2023年度の海外インターンシップ(グアム)を実施しました!



UPDATE 2024-03-12

 春休み期間中の2024年2月11日(日)~22日(木)の計12日間にわたって、アメリカ合衆国の準州グアム(Guam)の有名なリゾートホテルHilton Guam Resort & Spaにおいてインターンシップ(就業体験)を実施しました。

 今回は国際学部の2年生4名と1年生3名の計7名が参加し、明るくフレンドリーな現地の正社員とともに英語を使いながらホテルの一連の業務を体験しました。例えば、Front Deskでは、チェックイン・チェックアウトの作業、予約、部屋の割り当て、領収書の確認、ルームキーの登録など仕事は多岐にわたったとのこと。また、House Keepingでは、部屋での清掃やベッドメイキング、アメニティの補充などを行いながら、チャットツールを通してフロントや各部屋で作業をしている従業員と連絡を取り合い、英語の専門用語も飛び交ったとのことです。

 帰国後、参加学生全員が仕事に対する意識が高まったと振り返るとともに、英会話を中心に語学力を向上させ、もっと円滑にコミュニケーションが取れるようになりたいという学習意欲をみせていました。さらに、中には卒業後にホテル関係の仕事に就きたいと思ったという学生もいました。これらはまさにインターンシップへの参加の意義が表れている感想だといえるでしょう。

(文責:国際学部教授 中島直嗣)

駐大阪大韓民国総領事館を訪問しました(森ゼミ)



UPDATE 2024-03-07

 2023年12月6日(水)に、国際学部/外国語学部森ゼミナール3年生は、駐大阪大韓民国総領事館を訪問しました。イ・ギョンチャン領事が出迎えて下さり、普段は領事館関係者しか使用できない階にある大会議室にゼミ一行を案内してくださいました。

 大会議室でイ領事は、領事館の機能と役割についてプレゼンテーションしてくださいました。領事館の業務は在外国民(同胞)の権益保護・各種申請業務(旅券や査証発給業務など)・日韓自治体交流推進業務・日韓文化交流業務・経済交流業務など多岐に渡っているとのことです。大阪コリアタウンの活性化を総領事館が後援していることも有名です。

 イ領事は、領事館業務の概略を説明してくださった後に日韓関係についてゼミ生と懇談する時間を設けてくださいました。ゼミ生は、ここ数年間の日韓関係の変化や若者による日韓交流の実態などについて質問しましたが、特に韓国ポップカルチャーが日韓関係に及ぼす影響について関心が集中しました。イ領事は「K-POPを始めとしたKカルチャーは、韓国国内で理解されているよりもはるかに大きな影響力を外国で持っている。この力には注目しつづける必要がある」と率直に答えてくださいました。ゼミ生の質問一つ一つに、熱意をもって丁寧に答えてくださり、一人一人と記念撮影までしてくださったイ領事の姿が印象的でした。

 懇談の後、イ領事の案内で旅券発行業務や査証(ビザ)業務、家族関係登録業務を行っている部署を見学しました。

 訪問終了後、ゼミ学生からは「領事館での業務をはじめ、行なっている活動や任務など様々なことを学ばせていただいた」「日韓関係を中心に領事の目線からお話を聞くことが出来たのはとても貴重で良い機会となった。これからの将来、良い日韓関係が続いてほしい」「領事の視点から見たK-POPについて聞くことができてよかった。K-POPは良好な日韓関係の構築に深く関わっているのだと今回のお話を聞き改めて思った」「日韓関係についてもっと知りたいと思うようになった」「領事館は、在日韓国人を守るとても大切な場所だと知る事ができた」という感想が寄せられました。

(文・写真 国際学部特任准教授 森類臣)

韓国語スピーチコンテスト「韓国語で話してみよう!」(스피치 콘테스트 ‘ 한국어로 이야기해요!’)を開催しました



UPDATE 2024-03-07

 2023年12月23日(金)4限に12号館1232教室で国際学部主催韓国語スピーチコンテスト「韓国語で話してみよう!」を開催しました。2022年度に本学で初めての韓国語スピーチコンテストを行って以来、2度目の開催となりました。

 今回は2022年度とは異なり、募集時からテーマを二つに分け、①「私にとって韓国語とは」、②「韓国の文化・社会について」というテーマでそれぞれ発表者を募集しました。

