東和香奈さん(関西テレビ報道局記者)のゲスト講義を開催しました



UPDATE 2023-02-03

摂南大学外国語学部森ゼミナールでは、2022年12月13日(火)に関西テレビクリエイティブ本部報道局報道センター記者の東和香奈(あずま・わかな)さんをお迎えしゲスト講義を開催しました。当日は東さんに摂南大学寝屋川キャンパス1049教室にお越しいただき、東さんの講義をじっくり聞き、その後にゼミ生6人によるインタビューを行いました。

ゼミでは日韓関係を研究テーマとしていますが、今回私たち森ゼミが東さんをお招きした理由は、在日コリアンの方が住むウトロ地区について東さんも強い関心を持って取材に行かれていたからです。インタビューでは「記者やメディアに関する話題」と「ヘイトクライムなどのマイノリティーに関する話題」の二つに関するお話をお伺いすることができました。

 お話の中で特に印象的だったことは、メディアで取り上げられるニュース映像一つに膨大な時間がかかっているということ、そして記者という視点から物事と対峙した時に感じる葛藤についてです。東さんが担当されたウトロ地区に関するニュース映像は完成するまでに5ヶ月、ロール35本分を撮ったそうです。そしてニュースを作成する際には、見ている方にどのように自分のこととして捉えてもらうかという視聴者目線と、マジョリティ/マイノリティーの当事者からどう話を伺うかというインタビュアー目線の二つについて考えているとのことでした。またインタビューをしている際には「伝えたいことを伝えられているか」「取材が当事者にとって負担になっていないか」「自分は偽善者じゃないか」という葛藤を持っているとおっしゃっていました。自身の判断一つでニュースの見え方や受け取り方が変わるということはものすごく重いことであり、時に誰かの人生をも変えてしまうのだと感じました。

【東さんの話を聴くゼミ生の様子】

前述したように、東さんは「マイノリティー」に関する話題をいくつも取り上げニュースにしています。その中でも私たちの研究テーマ関連で、在日コリアンの方が住む京都市宇治市伊勢田町ウトロ地区についてのお話も伺いました。私たちもゼミのフィールドワークの一環としてウトロ地区を訪問しましたが、直接ウトロ地区に住んでいる方のお話を伺えたわけではないので、東さんから間接的に聞くことができてさらに理解が深まったように感じました。私自身はウトロ地区に対してヘイトクライムのような偏った考えは持っていませんでしたが、自分の目で直接見て、平和祈念館副館長の解説を聞き、さらに当事者の方にインタビューした方のお話を聴くことによって改めて「知る」ことの大切さを感じました。同時に無知への怖さも感じました。

インタビューでは、私たちが事前に用意していた質問にも快く答えてくださりました。そしてインタビューの中で東さんがおっしゃっていた「客観的な代弁者」になりたいという言葉に大変感銘を受けました。記者の方と交流し意見を聞くことが出来た貴重な経験でした。

【ゼミ生と東さんとの写真(前列左から二番目が東和香菜さん)】

(文:森ゼミ 神谷亜伶)