インドネシアの大学と連携授業をしました



UPDATE 2025-05-21

2025年5月15日(木)、2年次対象授業「インドネシア語と現代文化」では、インドネシアの連携協定大学である、ストモ博士大学(Universitas Dr.Soetomo)文学部とオンラインで結び、生のインドネシアを知る授業を行いました。

 

ストモ博士大学からは文学部長のシシリア・タントリ・スルヤワテイ先生と、日本語を学んでいる1年生3名が出席してくれました。

授業では、インドネシア第二の都市スラバヤの概要や街の雰囲気などを学生自らが撮影したビデオ映像や写真とともに発表してくれました。発表ではインドネシア語と日本語の二つの言語でわかりやすく説明してくださり、スラバヤを訪れたことの無い日本の学生にとってはとてもイメージがわきやすいものとなっていました。

学生たちから寄せられた感想を以下に抜粋してご紹介します。

「インドネシアのスラバヤという都市の観光地や、歴史的な街の風景、また、日常的な風景を知る事が出来た。特に私自身、インドネシアは一軒家などが殆どだと思っていたが、実際はマンションが東スラバヤで建設が進んでいたりするなど、急速に発展していることが知ることが出来た。」

「実際にインドネシアの学生の住まいを見ることが出来て、日本よりも色とりどりな壁だったり街並みだなと感じました。モールだったりマンションの発展の仕方だったりも聞くことが出来てインドネシアと日本は思っていたよりも違うところが多いと分かって実際に目で見てみたいと思いました。」

「学生の人たちもとても良い人達でインドネシアの人たちと仲良くなってみたいなと思いました。」

「リモート授業を通じて現地の学生と交流し、文化や価値観の違いを実感した。」

「日本にいると日本だけで過ごせるので海外の事を意識しないが、海外のことを意識するようになった。」

「本日の授業でインドネシア人とオンライン交流を行い、異なる文化や価値観に触れることができた。特にインドネシアの食文化の話が興味深かった。この経験を通して、異文化への理解や相手を尊重する気持ちが大切だと感じた。」

「将来、外国の人と関わるときにも、自信を持って交流できるきっかけになったと思う。」

「インドネシア人の方と話すことで、文化や価値観の違いを実感し、異文化理解の大切さを学びました。インドネシア語や日本語での会話を通じて、語学力だけでなく「伝える姿勢」の重要性にも気づきました。将来、留学や国際的な仕事を目指す上で、この経験は視野を広げる大きなきっかけになると思います。」

「実際にインドネシアの方と話すことが出来て楽しかったです!みなさんとても日本語が上手だと思いました。」

「インドネシアの方の日本語が上手くてびっくりした。自分のバイト先に海外の人がいて、その人も日本語が上手でした。何かに対する努力する姿勢というのが素晴らしいと思った。見習うべき姿だと思った。」

「インドネシア語が何個かの単語くらいは聞こえると思っていた。しかし、いざ始まってみると全く理解できなかった。これが本場のインドネシア語かと言うのを理解することができた。今日のこの挫折の経験はむしろインドネシア語のモチベーションを上げてくれそうだ。今後はさらにインドネシア語のスキルアップに力を入れたい。」

「最後に、インドネシアの学生さんの家の様子や学校の様子を映像で知ることができたのが、良かった。やはり、現地の声を聞くことで、学びがより広がり、興味も持ちやすくなると感じた。また、こういう機会があれば素敵だと考える。」

現代においては、リアルタイムで異文化と接することは可能です。本学部においては、実際に現地を訪れるプログラムだけでなく、このようなオンライン授業の取り組みを通じて、文化交流の実践を行っています。

今後もこのような機会を設け、学生たちに刺激を与えたいと思っています。
(文責:浦野崇央)

外国語学部・国際学部の言語コンテスト表彰式を開催しました



UPDATE 2025-02-13

 

2025年1月28日(火)4時限目に、2024年度の外国語学部・国際学部の各言語コンテストの表彰式および受賞者発表会を行いました。今年度は、英語のスピーチコンテストとレシテーション・コンテスト、中国語スピーチコンテスト、スペイン語圏文化プレゼンテーションコンテスト、韓国語スピーチコンテストが行われ、各コンテストの入賞者の多くが参加しました。

