各言語コンテスト表彰式を開催しました



UPDATE 2023-01-20

2023年1月17日(火)、2022年度の「外国語学部各言語コンテスト表彰式・受賞者発表会」が行われました。

2022年度は学部改組により、2年次~3年次の学生を対象に、言語コンテストを行うことになりました。昨年11月から12月にかけて、インドネシア・マレー語ではプレゼンテーションコンテストとスピーチコンテスト、スペイン語では2年次・3年次のスピーチコンテストと中級ボキャブラリーコンテスト、英語ではスピーチコンテスト、中国語では2年次のボキャブラリーコンテストと3年次のプレゼンテーションコンテスト、韓国語ではスピーチコンテストを合わせて9部門でそれぞれ実施しました。担当教員たちの指導により、コンテストに参加した学生は延べ105名に達しました。

当日の表彰式では、西川学部長から学生たちへ激励の言葉が送られ、以上の各コンテストで優秀な成績を収めた学生(24名)に入賞された学生たちに賞状と副賞を授与しました。その後、恒例の受賞代表者によるスピーチやプレゼンの発表が下記の通り行われました。    

1 徳見 賢太郎(とくみ けんたろう)さん

   (3年生、インドネシア語・マレー語プレゼンテーションコンテスト1位)

   タイトル:Juru Daihiteu (代筆屋)

2 石田 初音(いしだ はつね)さん

   (2年生、スペイン語スピーチコンテスト1位)

   タイトル:La cafetería (カフェ)

3 前山 航奈美(まえやま こなみ)さん

   (3年生、中国語プレゼンテーションコンテスト1位)
   タイトル: 自我肯定 (自己肯定)

 どの発表者も留学してきたかのように、外国語を流暢に話すことができ、みなさんから好評を得ました。

(文:兪 鳴蒙 教授、写真:金子 正徳 准教授)

 

世界を知るウェビナー<サウジアラビア>を開催しました



UPDATE 2023-01-07

国際学部では、2022年11月29日(火曜日)1限に2022年度 「世界を知るウェビナー」<サウジアラビア>を開催しました。「世界を知るウェビナー」は、2021年度に国際学部の前身の外国語学部が、「コロナ禍でも現地のお話を通じて海外への関心を継続して持ってもらいたい」という趣旨で始めました。2021年度は主にアジア地域で支援活動を展開されてきた特定非営利活動法人パルシック(PARCIC)にご協力をいただき、4回開催しました。本年度は、現在サッカーW杯で関心の集まっている中東のサウジアラビアに焦点を当て、伊藤忠商事株式会社リヤド事務所長の小倉健氏にご講演をいただきました。参加者は、基礎演習IIを受講している国際学部1年生210名と教員20名でした。

<事前アンケート>

そもそも、大学1年生はサウジアラビアに関心があるのか、何をどこまで知っているのかを知るため、事前アンケートを実施しました。209名の回答のうち、「中東に関心がありますか」という問いに「関心がある」と答えたのは15名(7%)のみで、他は「少しある」67名(32%)、「あまりない」95名(45%)、「全くない」32名(15%)と、関心はあまり高くありませんでした。

また、「サウジアラビアにはどんな印象がありますか。何を思い浮かべますか」という質問には、多くの学生が「石油」「砂漠「イスラム教」「聖地」「王国」「お金持ち」などと答え、かなり画一的なイメージを持っていることがわかりました。「サウジアラビアについて知りたいこと」としては、「文化」「有名な食べ物」「石油王」「女性」「石油以外」「観光名所」「関係」「治安」「貧富」などが挙がりました。講演者にはこの事前アンケートの結果をお渡しし、可能ならば講演内容に上記の情報を含んでいただけるようにお願いしました。

サウジアラビアと聞いてイメージするのは、砂漠、石油、イスラム教、民族衣装?

There’s much more! サウジアラビアの最新事情を学びましょう!