 当日は、テーマ①「私にとって韓国語とは」では、松下永愛さん(1年生)・Xie Tingyu(シャテイギョク)さん(1年生)・齋藤穂香さん(4年生)が発表しました。テーマ②「韓国の文化・社会について」では、小林菫さん(1年生)と松島珠侑(1年生)が発表しました。審査委員は沈明姫先生(本学非常勤講師)・北島由紀子先生(本学非常勤講師)・森が務めました。

 各学生とも流ちょうな韓国語を披露し、韓国語の学習が自信につながり人生を変えたこと、日韓の文化は似たようでも異なる興味深い点に気づいたことなど思い思いの内容を韓国語で発表しました。

 テーマ①では、齋藤さんが1位・松下さんとXie Tingyuさんが同点で2位となりました。また、テーマ②では、小林さんが1位となり、松島さんが2位となりました。入賞者は、2024年1月16日の「外国語学部・国際学部の各言語コンテストの表彰式および受賞者発表会」で表彰されました。

 発表を聞いた学生からは、「同年代の学生がここまで韓国語を上手に話すことに驚いた。自分も頑張りたい」など多くの感想が寄せられました。 

 韓国語スピーチコンテストは、2024年度も開催する予定です。多くの学生の参加を待っています。

(文・写真:国際学部特任准教授 森類臣)

ウトロ平和祈念館を訪問しました(森ゼミ)



UPDATE 2024-03-07

 私たち摂南大学外国語学部/国際学部の森ゼミナールは、2024年1月26日(金)に京都府宇治市伊勢田町ウトロにある「ウトロ平和祈念館」を訪れました。ウトロは、「1940年から日本政府が推進した『京都飛行場建設』に集められた在日朝鮮人労働者たちの飯場跡に形成された集落」(ウトロ平和祈念館ホームページ「ウトロ地区概要」より)で、ウトロの人々は劣悪な環境と過酷な差別の中で懸命に生き抜き、お互いに助け合いながら生活してきました。ウトロ平和祈念館ホームページには次のようなメッセージが掲載されています。

 

 ウトロは戦争の時代に形づくられた、日本社会から「置き去りにされた」朝鮮人のまちでした。しかし困難に直面しながら声を上げた人々と、ウトロに寄り添ってきた日本市民、在日コリアン、そして韓国市民が協力してウトロの歴史と居住権を守った歴史は日本と朝鮮半島が互いに理解を深めあい、力を合わせ、地域社会で「小さな統一」をつくることによって新しい社会と未来を築いていけることを示してくれています。(ウトロ祈念館ホームページ「ウトロ地区概要」から引用)

 

 ウトロ平和祈念館は、ウトロの歴史を後世に伝えることだけでなく、「ウトロで終わらないウトロの話」と掲げているように、ウトロを通して平和・人権に関心を広げていくことを目指しています。

 ウトロ平和祈念館に到着した後、まず副館長の金秀煥(キムスファン)さんから講話を聴きました。金副館長は、ウトロ地区の形成から現在に至るまでの歴史的変遷、ウトロ地区で生きる人々の境遇や心境、差別とヘイトクライム(特に、2019年に起こった「ウトロ地区放火事件」)、そしてウトロ平和祈念館が伝えたいメッセージについて熱心に語ってくださいました。金副館長のお話を通して、上下水道が近年まで整備されなかったことなど、私たちが想像できないような生活環境の中で暮らしてきたことなど、ひどい差別があったことを学びました。しかし、住民は希望を失わず、人間として当然のことを要求して諦めずに声を上げ続けたことや周辺住民の支援活動があったこと、韓国市民の声が韓国政府を動かしてウトロ支援に結びついたことなどについて学習しました。

 講話の後に平和祈念館の展示コーナーを案内していただきました。年表や当時の写真、住民の私物や韓国の楽器など様々なものが展示されていました。金副館長の説明と共にウトロ地区の形成から始まる展示パネルを見ることで、ウトロ地区の歩んだ歴史や、ウトロ地区で生きた人々の生活にリアルに感じることができました。

 平和祈念館の屋上にも案内していただきました。屋上からはウトロ地区が一望でき、実際に京都飛行場があった場所や住民の集落があった場所を自分の目で確かめることで、ウトロ地区を体感することができました。

