【留学生通信】ホームパーティーを経験して



UPDATE 2024-06-26

私、吉田百花(国際学部3年生)は現在スペインのサラゴサという都市にあるサラゴサ大学(スペイン語:Universidad de Zaragoza 英語:The University of Zaragoza)に留学しています。本「留学生通信」ではスペインの文化について私なりの視点で報告してみようと思います。今回は3回目の通信となります。

先日、2種類のホームパーティーに参加しました。

まず、週に一度、韓国語を教えてもらっている韓国人の留学生に誘われて、その方の友達が集まるホームパーティーに行きました。参加前は日本人が私一人だということ、顔見知りが少ないこと、他の参加者はスペインに留学している期間が長く学校でも上級クラスに所属している人たちだということで、会話についていけるのか、コミュニケーションはとれるのかなどたくさんの不安がありました。しかし、欧米のホームパーティーは友達や恋人を主催者や参加者に事前に伝えておけば参加することが可能とのことで、初めて会う人も何人か参加していたため、私自身も変に緊張しませんでした。パーティーは、昼食を食べることがメインだったため、全員で食卓を囲んで食事をしました。それ以外の時間は、おしゃべりしたり、犬と遊んだりとそれぞれ好きなことをして過ごしていました。「スペインと言えばこれ!」の定番の料理であるパエリアとチュロスもありました。正直、マドリードのお店で食べたパエリアより口に合いました。

2つ目は、日中パーティーです。クラスメイトの日本人と中国人でお互いの国の料理が食べたいねと話しているうちにパーティーすることになりました。初めに「中華料理を食べる会」、次に「日本料理を食べる会」と計2回行いました。ここでは、みんなでテレビゲームをしたり、ご飯を食べながらお酒を飲んで何時間もおしゃべりしていました。「中華料理を食べる会」では、スペインで辛い食べ物を食べる機会がなかなかないこともあり、唐辛子の刺激が恋しかったため麻婆豆腐を作ってもらいました。ちなみに麻婆豆腐は日本語の言い方(マーボードーフ)で伝わります。また、麻婆豆腐の他にも炒め物を数種類作ってくれたのですが、中華料理屋では見ない料理だったため、これが中国の家庭料理かと思いながら、美味しくいただきました。

写真は中国人が作ってくれた中華料理です。青唐辛子をたくさん使用しているのが印象的でした。ちなみに、青唐辛子は中国人が経営している中国・アジアスーパーマーケットで購入できます。

「日本料理を食べる会」では、悩みに悩んだ末、わかめを使ったサラダと唐揚げ、中国・アジアスーパーマーケットで手に入れた冷凍の枝豆、日本式のカレーライス、デザートにいちご大福を作りました。どれも気に入ってもらえたので嬉しかったです。

これらの経験を通して気づいたことは、パーティーを通して新たな友達を作ることができるということです。日本でホームパーティーをする場合、既に仲の良い友達のみで行うことが多いのではないでしょうか。しかし、欧米では、参加者が招待したい人を自由に招待できるため、参加することで新たなつながりを作ることができ、友達作りにはパーティーに参加することが一番早い手段だと思いました。

また、日中パーティーでは、クラスメイトというだけでそこまで仲良くなかった人もいたのですが、このパーティーをきっかけにとても仲良くなることができました。クラスの中では中国人同士も女子学生1人、男子学生2人という構成だったためか、パーティーをする前はクラス内であまり話をしているところを見かけなかったのですが、これを機に仲良くなっていて安心しました。一度集まるだけでもクラスメイトとの距離がかなり縮まったように感じられるため、留学に来る機会がある方はぜひ、パーティーに参加してみてください。

(国際学部3年生 吉田百花)
【留学生通信】バルセロナ、マドリード旅行記 | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)

アメリカの大学生に日本語・日本文化を紹介



UPDATE 2024-06-20

2024年5月27日(月)の3時間目に、本校を訪問したアメリカのFayetteville Technical Community Collegeの12名(学生3名 教員3名)に、国際学部の門脇ゼミで「外国人を対象にした日本語教育」を学ぶ4年生のゼミ生が日本語・日本文化を紹介しました。


日本語学習歴のないアメリカの学生の皆さんに簡単な日本語を教えて、日本文化を紹介するアクティビティーとして、「福笑い・紙相撲・七夕の飾り作成」を行いました。

福笑いでは、まずは顔のパーツ(目・耳・鼻・眉毛・口)や方向を表す言葉)上・下・右・左)などを教えて、そのあとはジェスチャーゲームをして日本語の練習をしました。すぐに言葉を覚えて日本語を使っていました。紙相撲も非常に盛り上がりました7月7日の七夕にはまだ早い時期でしたが、折り紙を使って七夕の飾りを作成し、短冊には願いごとを英語と日本語(カタカナで自分の名前)で書いて飾りました。

アメリカの学生の皆さんは、日本文化を体験でき非常に喜んでもらえました。本学の学生にとっても英語で日本文化を体験できる貴重な機会となりました。

(門脇 薫 教授)

 

米国Berry Collegeから教職課程生が来校!



