渡って行うとのことです。まずは出演者向けの「ドライリハーサル」と呼ばれる、カメラを使わず初めから終わりまでの位置関係を確認するリハーサルを行います。ドライリハーサルが終わると、「カメラリハーサル」を行います。今度はカメラを用いて初めから終わりまでのリハーサルです。そして、最後に「ランスルー」と呼ばれる本番通りのリハーサルを行います。このように時間を費やして、一つの番組が作られるとのことで、一時間枠の番組だとしても三時間ほど撮影することも多々あるということでした。編集担当の方々は、「ここが面白いから使おう」「ここはカットしよう」などの議論を重ね、相当時間をかけて一本の番組を製作するようです。
見学を終えて
読売テレビ放送を見学し、2月にゼミで訪問した韓国の放送局JTBCとはまた違う撮影や制作の裏側を学ぶことができたと思います。普段から読売テレビを視聴しているので、「朝生ワイド す・またん」「情報ライブミヤネ屋」のスタジオ見学をした際、実際そこには出演者はいませんでしたがが、出演者がいるような感じがして、番組の中に入り込んだような錯覚を覚えました。とても印象的でした。貴重な体験や新しい学びがあり有意義な時間を過ごすことができました。

【スタジオ見学の様子】

【局内のコナンテラスで大阪城をバックに撮影】
(外国語学部 森ゼミナール 大島知輝)
UPDATE 2023-05-16
2023年5月10日(水)の3時間目に看護学部の学生が国際学部の授業に参加し、国際学部の学生とともに多文化共生について学び、お互いに意見交換をしました。
今回の看護学部と国際学部の連携による学生の授業参加は、初めての試みで、看護学部の田中結華教授の「多様な文化的背景を持つ在日外国人患者への看護の探求」をテーマにする授業の一環として企画されました。4年生2名が、国際学部の門脇薫教授の「国際社会と日本語プロジェクト」(受講者49名)の授業に参加し、「多文化共生と日本語教育:やさしい日本語」についての講義を受け、一緒にディスカッション等のグループワークに参加しました。
今後日本社会では、ますます外国籍の住民が増加することが予想されるため、日本語母語話者の日本人側が「やさしい日本語」を学んでコミュニケーションをとっていく必要があることを、今回の授業をとおして学びました。
この後は、各学部の授業において看護学部の学生は、「在住外国人への医療サポートに役立つパンフレット」を作成し、国際学部の学生も「在住外国人に役に立つものを作成する」というプロジェクトワークを行います。学期の最後には、お互いの成果物を共有する予定です。
今回の学部の垣根を超えた授業での交流は、両学部の学生にとって非常に貴重な学びの機会となりました。このような取り組みが行えるのが、総合大学ならではの強みであり魅力だと言えます。
(文責:国際学部教授門脇薫)


UPDATE 2023-04-14
2023年2月15日(水)、私たち外国語学部森ゼミナールは、韓国のソウル市銅雀区にある崇実[スンシル]大学を訪問し、学生交流を行いました。崇実大学国際処(本学のグローバル教育センターに該当)職員の方々と国際広報大使(Soongsil International Ambassador、SIA。崇実大学学生による大学広報組織)のメンバーが歓迎してくれました。SIAは世界中から崇実大学を訪れる来賓や大学関係者・留学生にキャンパスを案内し、学生同士の交流を手助けする役割を担っているという説明を受けました。SIAのメンバーは非常に流暢な英語や日本語を話すことができ、同じ学生ながらその語学力に大変驚きました。また、崇実大学学生であることに誇りを持っていることにも好感を持ちました。
崇実大学とは
崇実大学は、1906年に大学部を設置した歴史ある大学であり、韓国で最初に大学認可を得た大学です。キリスト教系の大学のためキリスト教の教理を踏まえた教育を基本としており、多様なカリキュラムが設けられています。IT分野の最先端の教育を実施していることに定評があり、IT学部を設置しています。近未来的な建物も目立ち、韓国内で時代の最先端を行く大学の一つと言えるでしょう。留学生も多く、グローバルな大学としても有名です。本学と崇実大学は2019年に交流協定(学術交流に関する覚書・学生交換協定書)を締結しています。
キャンパスツアー
訪問当日、まず崇実大学のSIAの学生たちがキャンパスツアーをしてくれました。キャンパスツアーでは、米国長老派教会の宣教師であり学校創設者であるウィリアム・ベアードの銅像や、広大なサッカーコート、それぞれの建物の特徴などを一つずつ丁寧に紹介してくれました。崇実大学はサッカーの強豪校として有名で、多くのプロサッカー選手も輩出しており、サッカーコートの大きさは実際に国家代表選手が使用する公式サッカーコートと同じ規格に基づいて作られているとのことです。キャンパスツアーの最後には、キャンパス内にある韓国キリスト教博物館を見学しました。大学付属の博物館とは思えないほどとても立派な建物で貴重な展示品も多く、崇実大学の歴史・韓国のキリスト教史・韓国近現代史を時系列で学べるようになっていました。ここでもSIAメンバーが英語と日本語で解説してくれました。