 祈念館の展示を見た後、質疑応答の時間を持ちました。金副館長は私たちの質問に丁寧に答えてくださいました。差別の問題はもちろん、ウトロ地区を去った人々のこと、韓国ポップカルチャーブームがウトロ地区や住民、韓国にルーツを持つ人たちに対してどのような影響を与えているのかなどについて金副館長の見解をうかがいました。

 実際にウトロ地区に足を運んでみると、それまで抱いていたイメージが変わり、差別やヘイトクライム、歴史について深く考えさせられました。金秀煥副館長は、お話の中で何度も「かわいそうな他者ではなく、自分たちの問題としてとらえてほしい」とおっしゃっていました。私たちが知らない歴史、過酷な状況がウトロ地区のみならず、世界中の様々な場所であります。「知らない」「関係ない」と他人事にするのではなく、「私たちの社会で起きていること」と、まずは関心を持つことが大切だと感じました。私たちができることは、「学び、考え、伝える」ことであり、ゼミ活動や今回の学習を通して、私たちが学ぶ意味を再確認することができました。

お忙しい中、お時間を取っていただいた金秀煥副館長をはじめ、ウトロ平和祈念館の方々に心からお礼を申し上げます。

♢ウトロ平和祈念館HPは、以下のURLよりご覧ください。https://www.utoro.jp/

 (外国語学部/国際学部3年生 石田みほり)

 

한국어

우리 세쓰난대학교 외국어학부/국제학부 모리세미나는 2024년 1월 26일(금요일)에 교토부 우지시 이세다초의 우토로(京都府宇治市伊勢田町ウトロ)에 있는 우토로 평화기념관을 방문했습니다. 우토로 마을은 “1940년부터 일본 정부가 추진한 ‘교토 비행장 건설’에 동원된 조선인 노동자들의 함바 터에 형성된 마을”입니다(우토로 평화기념관 홈페이지 ‘우토로 마을 역사 이야기’에서 인용). 우토로 마을의 사람들은 열악한   환경과 과혹한 차별 속에서 열심히 살아와 계셨고 서로 도우면서 생활하셨습니다. 우토로 평화기념관 홈페이지에는 다음과 같은 메시지가 게재되고 있습니다.

 

“우토로는 전시에 형성된, 일본 사회로부터 「방치된」 조선인 마을이었습니다. 하지만 어려움에 직면하면서도 목소리를 높인 사람들과 우토로 곁을 지켜 온 일본 시민들, 재일코리안, 그리고 한국 시민들이 협력해서 우토로의 역사와 거주권을 지켜낸 역사는, 일본과 한반도가 서로 이해를 증진하고 힘을 합쳐, 지역 사회에서 「작은 통일」을 만듦으로써 새로운 사회와 미래를 만들어 나갈 수 있음을 보여주고 있습니다.”  (우토로 평화기념관 홈페이지 ‘우토로 마을 역사 이야기’ 에서 인용)

 

우토로 평화기념관은 우토로 마을의 역사를 후세에 전하는 것 뿐만 아니라, ‘우토로에서 끝나지 않는 우토로의 이야기’라고 홈페이지 전면에 쓰여 있는 듯이, 우토로를 통해서 평화 및 인권을 확대시키는 것을 지향하고 있습니다.

우리 모리세미나 일행이 우토로 평화기념관에 도착한 후, 김수환 부관장님께 특강을 들었습니다. 부관장님께서는 우토로 마을의 역사, 우토로 마을에 살고 있는 사람들의 상황과 심경, 차별과 증오 범죄(특히 2019년에 일어난 ‘우토로 마을 방화 사건’), 그리고 우토로 평화기념관에 담겨 있는 메시지에 대해 열심히 이야기해 주셨습니다. 부관장님의 말씀을 통해 최근까지 마을에는 상수도 및 하수도가 마련되지 않았다는 사실 등 우리 학생들이 상상할 수 없는 생활환경에서 우토로 마을 사람들은 살아왔다는 것, 심한 차별이 있었다는 것들을 알게 됐습니다. 그리고 주민들은 그런 상황 속에서도 희망을 잃지 않고 끝까지 포기하지 않고 목소리를 낸 것, 주변 일본 시민들의 지원이 있었던 것, 한국 시민의 목소리가 한국 정보를 움직이게 해서 정부 차원의 지원이 실현됐다는 점을 배웠습니다.