ご講演は、「サウジってどんな国?」「石油の国サウジアラビアが脱石油依存で今変化しようとしている!」「トレンド情報 From Saudi Arabia」の3部構成で、サウジアラビアに関する気候・国土・人口構成・通貨などの基本情報から始まり、宗教や文化にも触れた後、今サウジアラビアで進められている脱石油依存の試みや都市開発の話に移りました。最後には、サウジアラビアの最新トレンドやSNSのインフルエンサーの紹介もありました。ご講演には明るくポップなスライドやYoutube・TikTokなどの動画が取り入れられていたため1年生にも親しみやすく、と同時に経済や政治の硬い内容もわかりやすく盛り込まれていて、学生たちは最後まで興味を持って聞き入っていました。

<事後アンケート>

ご講演の後、事後アンケートを実施しました。210名の回答からは、サウジアラビアに対して抱いていたステレオタイプが覆された様子が伺え、多くの驚きが報告されました。以下、学生のコメントをいくつか抜粋します。

・サウジアラビアには石油王がいるとこのまま一生信じて生きていくところでした、真実を教えていただきありがとうございます。また、サウジアラビアには石油だけではないという事も知ることができました。

・初めに提示されたように、サウジアラビアと聞いて思うイメージと自分の思ってるイメージが全く同じで、日本と言えば寿司、寺などとイメージされるのと同じだと聞いてイメージや先入観ではなく知ることでイメージは変わるんだと思った。今はだいぶ無くなったと話してくださってましたが、男女で違うことがたくさんあり、ここまで差が大っきい国は今どき少ないだろうなと思った。

・サウジアラビアとNEOMの未来都市のプロジェクトにとても興味が湧きました。自分でも調べてみようと思いました。また、サウジアラビアは若者を中心に変わろうとしていると知り、自分にも出来ることを探そうと思いました。

・サウジアラビアが発展している中で、SDGsを意識した開発を行っていたり、エンタメの分野でも、アニメイベントやeスポーツなどの多くの取り組みをしていることなど、知らなかったことがたくさんあってとても学びになりました。

・中東は世界的にも砂漠や紛争・戦争が多く発展途上国が多い地域だと思っていた。しかし、今日話を聞いてサウジアラビアは観光都市を目指して数十年ぶりに映画館を始めたり、アニメなど新しいものを取り入れていて発展して行こうという意志が感じられた。また、女性の社会進出にも力を入れていて、SNSを使って世界に情報を発信している事が最新ですごくよく感じた。

・自分たちのイメージしていたサウジアラビアと合致している部分もあればそうでない部分もあって新しいことを知れた。最近ワールドカップでサウジアラビアが優勝候補のアルゼンチンに買って祝日になったり選手全員にロールスロイスを配る噂が出たりタイムリーな事だったのでよかった。また宗教が根強くあった国のイメージだったがサルマン皇太子がそれを払拭するような動きを見せていて若者世代の支持を得ようとしているように見えた。

・初めの方の説明で砂嵐で空がカフェラテみたいな色になるってことを聞いて驚きました。僕は今日の講義を聞いてサウジアラビアの人と交流したいなぁって思わされました。特にものをあげたがる性格、親切な人が多いっていうの聞くと日本人に似てるんかなぁと思います。日本にもあるシェイクシャックなどもあるときいて、サウジアラビアに行ってショッピングしながらシェイクシャックで昼ごはん食べたいです笑 今日の講義はとても面白かったです。

<おわりに>

講演者の小倉さんには、学生の言葉を借りて御礼を述べさせていただきます。

・朝3時からこのために準備して下さってありがとうございました。自分が想像してたサウジアラビアのイメージとは全然違っていて、知らなかったことを知ることができて良い経験でした。

・実際に駐在しておられる方から直接現地の様子を聞ける本当に良い機会でした。有難うございました。

ご参加いただいた皆様も有難うございました。これからもサウジアラビアの国作りに注目をしていきましょう。

府立とりかい高等支援学校の松本貴裕先生の講演会を開催しました。



UPDATE 2022-12-12

2022年12月2日(金)13:20−14:50、10号館7階のCALL(1)教室にて、とりかい高等支援学校の松本貴裕先生をお迎えして、ハイブリッド講演会を開催しました。学内からは外国学部生、国際学部と農学部の教員、研究支援・社会連携センター職員の吉田雄一朗さんが参加し、学外からは、とりかい高校の中川順子先生、NPO法人たかつき市民カレッジの北村正信理事がおいでくださいました。

松本先生には、教育現場のさまざまな問題点や、農業を通した支援学校での教育実践などをお話いただき、盛りだくさんの90分でした。教職課程の学生を想定してご準備くださった職員室設定のロールプレイには、会場で世代別チームが参加して見解を交換する場もありました。

