身近なモノから経済発展を考える
【テーマ】
現代は先進国、新興国、途上国の相互依存の時代です。身のまわりにあるモノの多くは新興国や途上国で作られ、日本に輸入されています。一つのモノの生産・販売のネットワークのことを「バリューチェーン」とか「サプライチェーン」と呼んでいます。もしバリューチェーンのどこかで人権や衛生上の問題が起きれば、私たちの元に商品が届かなくなり、その商品に関わるすべての人や企業が被害を受けます。バリューチェーンを効率的に、かつ倫理的に組み立てることが企業の成長の鍵になります。こうした世界の相互依存を知ることで、これから企業が対処しなければならない課題が見えてきます。
3年次には、モノに着目して途上国や日本の経済発展、企業の戦略について学びながら、モノの生産・流通のバリューチェーン構築のための企業の戦略や、商品ができる過程でどのような問題が生じているのかを調べます。バリューチェーンは企業の経済活動を効率化しますが、時に貧困問題、環境破壊、異文化摩擦などの問題を引き起こします。そのため、企業や経済のことだけでなく、視野を広げて、いままで知らなかった世界の諸問題を学びたい人も歓迎しています。
4年次では、経済や社会問題に関して各自テーマを決めて、卒業研究レポートを作成します。その際、筋道立てて論を展開する方法を学びます。解明するに値する「問い」を見つけ、「問い」に答えを出すために資料を集めて、読み手を納得させられるように論を積み重ねて文章を書くスキルを身につけて欲しいと考えています。
【ゼミのスタイル】
ゼミを通して、社会人として仕事をする上で欠かせないスキルを高めるために、「文章を正しく理解する力」、「話し合う力」、「考えを伝える力」、「協力して何かを生み出す力」の4つを重視します。そのため、「文献を読む→内容の報告→グループリサーチ→プレゼン」の流れで進めています。文献の内容を理解し、その内容をもとにグループで「問い」を立て、それに答えを出すべくリサーチし、その内容を論理的にプレゼンし、全員で批評する形で展開します。こうしたゼミでの学びを通じて、どんなことがらに対しても積極的に関わり、発言し、アイデアを生み出せる「付加価値」のある人間に成長して欲しいと願っています。
【過去の卒業研究テーマ(抜粋)】
・フードテックによる発展途上国の食問題解決の可能性
・世界のアパレル工場で起こる労働者に対する人権侵害
・カフェにおけるBGMと売上の関係
・日本人の世代による韓国へのイメージの違い
・AIは雇用を奪うのか
・日本におけるバイク需要の低下とメーカーの商品戦略
・日本における女性の貧困解決に関する一考察~スウェーデンの政策を参考に~
・なぜ日本とドイツの生産性に差が生じるのか~入社前の人材形成に注目して~