특강 후에 관장님께서는 평화기념관의 전시물을 안내해 주셨습니다. 역사 연표와 사진, 주민들이 쓰던 물건과 우토로 마을에서 사용된 민족 악기 등 다양한 것들이 전시되어 있었습니다. 부관장님의 설명과 함께 우토로 마을의 형성을 전시 패널을 봐서   우토로 마을 사람들이 걸어온 역사와 생활을 다각적으로 배울 수 있었습니다.

그리고 평화기념관 옥상까지 올라갔습니다. 옥상에서는 우토로 마을을 한눈에 볼 수 있었고, 실제로 교토 비행장이 있던 곳과 주민들의 거주 지역 등을 직접 파악할 수 있었습니다.

전시물을 본 다음에, 마지막으로 부관장님과 질의응답의 시간을 가졌습니다. 부관장님은 우리 학생들의 질문에 하나하나 대답해 주셨습니다. 우리는 차별 문제는 물론, 우토로 마을을 떠난 사람들의 상황, 그리고 최근 한국 대중문화의 유행이 우토로 마을과 주민들, 한국에 뿌리를 둔 사람들에게 어떤 영향을 미치는지 등 많은 것을 물어봤습니다.

실제로 우토로 마을를 방문해 보니 우리가 기존에 가지고 있던 이미지가 변하고 차별과 혐오범죄, 역사에 대해 다시 한번 깊이 생각하게 됐습니다. 부관장님께서는   “불쌍한 타자가 아니라 자기 자신의 문제로 받아들이고 생각해 주시면 좋겠다”고 몇 번   말씀하셨습니다. 우리가 모르는 역사, 상상조차 할 수 없는 상황이 우토로 마을뿐만 아니라 여러 곳에 있습니다. “모른다” “상관없다”고 남의 일로 생각하지 말고 ‘우리 사회에서 일어나는 일’이라고 먼저 관심을 두는 것이 중요하다고 느꼈습니다. 우리가 할 수 있는 일은 ‘배우고, 생각하고, 전하는 것’이며, 이번 특강과 견학을 통해 ‘우리가 배우는 의미’를 다시 한번 확인할 수 있었습니다.

바쁘신 와중에도 시간을 내주신 김수환 부관장님을 비롯한 우토로 평화기념관 관계자 여러분께 진심으로 감사드립니다.

 

♢우토로 평화기념관 홈페이지는 다음가 같은 URL입니다.

https://www.utoro.jp/

 

 (외국어학부/국제학부 3학년 이시다 미호리)

 

 

<English>

 

On January 26, we, the Mori Seminar of the Faculty of International Studies (the Faculty of Foreign Studies) of Setsunan University, visited the Utoro Peace Memorial Museum in the Utoro district of Iseda-cho, Uji City, Kyoto Prefecture. “Utoro began as the living quarters for ethnic Koreans, or Zainichi Chosenjin, mobilized for the “Kyoto Military Airport Construction Project” promoted by the Japanese Government beginning in 1940.”(Referenced from  ‘History of Utoro with Pictures’, the Utoro Peace Memorial Museum website)

The people of Utoro have lived hard in poor conditions and harsh discrimination, helping each other. The following message is posted on the website of Utoro Peace Memorial Museum.

 

“Utoro was formed during the war and was a town of ethnic Koreans “left behind” in Japanese society. However, its people, who faced such difficulties, rose to voice themselves, and they never gave up. Japanese supporters, Zainichi Koreans, citizens of South Korea, and many more stood with them to protect Utoro history and their residency rights. This proves that we, from different communities, can deepen mutual understandings and create “a small unification” to build a new society and future in solidarity.” (Referenced from  ‘History of Utoro with Pictures’, the Utoro Peace Memorial Museum website)

 

After arriving at Utoro Peace Memorial Museum, Mr. Kim Su Hwan, Deputy Director of the Utoro Peace Memorial Museum, gave us a lecture about Utoro. He enthusiastically talked about the historical changes of Utoro District, the circumstances and feelings of people living in Utoro District, discrimination and hate crimes (especially “Utoro District Arson Incident” in 2019), and the message that Utoro Peace Memorial Museum wanted to convey. Through his lecture, we learned that there was severe discrimination, such as the lack of water and sewage maintenance until recent years and living in environments that we could not imagine. We learned that the residents continued to raise their voices without losing hope and demanding what they deserved as a human being, that there were support activities from nearby residents, and that the voices of South Korean citizens led the South Korean government to support Utoro.