UPDATE 2024-06-27

2024年5月、米国ジョージア州のBerry Collegeから、Chang Pu教授と11名の学生が来校し、学生や教員と交流しました。5月6日に到着した翌日、さっそく摂南大学グローバル教育センター主催の交流プログラムに参加し、日本文化体験をしました。その後、アメリカの教職課程で学ぶ11名が常翔啓光高校と常翔学園高校にて3日ずつ、教育実習に挑み、週末には京都と奈良へ摂南大生と共に訪れてさらに日本の文化面にも触れました。(記事の最後に関連記事URLを掲載しています)この記事では、国際学部の学生とだけ過ごした16日についてお伝えします。

5月16日、Berry Collegeのみなさんは国際学部Curtis Chu先生ゼミの学生たちと学食を楽しんでから、国際学部の英語の教職課程生を交え、2つの高校での実習をふりかえるセッションを持ちました。Berry大学の学生にとっては、ペアでティームティーチングをすることも、また予備調査をしないで会う生徒たちに合わせて授業案を調整していく経験も、初めてでした。最初は思うようにいかなかったものの、教室移動の最中にもアイディアを出し合って全力で進め、最終日には自分やパートナーの成長がよくわかった、と口々に述べていました。

「来日前に、日本の子どもたちはあまり話さない、と聞いていたけれど、そんなことはなかった。ちゃんと向き合ったら、いろんなことを話してくれたし、英語でお話したいと授業以外のときにも近くに来てくれた。」

「生徒がとってもかわいかった。」

「雰囲気の異なる2校に行けてよかった。」

と感想を交わしていました。


16日午後には国際学部の授業にも参加してくれました。写真は、国際学部の鳥居祐介先生担当の「日米比較文化論」での様子です。この日のテーマは「人種と政治」。伝統的な物語のヒロインをエンターテイメントの新作映画でどう配役するかなどについて、複数の人種や移民の視点などから多様な見解を交わしました。Berry Collegeの学生・教員も摂南大学の履修生も、自分自身、また身近な人たちの人種や移民の家族がいて、それぞれからの実感のわくコメントに、互いに真剣に耳を傾けていました。

米国Berry College:  Berry College – Best Private Colleges in Georgia
摂南大学グローバル教育センター 記事: https://www.setsunan.ac.jp/kokusai/news/detail.html?id=6628
常翔学園高校:ベリー大学教育実習生来校 – 常翔学園中学校・高等学校 (josho.ac.jp)
(文・写真 国際学部教授 齋藤 安以子)

韓国MBC(文化放送)の看板ラジオ番組「今はラジオ時代」に生出演しました[森ゼミナール]



UPDATE 2024-06-12

2024年2月15日(木)に、私たち摂南大学外国語学部(国際学部)森ゼミナールは、韓国の公共放送であるMBC(Munhwa Broadcasting Corporatio、文化放送)を訪問しました。そして、MBCの看板ラジオ番組である「今はラジオ時代(지금은 라디오시대)」に生出演しました。「今はラジオ時代」は1995年から約29年間続いている長寿番組であり、MBCを代表する番組の一つです(前身となる番組は1990年に始まっています)。番組にはゼミのメンバー全員で出演しましたが、ゲストとして主に話したのは本稿筆者(夫馬涼葉)とゼミ指導教授の森先生でした。

ラジオ番組に出演することは筆者にとっては初めての経験であり、とても緊張しました。特に、韓国語でDJの質問に受け答えするということに大きな不安を感じていました。母国語でない言語で話すので上手くコミュニケーションをとることが出来るのかと心配になり、それがラジオの生放送という状況と相まって、緊張感は非常に高まりました。