【韓国キリスト教博物館を見学している森ゼミナール学生】

【韓国キリスト教博物館で集合写真】
学生交流
キャンパスツアーのあとは、新陽館1階のグローバル情報センター(Global Information Center)ラウンジで学生交流会が行われました。テーブルには沢山の韓国のお菓子と飲み物が用意されていました。私たちゼミ学生は、事前に準備したパワーポイントを用いて自己紹介やゼミでの活動を英語・韓国語でプレンゼンテーションしました。
その後、崇実大学の皆さんからのQ&Aに答えました。質問の内容は、摂南大学の授業の雰囲気や、放課後の過ごし方、履修登録の仕方など主に日韓の大学の違いについての質問が多く、同年代の日本の大学生について関心を抱いてくれているようでした。とても楽しく和気あいあいとした時間を過ごしました。私たちも崇実大学のみなさんに大学生活などについて質問し、韓国の大学の仕組みや文化を知ることができました。また、私たちが「日本文化の中で好きなものはありますか?」と質問したところ「『スパイファミリー』のアーニャが可愛い」「『崖の上のポニョ』とかジブリが好きです」「あいみょんをよく聴きます」などポップカルチャーの好みや、「京都などの歴史ある場所が好き」など関心のある場所を聞かせてくれました。SIAのメンバーが日本によい印象を持っていることが分かりました。私たちゼミ生とSIAの学生たちはお菓子を食べながら学生同士気兼ねなく思いっきり会話を楽しみました。1時間以上は話し続けたと思いますが、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。訪問の最後には、パク・ジュヨン国際処長の挨拶や集合写真の撮影をしました。

【学生交流会の様子】

【パク・ジュヨン国際処長(崇実大学経営学部教授、左)と森類臣准教授(本学国際学部、右)】
訪問を終えて
海外の学生との交流は初めてだったため、私たちゼミ生はとても緊張していましたが、国際処職員の方々、SIAの学生たちがとても温かく迎えてくれ緊張がほぐれました。私たちを歓迎するための様々な工夫をしてくれていたことがとても嬉しかったです。実際に韓国で生活している学生との会話は新鮮で、それぞれの文化に触れることでたいへん貴重な交流ができました。これからも崇実大学の学生たちと連絡を取り合っていきたいと思います。
貴重な機会を設けてくださった崇実大学国際処関係者の方々、SIAの皆さんに心から感謝いたします。
ありがとうございました!

【学生同士の集合写真】
(摂南大学 外国語学部 森ゼミナール 梅田葉瑠奈、原口恭)
UPDATE 2023-04-14
2023年2月15日(水)午前10時、私たち外国語学部森ゼミナールのメンバーはハンギョレ新聞社(ソウル市麻浦〔マッポ〕区)を訪問しました。ハンギョレ新聞社では、ハンギョレ経済社会研究院院長兼論説委員のイ・ボンヒョンさんと、編集局国際部長のキル・ユンヒョンさんにお話を伺いました。
はじめに『ハンギョレ新聞』がどのようなマスメディアであるのか簡単に紹介します。1987年6月の民主化宣言後に発刊準備委員会が構成され、翌年5月15日に『ハンギョレ新聞』は全国民を対象に株を公募するという、メディア創設の方式として非常に珍しい「国民株方式」で資本金50億ウォン(当時)を集めて創刊されました。また、「権力や資本(広告主)からの独立」を理念として掲げ、韓国社会における革新系のメディアとして知られており、韓国現代史の重要な一幕を飾る主流メディアだと言えます。ちなみに、「ハンギョレ」とは「一つの民族(同胞)」を指しているそうです。
ハンギョレ新聞社に到着するとイ院長やキル部長を始めとする関係者の方々に出迎えていただきました。社屋2階の経済社会研究院に移動し、自己紹介を済ませた後、イ院長から韓国社会の現在について解説をうかがいました。韓国のマスメディアに勤務している方からうかがう韓国社会の内情は非常にリアリティがあり、大変勉強になりました。映画『パラサイト』などの作品を事例に挙げつつ、韓国社会内部における様々な分断構造についてお話してくださいました。

