研究室紹介

門脇 薫

[日本語教育学・教師教育・第2言語習得研究]

主なテーマ

日本語非母語話者教師と母語話者教師の教師間協働、海外の中等教育における日本語教育、Native-speakerism(母語話者主義・ネイティブ信仰)

海外の日本語教育

私は外国語としての日本語教育が専門で、これまで韓国・台湾・タイ・中国・インド等で日本語を教えた経験があります。本学の国際学部では、主に日本語教員養成に関連する科目の授業を担当しています。

海外の日本語教育では中等教育で学ぶ学習者数が最も多く、主に現地の日本語非母語話者教師(non-native speaker Japanese teacher:NNJT)が指導にあたっていますが、最近特にアジアでの学習者急増の動きに対応すべく、日本語母語話者教師(native speaker Japanese teacher:NJT)がNNJTと共に教えるようになりました。しかし、そこで求められる教師の役割や協働の内実及び方法論は明らかになっていません。そのため教育現場では、両教師がストレスを感じる、派遣されたNJTが有効に機能していない等、多くの問題が生じています。海外でのよりよい日本語教育のためのNNJTとNJTの協働のあり方について研究しています。これまで中等教育の日本語学習者数が多い韓国・タイ・インドネシア・オーストラリアで調査を行ってきました。

海外の中等教育における日本語教育は,そのときの現地の教育政策や言語政策、及び日本の政治・経済・外交政策に大きく関わっています。また、日本語学習者が学習を継続するかどうかを決定する重要な位置づけにあります。研究成果が国の政策決定、及び海外の日本語教育支援や日本語教員養成等の教育実践に貢献できるよう、今後も研究をより深めていきたいと考えています。

また、研究成果を生かしこれまで日本語教育の教材開発も行ってきました。日本語学習者の習得研究がベースとなった作文教材、映像作品を利用した異文化理解のための教材等を単著・共編著により出版し、それらは日本国内及び海外の日本語教育機関で使用していただいています。

オーストラリアでの研究(2017-2018)

オーストラリアのクィーンズランド大学でVisiting Professorとして1年間長期出張する機会があり、オーストラリアの日本語教育について研究しました。オーストラリアでは中等教育に加え初等教育における日本語教育が盛んです。オーストラリア滞在中には、特に日本語と英語のバイリンガル教育を実施している初等・中等教育機関において教師間協働及びNative-speakerismに関する調査を行いました。その後の科学研究費によるプロジェクトでも、引き続きオーストラリアの日英バイリンガル教育を行っている初等教育をフィールドに教授法及び日本語能力測定法について研究しています。

参考:門脇 薫research map

https://researchmap.jp/kadowaki-kaoru

  

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