しかし、その緊張を和らげてくれたのは、スタッフの皆さんやDJである丁善姫(チョン・ソニ)さん・ムン・チョンシクさんの温かいサポートでした。私たち学生を温かく出迎えてくださり、自然な会話の流れを作って下さいました。スタジオのリラックスした雰囲気が緊張を和らぐ手助けになりました。ちなみに、丁善姫(チョン・ソニ)さん・ムンチョンシクさんは韓国で非常に有名なコメディアンです。

リハーサルでは予想以上に緊張しました。しかし、本番が始まると、不思議なことに次第に落ち着きました。番組の台本に従って番組はテンポよく進み、生放送が終わりました。

筆者が出演した部分を書き起こして日本語訳してみました。次になります。

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丁善姫DJ― 今日、MBCを訪問してくださった方たちがいらっしゃいますよね。

ムンチョンシクDJ― はい、遠くからいらっしゃいました。日本の摂南大学国際学

部から8人いらっしゃいました。アンニョンハセヨ~!

森ゼミナール全員― アンニョンハセヨ!

丁善姫DJ― 韓国語をハキハキととても上手に話しますね!さあ、代表で今日私たちDJとインタビューしてくださる方・通訳してくださる方に挨拶をお願いしたいと思います。

夫馬― 日本から来ました。夫馬涼葉と申します。よろしくお願いいたします。

ムンチョンシクDJ― 涼葉さんですね。お会いできて嬉しいです。では、通訳してくださる方は?

森― 摂南大学国際学部准教授の森と申します。

丁善姫DJ― 森先生と涼葉さん。なぜこんなに韓国語がお上手なんですか?

ムンチョンシクDJ― 森先生は韓国に留学経験があるからそうだとしても、 涼葉さんは韓国語を勉強したんですか?

夫馬― はい、少し勉強しました。

丁善姫DJ― どうやって勉強したんですか?ドラマ?

夫馬― はい、ドラマや映画を見て勉強しました。

丁善姫DJ― 面白かったドラマは何ですか?

夫馬― 『ペントハウス』です。

ムンチョンシクDJ― 怖くて強烈なのが好きなんですね!

丁善姫DJ― 森先生が通訳をなさらなくてもよいくらい涼葉さんは韓国語がお上手ですね。

ムンチョンシクDJ― 摂南大学について初めて聞いたのですが、日本のどこにあるのですか。

森― 大阪市の郊外、寝屋川市というところ位置しています。

丁善姫DJ― 大阪の人たちは、私たち韓国人とお酒を飲むパターンが似ていますよ。気分よくどんどん杯を重ねる感じですね。ところで、森先生は韓国で好きな芸能人や俳優がいらっしゃいますか。

森― パク・ソジュンさんはいいですよね。

ムンチョンシクDJ― かっこいいですよね。

丁善姫DJ― 森先生は頭がいいですね(笑)先ほどリハーサルの時にはイ・ジョンジェさんの名前が上がったので私が「じゃあ、本番ではイ・ジョンジェさんのモノマネをしてもらいますね」と言ったんですね。そうしたら、パク・ソジュンさんに替えました…(爆笑)

ムンチョンシクDJ― 視聴者の方はわからないかもしれませんが、森先生は私の友達のホン・ギョンミンさんと似ている感じがします。

丁善姫DJ― 先ほど「竹野内豊に似ている」と私が言ったら、ゼミの学生たちが「とんでもないです」とびっくりしていました(笑)イメージが似ていますよ、かっこいいです。

ムンチョンシクDJ― 涼葉さんに聞きたいのですが、韓国に来たら必ず食べたいと思った料理は何ですか?

夫馬― タッカンマリ、サンギョプサル…

ムンチョンシクDJ・丁善姫DJ―(爆笑)

丁善姫DJ― 辛い物は大丈夫ですか?トッポギとか。

夫馬― はい!

丁善姫DJ― 最近は韓国料理が好まれているから…。

ムンチョンシクDJ― 森先生、学生たちにサンギョプサルをご馳走してあげてくださいよ。

森― はい、何度かご馳走しましたよ~

ムンチョンシクDJ― すでにご馳走なさったんですね(笑)

丁善姫DJ― 視聴者から「森先生の声がかっこいいです」という反応がありますね。もうファンができたようです(笑)今日は、スタジオ見学に来た学生が一緒にいるので「見学クイズ」をしましょうか。

ムンチョンシクDJ― では、涼葉さんからクイズを出してもらいましょうか。「見学クイズ」!