大阪府立とりかい高等支援学校では、なにわの伝統野菜「鳥飼ナス」などの質の高い生産に成功し、阪急百貨店での販売が始まりました。もともと園芸科の学校ではなかったので、今ある畑は、テニスコートだった場所をみんなで開墾したとのこと。畑の自動散水も手作りで進んできました。スライド画像の中に見える畑の金属パイプ、あれは工事現場などで目にする頑丈な素材ですが、生徒自身が工具を使って切って、地面に立てて造られました。生産から販売にいたる過程での費用と価格の関係を実感を持って学んだり、販売実習で実際の店舗に立って体験しながら改善方法を自ら考えて提案・実践していきます。また、何より、栽培を通して身につけるチームワークが、卒業後の就職に活きてくるそうです。

 

とりかい高校は、寝屋川キャンパスから淀川を挟んで向かい側にあります。写真にあるように、10号館7階のテラスから、とりかい新橋を渡ってすぐ左側に、とりかい高校の校舎を肉眼で見ることができます。現在、農学部の寺林敏教授、森美奈子講師とのコラボレーションが進みつつあります。また、農業のみならず、人文地理・観光・メディア・教育・経済・理工など、広い分野での連携の可能性を思い描く時間となりました。

 

(企画・報告:国際学部 小林研究室・齋藤研究室)

第6回国際文化セミナーを農学セミナーと共同開催しました。



UPDATE 2022-12-10

 2022年11月26日(土)13:00~14:30に、第6回国際文化セミナー/第36回農学セミナー「農と食を活用した地域住民主導型まちづくりの実践と課題―大麦の復活とマコモタケ普及への挑戦を軸として―」(主催:国際学部、共催:農学部先端アグリ研究所)をオンラインで実施しました。

当日は、西川眞由美国際学部長が開会の挨拶を行った後に発表に移りました。本学国際学部の小林基講師および農学部の沼本穂助教より、京田辺市における地域連携研究に関する報告があったほか、研究の提携先であるゲストの新免修氏(就労継続支援B型「さんさん山城」施設長)、岡本和雄氏(「京田辺農福観地域づくり協議会」会長)をお迎えし、それぞれのご活動の実践報告をしていただきました。

小林講師からは、農業を媒介としたコミュニティ形成としての本研究の位置づけや現在までの取り組み内容、現時点の課題等が報告されました。

新免氏からは、多岐に渡る施設の取り組み・活動内容が報告され、農福連携を学問分野の一つとして昇華させることを学民連携に期待しているとの提案がなされました。

岡本氏からは、協議会設立の経緯や取り組み実績、本学と協働で進めているクラフトビール製造の現状と課題について報告され、今後ますます連携を強めてゆくことが確認されました。

沼本助教からは、京田辺市内の耕作放棄地を借りて実施しているマコモタケの栽培実験の状況や流通上の課題、今後の方針などについて報告されました。

なお当日は、総勢およそ70名の参加者にお集まりいただき、活発な意見交換がなされました。コメンテーターの手代木功基講師(国際学部)は、本研究プロジェクトの販売面、コミュニティづくりの面の二つの課題を挙げ、この課題についての解決策を中心に、フロアからも多数のご意見が寄せられました。今後、販売網やビジネスモデルの強化のほか、ますます地域連携を深化させてゆく方向で議論が進み、大学と地域の双方にとって有意義な時間となりました。

セミナーの最後は椎名隆教授(農学部先端アグリ研究所委員会委員長)が閉会の挨拶を行いました。

 ご参加いただいたみなさま、ご発表やご準備をいただいたみなさまに、あらためて御礼を申し上げます。引き続きまして、国際文化セミナーをどうぞよろしくお願い申し上げます。

3年生対象の就職セミナーを開催しました



UPDATE 2022-11-25

2022年11月22日(火)4時限目(15:00~16:30)、1243教室にて、外国語学部3年生対象の就職セミナーを開催しました。


<プログラム(MC:浅野英一先生)>
①学部長挨拶
②航空業界の昨今と今後の見通し(塩崎裕司先生:ANA総合研究所)
③ホテル・観光業界の昨今と今後の見通し(檜山和司先生:ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド総支配人)
④企業が考えている「ガクチカ」について(福屋ホールディングス 人事担当者)
⑤就職部・安達さんの紹介 
⑥質疑応答