 

After Deputy Director Kim’s lecture, he guided us to the exhibition section of Peace Memorial Museum. In the section, there are various things such as chronological tables, a lot of photographs, personal belongings of residents and Korean musical instruments. While we were looking at the exhibition panels with his explanation, we were able to get a real touch on the history of Utoro District and the lives of Utoro people.

Deputy Director Kim also guided us to the rooftop of the Peace Memorial Museum. On the rooftop, we could have a panoramic view of the Utoro area. We saw where Kyoto Air Station was and where residents’ settlements were.
  After that, we had a question-and-answer session. We asked Deputy Director Kim issue of discrimination, those who left Utoro, and how the Korean pop culture boom is affecting Utoro. And he answered his opinion.

Through visiting the Utoro area, we have changed my previous image. And this experiment made us think deeply about discrimination, hate crimes and history. Deputy Director Kim repeatedly said “I hope that you understand Utoro as your problem, not as a poor others’ problem.”

There are histories and unimaginable situations that we do not know about, not only in Utoro but also in various places in Japan. We felt that it was important to pay attention to what is happening in our Japanese society in fact. We should not say “I don’t know.” or ” It’s not my business.” And what we can do is learn issues and share issues with others. Through this experience, we were able to reconfirm the meaning of what we have learned.

 

Finally, I would like to express my sincere gratitude to staff members of the Utoro Peace Memorial Museum, including Deputy Director Kim Su Hwan.

 

♢The Utoro Peace Memorial Museum website is as follows:

https://www.utoro.jp/

 

(Mihori Ishida, Student of Faculty of Foreign Studies/International Studies)

 

 

鄭雅英(チョン・アヨン)教授(立命館大学経営学部特別任用教授)のゲスト講義を開催しました!



UPDATE 2024-02-24

 森ゼミナールでは2023年12月5日(火)3限に立命館大学経営学部特別任用教授の鄭雅英先生をお迎えし、ゲスト講義を開催しました。当日は鄭先生に摂南大学寝屋川キャンパス7号館の教室へお越しいただきました。鄭先生は在日コリアンであり、海外コリアン事情について詳しい方です。鄭先生は現在、立命館大学経営学部で「朝鮮語」「東アジアと朝鮮半島」「平和人権フィールドスタディ」といった科目などを教えていらっしゃいます。

 鄭先生によると、現在日本には81万人の在日コリアンがおり、また中国には230万人、アメリカには260万人もの海外在住のコリアンがいるそうです。

 最も興味深かったのは、様々国に国境を越えた人的ネットワークがあるという話です。海外に住む人々は、家族がそれぞれ分かれて生活しているという例も少なくありません。しかし現代ではスマホなど通信媒体が充実しているため、別々で生活していても家族と意思疎通ができます。このような人たちは、トランスナショナル(transnational)な移動と社会の一歩先を歩んでいるとのことです。

 海外コリアンは、中国、ロシア、アメリカなどさまざまな国・地域で生活しています。過去の戦争などの影響で帰還を許されずそのまま住み続けた人たちも多くいると聞きました。加えて、韓国では就職難などが続き、海外へ移住してそこで就職して暮らす選択肢をとる人々もいるそうです。

 また、中国では、韓国ドラマ「星から来たあなた」の大ヒットをきっかけに、韓国のインスタントラーメンの代表である「辛ラーメン」の売り切れが続出したそうです。若い人たちでも韓国ファッションを真似したり、文化を好きになる気持ちに国境は関係ないのだとおっしゃったことが心に残りました。

 鄭先生のお話に対して、こうした海外コリアンの人々の中で故郷(故地)に戻った人はいるのかと質問したところ、中国では170万人のうち70万人が韓国へ戻ったとのことでした。また、アメリカでは朝鮮戦争による孤児が養子として在住していましたが、その方たちも親族を求めて大半が韓国へ戻ったそうです。