式典では、初めに鳥居学部長から激励の言葉が述べられ、上位入賞者に賞状・副賞が授与されました。その後、中国語スピーチコンテスト1位の松村康平さんが中国語で自己紹介を行い、続いて、英語のスピーチコンテスト1位の井上日菜乃さんが“Something I Learned about Life”というタイトルでスピーチを行いました。

 

 入賞者や友人、教員が集まる中、発表者は発音や言葉の表現が上手なだけでなく、しっかりと聴衆を見ながら、堂々とした発表を行いました。発表後、教員からの質疑の場面では和やかな雰囲気に包まれ、外国語学部・国際学部の多言語の学びの面白さを感じる場となりました。言語習得に励まれる学生の皆様のますますの健闘を期待します。 

(文:国際学部准教授 加来奈奈、写真:国際学部准教授 天野貴史)

 

2025年度後期 留学説明会を開催しました



UPDATE 2025-02-13

 

国際学部では、2025年度後期の長期留学プログラムとして英語圏6校、中国語圏3校、スペイン語圏3校、インドネシア語圏1校の計13校への留学希望者を募集することになり、2024年1月28日(火)5限に説明会を開催しました。この説明会には1年生41名と2年生9名が参加し、学部長による挨拶の後、国際学部事務室からの説明と各提携校の担当教員による個別説明の2部構成で進行しました。

第1部では、学部事務室からの説明を通じて、この留学制度により、留学先で学んだ時間に応じて単位が認定されるため4年間で卒業できることなどが説明されました。また、留学可能な提携校、出願や審査の日程、成績要件など、留学に関するさまざまな事項について理解を深めました。さらに、経済的支援として、摂南大学海外留学奨学金や日本学生支援機構(JASSO)奨学金の制度についても詳しい説明があり、参加者は熱心に耳を傾けていました。

第2部では、学生が関心を持つ言語圏ごとにグループに分かれ、各提携校の担当教員から説明を受けるとともに、気になる点について質問を行いました。国際学部の語圏別提携校は、英語圏では米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシアで、中国語圏では中国と台湾、スペイン語圏ではスペインとメキシコ、インドネシア語圏ではインドネシアにあり、複数の語圏に関心を持つ学生も少なくありません。 

この第2部では、担当教員が各留学先での過去の事例をもとに、現地の気候や食事、住居、授業の様子などについて詳しい説明を行いました。また、学生は自分の関心や不安なことについて相談することで留学のイメージを明確にしました。さらに、今回は渡航や入学手続きなどを担当する旅行会社も参加したため、詳しい説明と最新の情報に接することで、より具体的に留学先を検討することができました。

(国際学部教授 中西 正樹)
関連ページ:海外留学

 

体験型特別実習(事後申請型)発表会が開催されました



UPDATE 2025-02-10

 国際学部の「体験型特別実習」科目にはいくつかのタイプがあり、事後申請型は、学生が自主的に計画・参加した社会的活動の内容や成果を日誌やレポート、プレゼンテーションの形式で事後に報告し、審査に合格することで単位が認定されます。「社会的活動」とは、学部のディプロマ・ポリシーに合致する自主研究活動やインターンシップ、ボランティアなどを指します。

 昨年の春休みや夏休みを利用して活動に取り組んだ計4名の学生が、事前授業、自主活動、申請書類の提出、事後授業を経て、2025年2月4日(火)に、この科目の最終授業であるプレゼンテーションに臨みました。

 地中海のマルタはイタリアの近くに位置しますが、かつてイギリスの植民地だったことから英語が公用語です。そのマルタで英語を学ぶ6週間のプログラムに参加した学生は、ヨーロッパや南米の学生と共に学び、ホームステイやシェアルームでの生活を経験しました。こうした活動を通じて、授業中でも活発に質問を投げかける雰囲気や、感情を率直に表現する文化に触れ、語学以外にも貴重な学びを得たことを報告しました。

 農学部から国際学部に転学部した学生は、マレーシア・サラワク州で「オランウータンの森再生プロジェクト」に参加しました。過度な伐採で失われた森を植林によって再生する活動です。日本での生活とマレーシアの環境問題とのつながり、現地少数民族のバディとのインドネシア語での交流、発光バクテリアによって光る神秘的な木、活動をやり遂げて自身の可能性を発見したことなどを、豊富なビジュアル資料を示しながら発表しました。