<セミナー概要>

2020年から猛威を振るい始めた新型コロナウイルスは、人々の生活様式を一変させ、あらゆる業界に深刻なダメージを与えました。航空業界や観光・宿泊業界も例外ではなく、外出の自粛や移動の制限により、利用客数は激減しました。新規採用者にも門を閉ざしていましたが、最近はコロナ禍が明けたあとの需要回復を見込み、航空業界や観光・宿泊業界は採用活動を本格化していくと考えられます。

(学内での業界研究セミナーを予告する塩﨑先生)

そんな中で、就職活動には

・魅力ある人とはどのような人か、を考え

・第一印象を好印象にする挨拶

・第一印象を好印象にする笑顔

・TPOに合わせた身だしなみ

・人間関係を良くする言葉使い、立ち居振る舞い

を身につけることが必要です。

(ホテル業界の現状を語る檜山先生)

外国語学部の卒業年度の学年からは、航空業界やホテル業界への内定情報が聞こえてきています。今3年生のみなさんも、ぜひ、授業および課外の個別指導の機会も利用して、万端の準備で就職活動に臨んでください。

協定校からの表敬訪問(ストモ博士大学(インドネシア共和国))



UPDATE 2022-11-16

 2022年11月16日に、本学と協定を結んでいるストモ博士大学(インドネシア共和国)から、シシリア・タントリ文学部長以下9名の教員が本学国際学部を表敬訪問されました。

 一行は、図書館等の教育施設や、国際学部1年生のインドネシア語の授業を見学したのち、インドネシア語を学ぶ学生や、インドネシア語科目の教員たちと共に懇談しました。コロナ禍のなかで数年にわたりオンラインでのみ国際的な相互交流が続いていましたが、久しぶりの対面による交流は、本学の学生にとっても良い刺激となりました。

卒業生教員と学部教員コラボの出張授業



UPDATE 2022-10-23

2022年9月21日、外国語学部卒業で英語教員となった宮城隆太さんの勤務校である専修学校クラーク高等学院インターナショナルコースにて、宮城先生と、国際学部の英語教員ハーキー(学生時代の宮城先生の所属ゼミ担当)、齋藤(英語科教育法担当)の2名のコラボレーション企画の出張授業 “Do we really know what we think we know?” を実施しました。今回はcolor names を題材に、ウォーミングアップのゲームをし、その後、グループディスカッションをしたり、多様な辞書を使って用例を探したりしました。

この日のテーマ “Do we really know what we think we know?”  (知っているって思ってることを、私たちは本当に知っているのだろうか?)は、大学で学ぶときに、分野が何であれ共通する研究の姿勢でもあります。「色の名前」は外国語として英語を学ぶ初歩の段階の教材で、日本語にも外来語としてたくさん入っているので、あまり難しく考えることはありません。しかし、とても奥が深いのです。例えば、英語で意見を共有することに日頃から慣れているインターナショナルコースの生徒さんたちも、
“What color is ‘3’ for you?” “How about this song? Does it have color for you?” “And this caramel flavor snack…what color is this sweet smell?”
 というディスカッショントピックに、始めはちょっとびっくり。

それでも、美術の先生がクラスに貸してくださった配色カードを広げ、色サンプルを見ながら正解のない問いに取りくむうちに、グループ独自で「どこからどこまでをblueのカテゴリーに入れるか?」について検討し始めたり、自分が大好きな微妙な中間にある色を懸命に説明していたらピッタリの英語名を見つけたり、話題が尽きることがありませんでした。授業の後半は、「2つ組み合わせると、2つの単語の文字通り以外の意味になる表現」の話と、英語の世界で個々の単語に歴史がある話。もっともっと追求したいなあ、というところで時間が終わりました。

当日はインターナショナルコースのグレイ先生、アンドロル先生と共に、高・大合わせて5名の英語教員と25名の生徒の皆さんと英語でたくさん言葉を交わす賑やかなワークショップになりました。

シンポジウム「新時代を生き抜くための「グローバルリテラシー」」が開催されました



UPDATE 2022-07-25

2022年6月18日(土)、国際学部開設を記念して、シンポジウム「新時代を生き抜くための「グローバルリテラシー」」が開催されました。国際学部は、グローバル化する世界の中で、困難な課題を乗り越えていくための新たな「グローバルリテラシー」をもつ知的専門職業人の養成に取り組んでいます。今回のシンポジウムでは、そのモデルに相応しい二人の講師をお招きしました。