夫馬― 「私が好きな韓国の歌手は誰でしょうか?」

丁善姫DJ― 涼葉さんはムンチョンシクより韓国語が上手なんじゃないですか?(笑)気クイズ「涼葉さんが好きな韓国の歌手は誰でしょうか?」のヒントです。『Butter』。この歌を聴きながらゲストをお送りします。

ムンチョンシクDJ―良い時間をお過ごしください~アンニョン!

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短い時間でしたが、「今はラジオ時代」に出演できてたくさんのことを学びました。ラジオ番組の舞台裏での作業や準備、そして生放送中の振る舞いなど、普段なかなか見学できない場所で貴重な経験をさせていただきました。また、外国(韓国)の放送局での出演ということで、異文化コミュニケーションの魅力にも触れることができました。

MBCの看板ラジオ番組に出演した経験は、筆者にとって一生忘れられないであろう非常に意義深いものになりました。初めての挑戦でありながら、その経験を通じて成長し、多くのことを学ぶことができました。スタッフやパーソナリティの皆さん、さらに、このような機会を作っていただいた方々全員に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

※「今はラジオ時代(지금은 라디오시대)」の過去収録分は次のページ内で聞くことができます。

https://www.imbc.com/broad/radio/fm/nowradio/podcast/index.html

私たち森ゼミナールの出演は「2/15(목) 1,2부 웃음이 묻어나는 편지(“너는 학생이고…. 나는………..”) / 세상 사는 이야기(“오늘의 운세”)」となります。

(摂南大学外国語学部/国際学部 森ゼミナール 夫馬涼葉)

【留学生通信】バルセロナ、マドリード旅行記



UPDATE 2024-06-13

<私、吉田百花(国際学部3年生)は現在スペインのサラゴサという都市にあるサラゴサ大学(スペイン語:Universidad de Zaragoza 英語:The University of Zaragoza)に留学しています。本「留学生通信」ではスペインの文化について私なりの視点で報告してみようと思います。>

 今回は、バルセロナとマドリードを訪れた際の旅行記になります。まず、バルセロナ滞在中に訪れた場所は、ガウディの代表的な作品で2026年に完成予定のサクラダファミリア(Basílica de la Sagrada Família)、サンタ・エウラリア大聖堂(La Catedral de la Santa Creu i Santa Eulália)、カタルーニャの聖地と呼ばれるモンセラート(Montserrat)です。

 この中でもモンセラートがとても素晴らしかったため、少し紹介したいと思います。モンセラートとは「のこぎり山」という意味で、バルセロナのスペイン広場から電車で約1時間半の場所に位置しており、バルセロナから日帰りで訪れることができます。途中の電車から岩山が現れ、自然の持つ力の迫力を感じられます。また、モンセラートは古くからカタルーニャ地方におけるキリスト教の聖地とされており、黒いマリア像ラ・モレネータ(La Moreneta)を祀る教会堂を多くの巡礼者が訪れています。他にも、ミサの最初にヨーロッパ最古の少年合唱隊の一つとして有名なエスコラニア(Escolania)のきれいな歌声を聞くことができます。実際にミサに参加してみたのですが、教会堂に響く透明感のある歌声に深い感動を覚えました。この通信を読んでくださっている皆さんもスペインに行く機会があれば是非訪れてみてください。

 マドリードで訪れた場所は、プラド美術館(Museo Nacional del Prado)、王宮(Palacio Real)、マヨール広場(Plaza Mayor)です。日本の東京にある迎賓館赤坂離宮の雰囲気が大好きな私は、王宮へ着いてすぐ高揚感に包まれました。特に、部屋の天井に描かれている絵やシャンデリアといった建物の中の展示品を観覧する際は、すべてが規格外で終始圧倒されました。また、王宮内にも礼拝堂があったことから昔から現在までのスペイン人のキリスト教に対する信仰心の深さを考えさせられました。

 最後に、スペインで人気の観光地に行ってみて感じた文化の違いを述べたい思います。

まず、一つ目はトイレの違いです。バスターミナルのトイレを使用した際、便座がなかったことや、個室の外に置かれているトイレットペーパーを自分で確保して個室に入らないといけなかったこと、トイレにそのままトイレットペーパーを流せないこと、トイレの汚さに驚かされました。これらに関して外国ではよくあることだと聞いていましたが、スペインに来て実際に体験することになるとは思っていませんでした。

二つ目は、お土産をあまり売っていないことです。日本だとご当地のお菓子がたくさんありますが、スペインにはなく、お土産を買うことができるお店も限られていて種類も多くはありません。日本のお土産の種類がいかに多いのかを痛感しました。