 日本語教師を目指し、日本語教員養成課程を履修している学生は、ベトナム・ホーチミン市の日本語学校でインターンシップを行いました。受け入れ校の学生は、すべて日本での就労を目指し、日本語を習得することを目的としています。与えられた課題は、日本語の授業外で彼らの日本就労を支援するためにできることを考えることでした。学生たちの目的やレベルに合わせたゲームを考案・実践し、学生からのフィードバックをもとに課題を解決したことや、自身がこの活動でコミュニケーションに積極的になったことを報告しました。

 教員を目指して教職課程で学んでいる学生は、小学校時代の先生の紹介を受け、大阪市内の小学校で授業や職員室業務の補助を行うボランティア活動に取り組みました。教材の作成や素材選びといった労力と時間を要する業務を経験し、自身の小学生時代と比較しながら多くのことに気づいたことを報告しました。また、教育技術が進歩する一方で、業務量の多さに対して教員数が不足している現状を認識したこと、多忙な中でも子どもと触れ合う時間の大切さを実感したという発表には説得力がありました。

 これらの発表には、聴衆として参加した国際学部の学生や教員から多くの質問が寄せられ、和やかな雰囲気の中で活発な議論が交わされました。

 

(国際学部 教授 中西正樹)

 

国際学部生の春休み:ANA・海外研修・調査旅行など



UPDATE 2025-02-10

期末試験が終わって次の学期が始まるまでの間は、学生がいつもは行けない場所での体験や、学外の人たちからお話を伺える期間でもあります。2025年の春の国際学部の学生たちもこんな体験を予定しています:

・「アメリカ文化体験」2/5-2/25
グローバル教育センター主催の海外研修プログラムの1つで、今年は国際学部のチュウ先生が引率します。国際学部からの参加者は7名。アメリカで3つの大学を訪問します。 

・「韓国調査旅行」2/16-2/22 
国際学部の森先生ゼミの3年生8名が、森先生の引率で韓国に参ります。

・「ANA伊丹空港見学会」3/4 
国際学部ではANA総合研究所の先生方によるエアライン・ホスピタリティ分野の授業科目や個別セッションがあります。春と夏に空港見学会を実施。今年3月は学生14名(1年生3名、2年生11名)が、ANA総研の伊達先生と沖中先生の引率で1日みっちり、稼働中の空港の現場を見学します。

このほかにも、ゼミ旅行、個々の学生が選んだ学外・国外研修、サークルの合宿など、春の学生は大忙しです。

2024年度「基礎ゼミナール成果発表会」を開催しました



UPDATE 2025-02-05

  国際学部1年生が受講する科目「基礎ゼミナール」では、1クラス16名程度に分かれ、各クラスで様々なテーマを設定して学習します。本発表会は、その学習の内容や成果を共有し競い合うことを目的として行うもので、2024年度は13クラスから約220名が参加する大きなイベントとなりました。本年度は「第1会場」・「第2会場」と2つに分けての開催となりました。

   発表会当日は、各クラスの代表者が学習の成果を発表し、その内容やプレゼンテーションの力を競いました。聴講する学生や教員から発表内容に対する質問が出されると、発表者の学生は積極的に回答しており、大学生になってからわずか1年間での優れた学習成果は教員に感銘を与えたのみならず、学生にも大きな刺激となったことでしょう。

  審査は「基礎ゼミナール」を担当した国際学部教員が担当しました。審査の結果、入賞者は下記の通りに決定しました。入賞の学生には、賞状と副賞が授与されます。

【第1会場】

     優勝    中村 星斗さん

   テーマ:ZINE「鹿の魅力~奈良の風景を彩る生き物たち~」

     準優勝   田原 舞衣子さん

   テーマ:ZINE「学校給食 魅力と歴史」

【第2会場】

     優勝    上野 龍太郎 さん

   テーマ:「投資信託」

     準優勝   政川 晴南 さん

   テーマ:「世界遺産アッシュール―謎多きアッシリア帝国最初の首都―」

 

第1会場 中村さんによる発表の様子

第2会場 上野さんによる発表の様子

(文:国際学部講師 原田 豪、写真:国際学部准教授 加来 奈奈)

 