早稲田大学国際学術院国際教養学部教授の陳天璽(ちん・てんじ)氏には、「無国籍者から国際社会を問う」というタイトルで講演いただきました。陳天璽氏は「無国籍ネットワーク」代表理事として、実践的な活動も行っています。講演の冒頭ではまず、無国籍のイメージや国籍の概念について解説がありました。その上で、現代社会において、出生地主義や血統主義で国籍が与えられる各国の制度の結果や、移民や難民の状況などにより、無国籍者が生まれうる多様な状況を説明されました。そして、ご自身の経験やこれまでの活動を通して関わってきた国籍がないことで生じる様々な問題について紹介されました。さらに、小さな諸島で国籍に関係なく生きる人々についても示されました。これらの話を踏まえて、現在の国籍が過度に重視される社会に対して問題を提起されました。グローバル化する世界において、国籍の問題は必ず生じることであり、我々はそれを理解する必要があります。そのために教授が取り組んでおられる活動についても紹介され、特に最近の活動として「無国籍」という問題について子供たちに知ってもらうための絵本を作成した経緯についてもお話しされました。国民国家の限界があらわになり、グローバル化がますます進む中で、「無国籍」を特殊な一部の問題でなく、我々が生きる社会の一部としてとらえ、どのように良き社会を作るのか。講演を通して、強いメッセージが伝わってきました。

特別非営利活動法人パルシック理事の伊藤淳子(いとうじゅんこ)氏には、「モノが繋ぐ世界~「琥珀色の向こう側」に20年~」というタイトルで、東ティモールでの活動の背景やフェアトレードの具体的な取り組みについて、ご講演いただきました。東ティモールの主要な作物はコーヒーです。コーヒーに関わる問題は、世界のコーヒー消費国の上位に入る日本にも繋がる問題でもあります。「日本で飲む1杯のコーヒー代金のうち、たったの0.4%しか現地のコーヒー農家の収入にならない」という話は、かなりインパクトのある内容でした。そうした中で、生産する途上国と消費する先進国と間の持続可能な取り組みとして注目されるのが、フェアトレードです。伊藤氏は、20年間のパルシックの活動を通して、コーヒー生産者の協同組合を作ったことや、得たプレミアム(奨励金)により上水道の整備などを行った活動を紹介されました。しかしながら、20年の取り組みを通して、まだまだ消費国優位の状況は変わらず、コーヒー農園だけの収入では生活が困難なために若者が流出する問題があるなど、現状でも多くの課題があります。こうした中で、「生産者に変化を求め続けるだけでいいのか」という問いが投げかけられました。講演を通して、日常において飲むコーヒーは世界とつながっていることを実感し、最終的にモノを消費する立場にいる我々に何ができるのかを考えることにも繋がりました。

 二人の講演を受けて、ディスカッサントである本学部の田中悟准教授は、「グローバルリテラシー」を考えるうえで重要なこととして、自分たちの知っている世界の向こう側を想像することや、さらに、グローバルな世界で生きぬくためには知らないものとの間に立ちはだかる「壁」をどのように穴をあけるかということをあげました。今回の2つの講演は、何を手がかりとして「向こう側」に思いをはせ、どのように「壁」に立ち向かっていくのかを知るためのケーススタディだったといえます。その後、田中准教授や参加者からの質問があり、それに対して、講演者の二人には、さらなる現在の問題、我々にできること、そして、未来への可能性など多くの視座を提示していただきました。グローバル化し、世界がますます繋がる現代社会において、我々がどのようにお互いを信頼しあいながら新しい世界を作るのか、お二方のご講演を通じて、そのために必要な「グローバルリテラシー」を考えるうえで重要な手がかりとなるヒントが示された、本学部にとっても意義深い内容のシンポジウムとなりました。

(国際学部准教授 加来奈奈)

駐大阪大韓民国総領事館から総領事御一行をお迎えしました



UPDATE 2022-06-17

  5月25日(水)、駐大阪大韓民国総領事館からお客様をお迎えしました。趙成烈(チョウ・ソンリョル)総領事・任京勲(イム・ギョンフン)領事・張正勲(チャン・ジョンフン)実務官、南炫汀(ナム・ヒョンジョン)専門官のみなさまです。 当日、まず学長・副学長を始めとした学長室にて歓迎行事が行われ、その後、国際学部においでいただきました。

  国際学部では、西川眞由美国際学部長・橋本正俊国際学科長・中西正樹国際学部教授/グローバル教育センター長・田中悟国際学部准教授・森類臣国際学部特任准教授が参席しました。また、韓国語を学んでいる学部 5人が出席しました。