【ハンギョレ経済社会研究院の会議室で。左端がイ院長、右端がキル部長】
その後、1階のラウンジに移動し、キル部長からも韓国の現状について話を伺いました。キル部長は「韓国は大統領制であり、大統領が交代するたびに激しい変化が起こる」と述べ、「分かりやすく説明すると、5年ごとに『関ヶ原の戦い』が起こっているようなものだ。大統領が変わると社会がガラリと変わる」と説明してくださいました。また、「韓国をよく知ろうと思ったら、韓国現代史という『縦軸』を学ぶことが重要だ」と強調しました。光州事件(光州民衆抗争)に関する映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』や、韓国全土に広がった民主化闘争を描いた映画『1987、ある闘いの真実』など、韓国現代史の中でも特にキーポイントである出来事を素材に作られた映画を勧めていただきました。
質疑応答では、メディアだけでなく日韓関係に関する質問もゼミ生より挙がりました。それに対しキル部長は「日韓が理解し合うには、まずお互いを否定せずに受け入れて考えることも重要だ」と答えてくださいました。

【私たちゼミ学生の質問に答えてくれるキル部長】
その後、キル部長にハンギョレ新聞社内を案内して頂きました。編集局や資料室はもちろん、映画専門雑誌『シネ21』の撮影スタジオと屋上庭園、ハンギョレ新聞社が運営している放送局「ハンギョレTV」のスタジオを見学しました。リアルタイムで働いている人の様子や新聞社内部の雰囲気など、普通では見られない貴重な体験をさせていただきました。最後に、玄関ロビーに飾られている「特ダネ」記事を見ました。そのうちの一つはキル部長が書いたそうです。

【編集局を見学】
ハンギョレ新聞社を訪問したのは2時間ほどでしたが、日本の大学生である私たちが韓国の主流メディアに勤めている第一線の方のお話を直接聞くことができたのはとても良い経験となりました。今回学んだことを、今後の調査・研究活動に活かしていきたいと思います。貴重な時間を割いて面会してくださったイ院長・キル部長、そして温かく出迎えてくださったハンギョレ新聞社の方々に心からお礼を申し上げます。

【ハンギョレ新聞社玄関前でキル部長と一緒に記念撮影】
(摂南大学 外国語学部 森ゼミナール 神谷亜伶・大島知輝)
UPDATE 2023-04-07
読売新聞の「ニッポン暮らし:ボイス」というコーナーで、本学の外国人留学生張晋豪(ちょう しんごう)さんが投稿した「お手ふきを母国でも」という記事が3月12日(日)朝刊に掲載されました。この文章は、全学の外国人留学生を対象にした「日本事情」科目の授業での取り組みの一環で作成したものです。
「日本事情」の授業では、教員が「日本は~だ」というように講義形式で知識を一方的に伝授するというやり方ではなく、日本の映画やドラマの一部の場面を視聴し、それについて受講生でディスカッションをしながら日本や受講生の国についてお互い学び合うことを目的にしています。「日本でびっくりしたこと」をテーマにした授業では、日本語教員養成課程で学ぶ外国語学部の4年生10名に「日本事情」の授業に参加してもらい、留学生と共にテーマについてディスカッションをするグループワークを行いました。その後、留学生は各自で日本語で文章を書き、それについてプレゼンテーションをし、最後に文章にまとめ、授業担当教員(筆者)が添削し、推敲し、最後に読売新聞に全員が投稿しました。今回張さんの書いた文章がめでたく掲載されました。学習している言語で書いた文章が、その言語が使われている国の新聞に掲載されるということは、素晴らしいことだと思います。張さんだけではなく、外国語を学ぶ本学の学生皆さんにとっても今後の学習の励みになると思います。
(門脇 薫 教授)


<参考:2023年3月12日読売新聞 一部抜粋>
お手ふきを母語でも
中国の高校を卒業し、18歳で来日してから約2年がたちました。日本での暮らしに徐々に慣れてきましたが、母国の文化との違いに気付くことがあります。
飲食店やカフェで席に着くと無料のタオル(お手ふき)を店員さんが持ってきてくれることはその一つです。中国では、こうしたサービスは一般的ではありません。暑い時期は、冷たいお手ふきを使うとひんやりして、疲れが吹き飛びます。寒い季節だと、温かいお手ふきで気持ちがよくなります。お手ふきがお客さんの満足度を高めていると思います。
私は現在、大学で経営学を学んでいます。日本の良い文化や伝統を発見し、将来に生かしたいと思います。将来、中国で飲食店を経営することがあれば、お手ふきを提供してみたいです。
これからも日本で暮らす中で、母国との違いを実感することがあると思います。その際は、違いを受け入れ、学んでいきたいです。
*掲載にあたり許可を得ております。