ウトロ平和祈念館 金秀煥(キムスファン)副館長のゲスト講義[森ゼミナール]



UPDATE 2025-01-20

摂南大学国際学部森ゼミナール(4期生)では、2024年7月23日(火)3限にウトロ平和祈念館の副館長である金秀煥(キムスファン)さんに、実際に摂南大学まで足を運んでいただき、ゲスト講義をしていただきました。ゼミとして金秀煥さんとお会いするのは二度目で、私たちが2024年5月12日にウトロ祈念館に訪問した際にはウトロ平和祈念館の紹介や、展示物について1つ1つご説明をしてくださいました。今回の講義では「ウトロ平和祈念館の実践と可能性について」というテーマのもと、じっくりとお話をしてくださいました。

ウトロ平和祈念館は2022年4月30日に宇治市伊勢田ウトロで開館しました。ウトロの歴史や自分たちの生活を守るために戦ってきたウトロの人々の姿を通して、人権や平和の大切さを伝えている場所です。また、地域住民や日韓市民の交流、近隣学校および企業の人権研修の場ともなっています。

金秀煥さんによると、ウトロ平和祈念館を創設するにあたり「私たち関係者の強い思いはあるが、人々は本当に訪ねてくれるのだろうか。ウトロと在日コリアンというテーマは戦前戦後につながる日本社会に存在した人権問題であるが、このテーマは人権問題の中でも、日本の人々の関心外ではないだろうか」という不安があったとおっしゃいました。しかし、2022年に開館して以来、1万3000人を超える来場者がウトロ平和祈念館を訪れたという結果から、「日本の人々は『ウトロは自分とは関係のない地区だ、違う問題だ』という線引きをしなかった。人権問題に真剣に目を向けるために現場を訪れて歴史から学ぼうという人たちは私たちが想像した以上にいらっしゃることに気づいた」と話しておられました。

本記事筆者(永岡)が、金秀煥さんのお話の中で一番印象に残った内容は、近隣学校である立命館宇治高校の共同人権研修プログラムでのお話です。立命館宇治高校では、映画制作という授業をおこなっており、単なる映像製作ではなく、学生たちが直接現場に足を運び関係者の話を聞いて取材をするそうです。そして、取材の結果を踏まえて、ウトロの人権問題とはどういう問題なのか、それを乗り越えるためにはどうするべきかを討論しショートムービーにしたということです。

「ウトロの今を伝える 立命館宇治高生が記録映画を作成」『朝日新聞』DIGTAL(2024年2月4日)https://www.asahi.com/articles/ASS2375B7S1SPLZB00R.html

金秀煥さんによると、立命館宇治高校の学生たちは「現場に来て直接話をすることはとても大事な経験になる」と話したそうです。つまり、学生たちにとってウトロを訪問する前は、人権問題は「重い」「暗い」「かわいそうな人たち」「自分とは違う人達である」というイメージだったのが、記録映画製作はそのようなイメージを払拭するきっかけになったというのです。

このお話を聞いて、本稿筆者(永岡)は2023年5月に一人でこのウトロ平和祈念館を訪ねたた時のことを思い出しました。筆者の場合は、人権問題に関心があって訪れたというわけではなく、大学の授業で元「徴用工」問題について調査していたため、そのつながりでウトロ平和祈念館を訪れました。事前学習で、元「徴用工」問題のことについて調べれば調べるほど、日本に強制的に連れてこられ、働かされ、最低ギリギリの生活を強いられた韓国・朝鮮人の姿が見えるような気がしました。筆者(永岡)は、ウトロ平和祈念館に、そのような歴史を勉強するために見学しに行きました。もちろん、そのような歴史も学ぶことができますが、筆者が実際にウトロで見たのは、明るく、助け合い、情にあふれる在日コリアンの姿でした。歴史上、ウトロでは差別や人権問題は存在していたのは事実でしょうが、その状況下でもいつでも前をみて、少しでもよりよい生活をしたいと願い闘ってきた人々の姿が祈念館には大事に残されています。あらゆる形でコミュニティを守っていく方々の思いや情熱を一気に浴びた思いがしました。あらゆる問題について考えるときでも、現地に赴き自分の目で見て感じることが重要だとあらためて感じるきっかけになりました。