 以前より韓国ではジェンダー問題が強く意識されています。また競争社会のため、明るい未来を求め日本やアメリカ、オーストラリアなどで就職する方々もいるそうです。一見明るいように見える中で、こうした裏側で起こっている現実をよく見つめなくてはならないと考えさせられました。加えて、鄭先生は「韓国で起こっていることは、明日の日本」と仰っていました。今起こっている問題から目を背けるのではなく、自分たち一人一人が意識的に考え行動していかなくてはならないのだと思いました。

 今回のゲスト講義を通して、海外コリアンと韓国の現状について、より深いところまで知ることができました。とても貴重な時間になりました。これを機会に、韓国の歴史や文化の理解を深め、今後の研究へと繋げていきたいと思います。お忙しい中、足をお運びいただいた鄭雅英先生、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

(摂南大学外国語学部/国際学部 森ゼミナール 池上愛利)

 

ハノイで開催された国際学術会議「India in the New World Order after the Russia-Ukraine Crisis」に参加しました(森類臣)。



UPDATE 2024-02-24

 2023年9月7日に、ベトナム社会科学院の招請を受けてハノイで開かれた国際学術会議「India in the New World Order after the Russia-Ukraine Crisis」に参加しました。会議の主催はベトナム社会科学院インド西南アジア研究所(Vietnam Institute for Indian and Southwest Asian Studies, Vietnam Academy Of Social Sciences)です。

 会議のセッションⅠ「Impact of the Russia-Ukraine crisis and India’s policy」では、2021年から本格化した「ロシア・ウクライナ危機」後のインドの動向に第一の焦点が当てられていました。ベトナムは、外交上最も強固かつ重要な関係である「包括的戦略的パートナーシップ」を6か国と締結しており、インドはそのうちの一つです(他の5か国は中国・ロシア・韓国・米国・日本)。近年、ベトナムではインドの影響力に注目が集まっており、インド研究を行う研究者が増えているようです。

 また、セッションⅡ「Challenges of the Indo-Pacific region after the Russia-Ukraine crisis」では、ベトナム―インド関係に限らずアジア諸国の関係を幅広く議論しました。森准教授は「Analysis of Japan’s Policies for South / North Korea: With an emphasis on after the Russia-Ukraine Crisis」というタイトルの発表をし、日本の朝鮮半島政策(日韓関係と日朝関係)のうち近年の重要な事柄をいくつか取り上げ、現状分析を発表しました。

 会議には、ベトナム社会科学院所属研究者はもちろん、台湾・インドからも研究者が参加し発表しました。また、インド大使館および日本大使館の関係者や、諸外国での外交官経験があるベトナム外務省関係者なども参加しました。主催者側が述べたように、ロシア·ウクライナ危機後の新世界秩序について研究者と外交官が議論して各国の課題を考え、お互いの交流を深めていくことに会議の趣旨がおかれていました。

 会議では活発な質疑応答がなされ、また国際協力について意見交換がなされました。なお、当日の模様は、VTC Digital Television Networkで報道されました(下記URLがリンクとなっています)。

https://vtc.vn/an-do-trong-trat-tu-the-gioi-moi-sau-khung-hoang-nga-ukraine-ar818144.html

(国際学部特任准教授 森類臣)

外国語学部・国際学部の言語コンテスト表彰式を開催しました



UPDATE 2024-02-13

2024年1月16日(火)に、2023年度の外国語学部・国際学部の各言語コンテストの表彰式および受賞者発表会を行いました。今年度は、英語、スペイン語、中国語、韓国語のスピーチコンテスト(プレゼンコンテスト)および、スペイン語のレシテーションコンテストが行われ、各コンテストの入賞者が参加しました。式典では、はじめに西川学部長から激励の言葉が贈られ、上位入賞者に賞状・副賞が授与されました。その後、各賞の1位の学生による発表がそれぞれの言語で行われました。

 

スピーチコンテスト(英語) 3年生 山越歩 How the people around us are important

スピーチコンテスト(スペイン語) 3年生 松井ゆに Mi otra familia preciosa (私の大切なもう一つの家族)

プレゼンコンテスト(中国語) 3年生 宵志織 給人批評還是贊美(人を批判すべきか、それとも褒めるべきか)

スピーチコンテスト(韓国語・テーマ①) 4年生 齋藤穂香 私にとって韓国語とは

スピーチコンテスト(韓国語・テーマ②) 1年生 小林 菫 韓国の文化・社会について

 教員が多く集まる中、発表者は言語の巧みさのみならず、表現も豊かに見事な発表を行いました。多言語の発表を通して、外国語学部・国際学部の学びの多様さを改めて感じる場となり、生き生きとした発表を聞いて言語を学ぶ楽しさを再認識することができました。学生の皆さんのますますの健闘を期待します。