三つ目は、宿泊施設です。これは「海外あるある」なのかもしれませんが、施設名に「ホテル」と書いてあるのに実際は「ホステル」だというものです。ホステルとは低価格の宿泊施設です。「ユースホステル」をイメージしてもらえればよいかもしれません。少しでも費用を抑えたい一心でホテルを予約すると、最悪の場合は他の宿泊者の方と同室になる場合があります。ホステルでは、基本的に宿泊者の名前の綴りで判断して異性と同室にならないように考えられているみたいですが、日本人の場合は名前の綴りでは判断できない方もいるため注意が必要です。また、基本的にヨーロッパのホテルはアメニティがないため、タオル含めシャンプーなど持参しておくと便利です。他にも、シャワーの際に使えるビーチサンダルは旅行に必須です。

写真は上からモンセラート、サクラダファミリア、下に王宮です。間近で見るとどれも異世界に入ったかのような感覚に陥りました。

(国際学部3年生 吉田百花)

【留学生通信】スペインと日本の文化比較 Vol.1 | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)

在日コリアンが多く住むまちを訪ねて~東九条フィールドワークとウトロ平和祈念館訪問[森ゼミナール]



UPDATE 2024-06-11

私たち国際学部森ゼミナールは、韓国(朝鮮半島)・在日コリアンについて勉強するゼミです。この度5月12日(日)に私たち森ゼミナールの学生と、鳥取大学准教授の呉永鎬(オ・ヨンホ)先生が引率する学生と合同で京都市南区東九条フィールドワークと京都府宇治市ウトロのウトロ平和祈念館を訪問しました。

【40番地について】

初めに、在日本朝鮮人権協会京都協議体のコーディネートで、東九条40番地という昔から在日コリアンが多く住んでいる場所を訪ね、東松ノ木団地1階の集会場で、在日コリアン2世の方からお話を伺いました。お話しによると、日本による朝鮮半島植民地支配の影響で渡日したけれど、様々な事情で仕事が無くなった朝鮮人がこの地域に集まってきたそうです。この地区には日本人が住んでいる時期もありましたが、日本が高度経済成長期に入ると、お金を稼げるようになった日本人の多くは違う地域に引っ越したため、在日コリアンの方が多くこの地域に住むようになったそうです。40番地の近くには川がありましたが、堤防も低く雨が降るとすぐに洪水が起こり、一度火事が起こると延焼するなど、住環境は大変だったということです。ただ、実際に日本で在日韓国人への差別がひどかったため、他の地域に住むよりも、在日コリアンが集まって暮らすこの地域に住むほうが気楽で落ち着くということで、在日コリアンはこの地域に住み続けたそうです。戦前から今に至るまでの在日コリアンの生活環境・人間関係など様々なお話を聞くことができました。NPO法人東九条まちづくりサポートセンターの村木美都子事務局長も東九条の歴史と現状を詳細に説明してくださいました。

【東九条フィールドワーク】

その後、NPO法人東九条まちづくりサポートセンターの丁春燁(チョン・チュナ)さんに案内していただき、東九条の町を実際に歩きながら説明を聞き、より理解を深めました。在日コリアン一世・二世の方の孤立を防ぐためにつくられたNPO法人京都コリアン生活センター「エルファ」という介護施設を訪問しました。在日コリアンが年齢を重ねてもこの地域に住み続けられるようにと考える地域住民の温かさを感じました。

そして、毎年秋頃に行われる地域のお祭りである「東九条マダン」の中心となる「文庫・マダンセンター」も訪問しました。地域住民同士で助け合ったり、町を盛り上げるために協力しているのを感じて、とても素敵な地域だと感じました。

【ウトロ平和祈念館訪問】

その後、ウトロ地区に移り、ウトロ平和祈念館を訪問しました。閉館時間を過ぎていたにも関わらず、副館長である金秀煥(キム・スファン)さんが展示物について直接、一つ一つ丁寧にお話してくださりました。ウトロ平和祈念館は民間の人が協力して建てた祈念館だそうです。やはりここでも、植民地時代に朝鮮人は当時炭鉱やダムなどの危険な場所で働かされたり、日本人からひどい差別を受けていたことを聞き、差別をしていた側である同じ日本人として、私は悲しくなりました。しかし、困難に直面しながらも戦ってきた人々と、ウトロに寄り添ってきた日本市民、様々な人の協力でウトロの歴史が守られてきたのもまた事実です。そのため、この祈念館では、差別があった事実を悲しく・重く受け止めることだけで終わるのではなく、協力してきた人がいることも知り、これから先の日本と朝鮮半島をよりよくしていける未来を考えるきっかけになると思いました。