金秀煥さんは、夏休みにウトロ平和祈念館の一階を開放し、一階で勉強した小学生・中学生・高校に対してかき氷を無料でプレゼントするという夏休み企画も実施していると教えてくださいました。

「こどもカフェ(2024年夏休み期間)」(ウトロ平和祈念館ホームページ)

https://www.utoro.jp/2504/

金秀煥さんを始めとしたウトロ関係者の皆様とまたお会いできる日を楽しみにしております。この度は貴重なお話をありがとうございました。

(国際学部森ゼミナール 永岡多恵)

ベトナム社会科学院のPhan Cao Nhat Anh(ファン カオ ニャット アイン)先生の対面ゲスト講義[森ゼミナール]



UPDATE 2025-01-20

私たち摂南大学国際学部森ゼミナール4期生は、2024年10月29日(火)3限にベトナム社会科学院南アジア・西アジア・アフリカ研究所副所長(Deputy Director Genera l/ Vietnam Institute for South Asia, West Asia and African Studies / Vietnam Academy of Social Sciences)のPhan Cao Nhat Anh(ファン カオ ニャット アイン)先生をゲストスピーカーとしてお招きし、対面でゲスト講義を開催しました。講義は、すべて日本語でお話ししていただきました。

当日の講義では、ゼミ生8人が事前に考えてきたベトナムに関する質問に答えていただきながら、日越関係や韓越韓関係について深くお話しをしていただきました。

ゼミ生から多かったベトナムに関する質問は、ベトナム人の海外出稼ぎ労働者やベトナム人の持つ日本・韓国へのイメージでした。近年、日本に住む在日外国人の数が増えてきていますが、在日ベトナム人の数は中国人に次いで2番目です。アイン先生に伺ったところ、ベトナム人は日本と韓国に出稼ぎに行く労働者が多いということでした。

まず、ベトナムでは、2000年代以降のインターネットの普及により日本に対するイメージが良くなり、日本語学習者の数が増えたことを教えていただきました。また、先進国であることや日本製品の性質の高さといったところから技術を学びに来日する留学生も増えているそうです。

一方で、ベトナム人は、最近の世界的な韓国ブームや技術の発展、経済発展している点において韓国に魅力を感じ、韓国に出稼ぎに行く労働者が増えていると仰っていました。その他にも日本・韓国がベトナム人の働き先・留学先として人気がある理由として、食文化や宗教文化という面でベトナムと日韓の文化が似ていて過ごしやすい環境であることが挙げられるということでした。私(本稿筆者=吉田)は、ベトナムは、タイやインドネシアなど東南アジアの方が日韓よりも文化面で近いと思っていましたが、日韓の方がベトナムに似ていると聞き、驚くのと同時に親近感を持ちました。

最後に、私たちゼミ生の研究テーマでもある「韓国の公共外交(Public diplomacy)」について、ベトナムでの捉え方を伺いました。アイン先生は「公共外交の概念とその範囲は各国によって違いが大きい」と留保をつけながらも、現在のベトナムでは、日本文化よりも韓国文化、特にK-pop・韓国ドラマ・美容・韓国料理などの人気が高いと語ってくださいました。さらに、ベトナム中部の大都市ダナンは韓国人に人気の観光地であり、また同地には多くの韓国人が住んでいることを教えていただきました。

私たち森ゼミナールは韓国の文化や現代史を勉強しています。ゼミ4期生は韓国の公共外交を中心テーマに共同研究を行っています。日韓以外の国見た日本や韓国について客観的な立場からお話しいただいたことで、今後のゼミナールの活動への学びに活かせる機会になりました。

また、今回アイン先生の授業を受けて私(吉田)はベトナムへの関心も高まり、いつかベトナムを訪れたいと思いました。

お忙しい中、森ゼミナールのゲストスピーカーに応じてくださったアイン先生に心より感謝申し上げます。貴重なお話しをありがとうございました。

(文責:国際学部3年生 吉田百花)

森類臣准教授による共編著『韓国ドラマの想像力 社会学と文化研究からのアプローチ』が刊行されました



UPDATE 2025-01-20

 8月30日に、国際学部の森類臣准教授が平田由紀江教授(日本女子大学)・山中千恵教授(京都産業大学)とともに『韓国ドラマの想像力』を人文書院から刊行しました。

人文書院ホームページ

https://www.jimbunshoin.co.jp/book/b10085827.html?srsltid=AfmBOorTXYjRhsHVJSIfraUxNGKIHo2j80BZp1IbKG971VuotYehb21Z