 (文:国際学部准教授 加来奈奈、写真:国際学部准教授 金子正徳)

2023年度「基礎ゼミナール成果発表会」を開催しました



UPDATE 2024-02-07

 2024年1月16日(火)に、2023年度の「基礎ゼミナール成果発表会」を行いました。

 国際学部1年生が受講する科目「基礎ゼミナール」では、1クラス15名程度に分かれ、それぞれのクラスで様々なテーマを設定して学習します。本発表会はその学習の内容や成果について共有し競い合うことを目的として行うもので、2023年度は14クラス約220名が参加する大きなイベントとなりました。本年度は会場を「第1会場」と「第2会場」の2つに分けて開催しました。

発表会当日は、各クラスの代表者が学習の成果を発表し、その内容やプレゼンテーションの力を競いました。聴講する学生や教員から発表内容に対する質問が出されると、発表者の学生は積極的に回答をしており、大学生になってからわずか1年間での優れた学習成果に、教員のみならず学生も感銘や刺激を受けたことでしょう。

審査は「基礎ゼミナール」を担当した国際学部教員が担当しました。審査の結果、入賞者は下記の通りに決定しました。入賞の学生には、賞状と副賞が授与されます。

 

[第1会場]

 優勝   村田早希さん

   テーマ:「怖」(ZINE)

 準優勝  西浦詩織さん

                テーマ:「食品ロス問題とその対策について」

 

[第2会場]

 優勝   シャ・テイギョクさん

   テーマ:「JAWA ~新しいファッションの発想~」

 準優勝  福井妃菜望さん

                テーマ:「猫の舞台裏」

 

第1会場の様子

第2会場の様子

 

(文:国際学部准教授 古矢篤史准教授、写真:同講師 小林基・大谷侑也)

浦野ゼミで卒研発表会を開催しました



UPDATE 2024-01-30

2024年1月27日(土)、学内(3号館327教室)で浦野ゼミの卒研発表会を開催しました。

浦野ゼミでは年二回(7月と1月)に卒研発表会を実施しています。今回の発表会は、4年ゼミ生が過日提出を果たした「卒業研究レポート」の成果について、一人30分で発表を行いました。彼らは2月1日に卒研口頭試問が控えており、今回、改めて自身の卒業研究を見直す機会となりました。

当日は4年ゼミ生以外に、3年ゼミ生および2002年度・2012年度・2020年度の卒業生、さらには他大学の職員の方が対面で出席し、休学してインドネシアへ留学中の4年ゼミ生1名がオンラインで参加しました。

発表タイトルは以下の通りです。

「町工場の『いま』─協働体を担う人たちのたたかい─」

「教育分野から読み解くジェンダー ─格差をなくすために─」

「都市公園の歴史的変遷と現代的役割」

「分断される社会─日本における喫煙空間の変容を通じて─」

「スターバックスの現在地─憩いの場を求めて─」

現在、浦野ゼミでは3名が休学中のため、今回の発表会では5名のみの発表と数少なかったですが、それぞれのテーマが多種多様かつ身近なことを取り上げていたため、質疑応答では、質問者の経験を踏まえた質問や指摘だったり、3年次生からは今後の研究の進め方のヒントとするべく質問など、活発な議論が交わされました。

卒業研究は、個々の学生の成果ですが、このように成果発表会をゼミで一堂に会して実施することで、切磋琢磨している姿を垣間見ることができました。

次年度以後もこのような学年を越えたイベントを実施していきたいと考えています。

 

(文責:国際学部教授 浦野崇央)

留学帰国者報告会を行いました



UPDATE 2024-01-24

2022年度後期から2023年度前期にかけて海外での長期留学で学んだ学生による報告会を12月14日(木)に開催しました。

今回の報告会は,国際学部西川学部長の挨拶で始まり,カルガリー大学(カナダ)とサイモンフレーザー大学(カナダ)および台湾師範大学(台湾)で半年間または1年間学んで帰国した学生が現地での学習や体験をグループでプレゼンテーションしました。それぞれの報告のあと,出席した学生や教員との活発な質疑が交わされ,特に2024年度前期に留学する予定の学生からは熱心な質問やコメントがありました。