東九条フィールドワークやウトロ平和祈念館訪問に参加したゼミ生の感想は次のようでした。

「何年経ってもあらゆる形でコミュニティを大事にしていらっしゃるたくさんの方々の思いや気持ちを一度に浴び、心の温まる瞬間がとても多かったです」

「何人だとか、障がいがあるだとかそんな立場の違いを飛び越えたマダンを今年見に行きたいと思いました」

「辛いことが多くても在日コリアンの方々がみんなで家族のように助け合っていたり、その人柄や関係性が印象的でとても素敵だと感じました」

「行政からの支援がなかったのにも関わらず、この東九条に残り、協力し合いながら生活をしていたことが今の韓国のデモ活動や団結力に引き継がれているのかなと考えました」

東九条もウトロ地区も大変なことを乗り越えてきたからなのか、現在の日本ではなかなか感じられないような地域住民同士の温かさやコミュニティの繋がりの深さを感じました。日本が在日コリアンの方々へ差別をしてきた事実は無くなりませんが、この地域を訪れて、一度皆さんにも直接感じて、理解して、考えていただければ嬉しいです。この地域を訪れたことによって、他の地域で起こっている差別問題にも関心が湧き、視野が広がりました。世界中にある差別問題が解決に向かってよりよい方向に進むことを願っています。

村木さん・丁春燁さん・金秀煥さん・呉永鎬先生・鳥取大学学生の皆さん、ありがとうございました。また、今回のフィールドワークと訪問を助けてくださった関係者の方々へ重ねてお礼申し上げます。ありがとうございました!

(国際学部森ゼミナール 松田涼奈)

「韓国、どこまで知っている?K-クイズチャレンジ!」に参加しました[森ゼミナール]



UPDATE 2024-06-10

2024年5月25日(土)に、国際学部森ゼミナール3年生(4期生)は駐大阪韓国文化院主催・大和大学共催の「韓国、どこまで知っている?K-クイズチャレンジ!」に参加しました。K-クイズチャレンジは大和大学の大和アリーナで行われ、約100名の参加者が集まりました。問題形式は2択から4択で答えを選ぶものであり、韓国の文化や一般常識など幅広く知識を問う問題が出題され、サバイバル形式で最後の1人になるまで続けられました。ゼミではK-クイズチャレンジに向けて韓国文化のクイズを事前に解いたりして対策をしましたが、想定していたより難易度が高い問題が多く出題され、残念ながら途中で敗退してしまいました。しかし、新しく学べたことも多くとても楽しく有意義な時間を過ごしました。結果として入賞はできませんでしたが、韓国文化について幅広く知る機会になりました。

今回の大会に参加したゼミ生の感想は次のようなものがありました。

「クイズ大会の内容は、私自身が想像していたよりも難易度が高く、序盤で脱落してしまった。しかし、もっと韓国について知りたいと思うきっかけになった」

「K-クイズチャレンジは1問目から思っていたよりとても難しくて、全部通しても分からない問題の方が多かったです。これからもっと韓国について沢山勉強して、来年も参加して次は1位を取りたいです」

「今回のクイズ大会を通して、楽しみながらも、韓国について今まで知らなかったことを知ることが出来てとてもいい経験になりました。より韓国について興味が湧いた一日でした」

「私が予想していた問題よりレベルが高く、まだまだ韓国について知らないことが多くあることを学びました!また機会があればもっと勉強して挑みたいと思いました。」

K-クイズチャレンジ後、参加者は主催者が用意してくださった韓国料理風のランチをいただきました。

午後からは、同会場で行われた「2024 K-POP CHALLENGE OSAKA」に参加しました。このイベントでは、ステージイベントとしてK-POPアイドルのカバーダンス、 K-SONGノレバン(のど自慢)、ゲスト公演などが行われていました。他にも広報ブース、体験ブースがありました。広報ブースでは韓国の航空会社などが出展しておりSNSをフォローすると抽選で賞品をもらうことができました。体験ブースではK-Beauty体験(韓国アイドル風メイク)やポッチュモニ(福袋)、サシェ作りのような韓国文化体験など他にもたくさんのイベントがありました。私たちも、韓国コスメやお菓子などを頂いたり、K-POP カバーダンスを見たりと韓国のポップカルチャーとKスタイルに触れて楽しい時間を過ごしました。

 