 副題にあるように、本書は、韓国ドラマを社会学と文化研究から読み解いてみるということを一つのコンセプトにしています。韓国ドラマ初心者~すでに浸っている方に楽しんでいただけるのみならず、社会学や文化研究に関心のある初学者向けという側面も持っています。また、本書は、韓国ドラマがどのような社会を想像/想像しようとしているのかを全体を貫く重要なテーマにしています。

 森准教授は、「第1章 人工知能の行く末と人間性:『キミはロボット』」「第7章 権力と社会正義の行使:『補佐官』『補佐官2』」「第9章 軍事文化と逸脱の問題:『D.P. 脱走兵追跡官』『D.P. 2』」「コラム3 韓国ドラマに描かれる『財閥』」の執筆を担当しました。

 本書では、上記のドラマ以外にも次のようなドラマを取り上げています。

「愛の不時着」「サバイバー 60日間の大統領」「酒飲みな都会の女たち」「静かなる海」「キングダム」「SKYキャッスル 上流階級の妻たち」「応答せよ」シリーズ、「シスターズ」「ザ・グローリー 輝かしき復讐」「秘密の森」「マイ・ディア・ミスター 私のおじさん」「グリーン・マザーズ・クラブ」「結婚作詞 離婚作曲」「椿の花咲く頃」など。

[国際学准教授 森類臣]

ベトナム社会科学院Phan Cao Nhat Anh(ファン・カオ・ニャットアイン)博士のゲスト授業―国際学部の授業「世界を学ぶ」― 



UPDATE 2024-12-29

国際学部の授業「世界を学ぶ」は「世界と向き合うために必要な考え方の基礎」を身に着ける1年生の必修科目です。2024年度は、「世界の食文化」(担当:加来准教授)、「地理学的な観点からの考察」(担当:大谷講師)、「日本と東アジア諸国との関係」(担当:森准教授)の3つを主なテーマとし、それぞれの教員によるオムニバス形式で進めました。 

2024419日(金)の授業では、ゲストスピーカーとしてベトナム社会科学院南アジア・西アジア・アフリカ研究所副所長(Deputy Director General, Vietnam Institute for South Asia, West Asia and African Studies (ISAWAAS)  , Vietnam Academy of Social Sciences (VASS))のPhan Cao Nhat Anh(ファン・カオ・ニャットアイン)博士をお招きし、「日越(日本ベトナム)外交関係」というテーマでオンライン講義をしていただきました。 

ニャットアイン先生は、日本社会論(主に福祉政策)がご専門で、日本研究のキャリアは20年以上です。近年は、西南アジア諸国のみならず、アフリカを含めた国際関係についても活発に研究をすすめていらっしゃいます。VTV(ベトナムテレビジョン)を始めとした主流メディアのニュース番組にも多数出演され、特に日越関係や東アジア国際関係について解説をご担当です。 

ニャットアイン先生は講義で、2024年が日越外交関係樹立50周年であり、ベトナムにとって日本は「包括的戦略的パートナーシップ国(外交上最も重要視される2国間関係)」あることに触れ、大学1年生の理解が深まるように日本語で平易にお話しくださいました。ベトナム中部の都市ホイアンに16世紀末に形成された日本人街や有名な「来遠橋(日本橋)」(ベトナムの貨幣2万ドンに描かれている)の存在、近代における日越の人的交流、1940年の日本軍によるベトナム占領、ベトナム戦争下での日本との関係、日越国交正常化後の日本のベトナム支援(政府開発援助や医療援助など)に至る日越関係史の話を学生は興味深く聞いていました。質疑応答の時間には、学生がベトナムにおけるポップカルチャーの状況を尋ねるなどしました。 

講義後、学生からは「ベトナム語を少し学んで、ベトナム人と交流してみたいと思いました」「普段ベトナムについて触れることがなく、今日のこの機会でベトナムと日本の外交関係について知ることができ、親しみが湧いた。これからもっと深く知って行きたい」といった感想が寄せられました。   [文・写真:(国際学部准教授 森類臣)]