 国際学部訪問では、総領事一行と学生との対話が中心となりました。学生は挨拶や自己紹介を韓国語で行うなど、積極的な雰囲気が見られました。学生が領事館業務についての質問をし、それに対して趙総領事が丁寧に答えてくださる 場面がある一方、趙総領事の「皆さんはK-POPが好きだそうだが、J-POPとK-POPはどのように違うのか」という質問に 学生が持論を展開したりもしました。また、任領事が「外国語学習は、最近はインターネットなどでもできるが、大学でしかできない学びはどういう点だと思うか」と問いかけ 、学生が摂南大学での学びを具体的に答えたりもしました。終始 なごやかな時間が流れ、時には笑いがこぼれました。最後に出席者全員で記念撮影を行いました。

今回の訪問は「実践的な学び」を重視する本学部にとって、そして何よりも学生にとって非常に重要な機会となりました。貴重な時間を作ってくださった総領事一行に深く感謝申し上げます。

以下、当日参加した学生からの感想です。

 

大谷さん

普通に大学生活を送っている中で、外交に関わる方に、しかも自分が研究する分野の国の総領事館の方々にお目にかかるなんて絶対にないことだと思うので、直接お会いしてお話し、質問できたのは本当に二度とない貴重な機会で、とても嬉しかったです。韓国語を勉強していると聞いて、私たちに分かりやすいように韓国語でゆっくり話してくださり、ガチガチに緊張していましたが、リラックスしてお話しすることができました。

 

藤本さん

ゼミでは韓国のポップカルチャーの社会学について共同研究を行いました。大学では好きなことを学べる機会があり充実していました。今回、韓国総領事館の方々から直接お話を伺うことができ、より韓国への理解を深めることが出来ました。終始話しやすい雰囲気で質問をさせて頂きとても貴重なお話を聞くことが出来ました。貴重なお時間をいただきありがとうございました。

松村さん

私自身韓国に興味を持ち始めたのはK-POPのお陰です。コロナになり韓国にも行けず、また留学にも行くことも厳しい状況で現地に行くことがこの2年間できず、心残りな部分があったので、今回このような機会を頂きお会いできたことで、短いお時間でしたが韓国への理解を深めることができたと思います。私自身、なぜこの摂南大学を選び何のために外国語学部に入学したのかも改めて初心に帰って見つめ直すこともでき貴重な時間でした。徐々に国境も緩和されているので学生の間にまた韓国に行きたい思いが強まりました。このような機会をくださり誠にありがとうございました。

 

神谷さん

韓国の方と直接お話しすること自体初めてで緊張しましたが、積極的に学生の話を聞いてくださりコミュニケーションをとることが出来ました。また、総領事館の働きや大阪での活動など様々なお話を聞くことが出来て貴重な経験になりました。

 

梅田さん

総領事館の方々と直接お会いできる機会は初めてだったため緊張していたのですが、和やかな雰囲気で気さくに話しかけてくださりとても貴重な経験でした。韓国の文化についてお話できた事が印象に残っています。

関連リンク:

駐大阪大韓民国総領事館総領事一行が本学を表敬訪問しました

 

ANAインターンシップ再開



UPDATE 2022-06-07

 外国語学部では3年生を中心にANA総合研究所と提携し、夏休み期間中、空港及びホテルでの実習を伴う「ホスピタリティ・インターンシップ」を実施しています。また、2年生対象に、同じくANA総合研究所の協力のもと「体験型特別実習A」として空港でのグランドスタッフ実習を実施しています。

 これらは、COVID-19の影響で過去2年間実施できていませんでしたが、今夏感染状況の大幅な悪化がない限り3年ぶりに再開できることになりました。

 空港での研修は、今夏は中部空港(セントレア空港)を対象に3年生は9月1日から3日まで、2年生は8月24日から26日まで、2泊3日で10名を対象に実施されます。接遇訓練、お手伝いが必要なお客様対応訓練、手荷物受託実習や搭乗口アナウンス研修が行われる予定です。また、ホテル研修はANAクラウンプラザホテル大阪の協力のもと、8月3日から16日までの2週間にわたり2名を対象に行われる予定です。

 これまでホスピタリティ関連授業で身につけた知識を実践できる貴重な機会となります。実施後の報告をどうぞご期待ください。

 

中部空港

 https://www.centrair.jp/index.html