今回参加したイベントでは、体験型のイベントが多く参加者が韓国のことをより知りたくなる、より好きになるイベントがたくさんありました。私たち森ゼミナール4期生は、韓国の公共外交(Public Diplomacy)をテーマに共同研究をしていますが、今回の「韓国、どこまで知っている?K-クイズチャレンジ!」への出場と「2024 K-POP CHALLENGE OSAKA」への参加は、この公共外交を実際に体験できた良い機会になりました。この体験を今後の研究に生かし、韓国についてより深く知っていきたいと思います。

(摂南大学国際学部 森ゼミナール 南邑佳)

観客も演じる Dr Jekyll and Mr Hyde公演 



UPDATE 2024-03-30

2023年10月16日、英仏独で活躍する俳優・演出家のAlessandro Visentin氏による Dr Jekyll and Mr Hyde『ジキル博士とハイド氏』の公演を、摂南大学寝屋川キャンパス図書館 Learning Commonsを借り切って開催しました。何度も映画化された有名な作品で、ジキルとハイドの名は人の二面性の代名詞のように使われています。実は19世紀に書かれた原作は、主人公が不思議な出来事に巻き込まれていきながら謎解きをする複雑な構成です。今回は、観客が事件を目撃しつつ巻き込まれていく、観客参加型のお芝居になりました。

70名あまりの学生が集まり、予想していない瞬間に多数の学生が芝居の中に身を置く体験をしました。アレッサンドロ先生は一人で何役も演じながら、客席から相手役を次々に選んでいきます。学生は衣装や小道具をその場で渡され、英語で次々にセリフや動きを演出され、場面が展開します。たとえ発音がよくても演技のタイミングがいまひとつだったり、話すセリフの内容と話し方や動きが合っていなかったりすると容赦なく”Try again.” 言語は文法的な正しさだけでは伝わらない、音声と身体表現が適切に伴ったときにもっとも有効に聞き手に(芝居では観客にも)伝わる、ということを学ぶ時間になりました。 写真は素晴らしい仕上がりになった場面の抜粋です。

この日は国際学部の2年・3年・4年の学生が参加し、最後のカーテンコールには客席がガラガラになるほどたくさんの「出演者」が出ました。メッセージが1回でうまく伝わらなくても、伝え方を工夫したり、アクシデントを楽しんでしまう余裕を持つことも、この日の公演から学んだといえます。また次回の公演が楽しみです。

This project was supported by Japan Society for the Promotion of Science Kakenhi Grant Number [20K02798: Creation and practice of English drama workshops to promote multiculturalism].

(国際学部 齋藤安以子)
Drama Workshop:俳優に学ぶ身体表現 | 摂南大学 国際学部|オリジナルサイト (setsunan.ac.jp)

Drama Workshop:俳優に学ぶ身体表現



UPDATE 2024-07-09

2023年10月、国際学部1年生の科目「Drama」にて、プロの俳優・演出家によるドラマワークショップを開催しました。講師はAlessandro Visentin先生(写真1 左から2人め)とGabriel Felipe Ramirez Botero先生(写真2 左から2人め)のお2人です。

寝屋川キャンパス10号館7階には、小スタジオという、三方に階段状の客席があり、中央に板張りのステージがある特別な教室があります。写真1の上部にあるとおり、スポットライトと幕も完備しています。演劇やプレゼンの授業、音楽演奏のサークル活動でもよく使われるこの教室で、感情表現を身体で行うための90分を過ごしました。

すべて英語で進んだワークショップでしたが、今日のテーマはセリフ回しではなく「身体表現」。外国語を学ぶ学生が外国語でのコミュニケーションではついつい言語にのみ頼りがちなところを、セリフがなくてもこれほど豊かにメッセージを送り合えるということを実感しました。無言でも、人は協力できたり、拒絶したり、受け入れたり、できます。相手の身体表現から、驚くほど「わかる」のです。

この日の参加者には、選択科目「Drama」が摂南大学で開講された初期の履修生でもあった松吉先生(卒業して、今は大学と高校で教員として活躍中)も加わってくれました。コミュニケーションに興味を持っている学生が、代々履修して表現のバリエーションを広げるdramaの授業は、2024年度も後期に開講します。俳優によるdrama workshopは、今年は教職課程クラスで実施予定です。

This project was supported by Japan Society for the Promotion of Science Kakenhi Grant Number [20K02798: Creation and practice of English drama workshops to promote multiculturalism].