 

留学生たちが参加したのは英語や中国語を学ぶための語学プログラムです。留学先では,多国籍のクラスメイトが共に学び,そして学外でも一緒に過ごすことでコミュニケーション力と友情を深めました。そして学内のスポーツ活動やコミュニティーに参加することで現地の学生と交流し,多くの友だちができました。それぞれの大学での学び方,教室外での過ごし方,住む街の特徴は多様です。留学先別に帰国報告をご紹介しましょう。

 

カルガリー大学のメンバーは,1学期に1冊の小説を読むという課題に挑戦しました。難しい課題でしたが,読み終えた時の達成感は素晴らしいものでした。カナダは多民族国家です。ある学生のホストファミリーはモンゴル出身だったのでモンゴル料理を楽しめることもありました。休日に訪れたトロントやバンクーバー,バンフやウォータートンの山や湖,そしてオーロラ観光などカナダの自然も満喫しました。

カナダ西海岸バンクーバーのサイモンフレーザー大学に留学した学生はカナダ研究コースを履修したので,語学に磨きをかけるとともに野外やミュージアムでの学習も多く,カナダ文化への理解も深めることができました。海に近い地域なので,授業以外の時間にはビーチバレーやナイトマーケットを楽しんだこと,バンクーバー対岸のビクトリアを観光した経験などを紹介しました。

 

台湾師範大学には台湾最大の語学センターがあり,自分の語学力にぴったりのクラスを選べるのが魅力です。台湾の祝日やクリスマスなどイベントごとに食べ物のプレゼントがあります。学校は台北市の中心部にあるので放課後の過ごし方も退屈しません。市内の夜市を食べ歩きするのも楽しいです。人気の観光地九份も日帰りで訪れることができます。西海岸の古都台南や東海岸の台東まで足を伸ばしたメンバーもいます。

長期留学での住居はアパート,寮,ホームステイ,シェアハウスなどさまざまで,それぞれに特徴があります。留学先選びでは,キャンパスライフだけでなく自分に合った居住形態を実現できる留学先を選ぶこと,またそのための情報集めが大切です。

次に,カナダ留学から帰国した学生からの帰国報告をより詳しく紹介します。

 

  Students at Setsunan University Return from Study Abroad in Canada

 

Recently, Setsunan University students majoring in   returning from  of overseas study in Canada at the University of Calgary and Simon Fraser University gave a presentation on their study abroad.

 

Of course, a major portion of their time in Canada was spent taking English courses. However, in Canada, they were able experience interesting and different approaches to language study. At the University of Calgary, students enjoyed the challenge of reading one English novel per semester. The novels they read were more challenging that the reading passages that they had studied in Japan. While it was difficult, the students expressed that they felt a strong sense of accomplishment on completing the novels. At Simon Fraser University, a Canadian Studies course is available. The student who took this course said that it was interesting that there were many field trips to museums as a part of the course. This gave her the opportunity to increase her appreciation of Canadian culture while studying English.

 

As many of those attending the presentation were Setsunan University students planning to study abroad in the future, the presenters gave advice on how to make their stays in Canada more productive and pleasant. One tip is to make an effort to make friends from other countries. To do this, it is important to take the initiative. Actively approach others and create opportunities to spend time with them. One student gave advice to join intramural sports. Intramural sports are sports that are organized at universities for recreational purposes. They provide the opportunity to get exercise and socialize. According to the student who gave the advice, not many Japanese students join intramural sports, so it is easier to meet students from Canada and other countries. So, why not try out intramural sports if you study abroad in the future?

Another student advised learning the rules of host families and adapting to them. By following the rules, it is possible to maintain a good relationship with the members of a host family. What are some of the rules you might encounter? One rule that was mentioned is that shower times may be limited. Another is there may be a limit on the number of times a week that you can use the washing machine. A final example is that you may be required to send a text to your host family before you arrive home. Each home stay family has their own rules. So, be sure to talk with your host family about their rules when you first arrive and be sure to follow them.

 

With this advice, you will be sure to have a positive study abroad experience, so why not try studying abroad as a Setsunan University student?

(文責:国際学部教授 中西 正樹,講師 フーパー トッド)