(国際学部 齋藤安以子)

「インドネシアのいま」を現地から講義していただきました



UPDATE 2024-05-20

 インドネシアのスラバヤ市にあるストモ博士大学(Universitas Dr.Soetomo; UNITOMO)と本学は連携協定を結んでいます。

 2024年5月16日、2年次対象の授業「インドネシア語と現代文化」において、ストモ博士大学文学部のシシリア・タントリ・スルヤワティ(Cicilia Tantri Suryawati)学部長に「インドネシアのいま」と題した講義をしていただきました。講義はインドネシア語で行われ、授業担当教員の浦野が通訳し、補足説明しながら進めました。学生たちからは、「普段の授業で扱われている、インドネシア語がよりさらに流暢で聞き取りにくく、これが本場レベルなんだと感じた」「この授業で、インドネシアのネイティブの人の喋り方を聞いたことで、インドネシア語がどのような速さでしゃべられているものなのかが分かった。想像していたよりもとても早口で聞き取れない部分も多かった」「インドネシア語を聞き取るには難しかったが日常会話ができるくらいにはなりたいと思いました」といったように、インドネシア語のレベルに驚きを感じていたようですが、今後のインドネシア語学修に大きな刺激となったようです。


 講義では、インドネシアの日常生活を中心に、街中の交通事情、伝統的な市場の様子、近代的なモールの風景、伝統的な食べ物、土曜の夜の楽しみ方、スラバヤの観光地などの紹介、さらにはストモ博士大学で日本語を学ぶ学生たちの様子に至るまで幅広いトピックを、先生が街中で歩きながら撮影したビデオや写真を使いながら丁寧に説明してくださいました。


 まさに「生のインドネシア」を知ることができ、学生たちは満足しているようでした。学生たちから寄せられた感想(主なものを抜粋)は以下にご紹介します。

・インドネシアの状況を動画で撮ってきたものを見せてくれたおかげで、インドネシアがどのような国なのかがより詳しくわかった。

・楽しかったです!インドネシアの街で売られている服がカラフルで派手なものが多いと感じ、派手好きな人が多い国なのかなと思いました。

・インドネシアの文化は自分が考えていた物と違っていた。このことは、インドネシアの文化を学ぶにあたって様々な物に関心を持つことができた。これらのことは、私が今後の人生において、他言語だけではなく、色々な文化に関心を持つだろうと感じました。

・インドネシアの今を知って、文化の違いに対する理解を改めてより良いものにしていかなければならないことを得た。今、大学の授業で異文化に対する考え方・向き合い方を学んでいるが、実在する文化にどう理解・考えるか、今後の生活において改めて気にするべき課題であることだと思う。

・今日の授業を通じて、昔ながらのインドネシアのことや今風のインドネシアのことについてかなり知ることができました。今まで写真では見たことがありましたが、映像では見たことがなかったのでより雰囲気を知ることができました。所々インドネシアの食文化についても紹介されていたので、実際に食べてみたいなと思いました。また映像には現地の人同士で喋っているシーンもあったので、現地の人の雰囲気をより知ることができました。写真や映像で見るインドネシアのイメージと現地に実際に行ってみるインドネシアのイメージはかなり違うと思うので、より実際にインドネシアに行ってみたいなと思いました。

・スラバヤの現地の人の声や先生のお話が聞けてすごく生の声って何よりもいいと思うので貴重な体験になって良かったです。

・インドネシアにもショッピングモールとか日本食のレストランとがあって発展している場所は日本と遜色ないと思った。一方で市場や公道は東南アジア感が全開でなんとなく安心しました。

・自国の習慣が当たり前なわけではないことが改めて分った。この先、さまざまな場面で外国の方と出会っても差別や偏見なしに一人の人間として対応したい。

・映像でインドネシアのことを見ることができたので、とても面白かったです。またインドネシアの大学の先生に質問をする機会があまりないのでとてもいい機会になりました。こういった機会があれば、次回はインドネシアの学生とも話してみたり、インドネシアの大学の授業の雰囲気や日本語を教えている授業の雰囲気を映像で見てみたいなと思いました。

 インドネシアとの時差は2時間です。そのため、リアルタイムでインドネシアの方々にオンライン参加してもらうことが比較的容易です。インドネシアへ直接行かずとも「インドネシアを感じる」ことは十分に可能だと思います。今後もこのような機会を設け、学生たちの言語運用能力の向上に役立て、知見を広げ、多様な価値観に接する機会とできればと思っています。

(国際学部教授:浦野崇央)