鄭雅英(チョン・アヨン)教授(立命館大学経営学部特別任用教授)のゲスト講義を開催しました!



UPDATE 2024-02-24

 森ゼミナールでは2023年12月5日(火)3限に立命館大学経営学部特別任用教授の鄭雅英先生をお迎えし、ゲスト講義を開催しました。当日は鄭先生に摂南大学寝屋川キャンパス7号館の教室へお越しいただきました。鄭先生は在日コリアンであり、海外コリアン事情について詳しい方です。鄭先生は現在、立命館大学経営学部で「朝鮮語」「東アジアと朝鮮半島」「平和人権フィールドスタディ」といった科目などを教えていらっしゃいます。

 鄭先生によると、現在日本には81万人の在日コリアンがおり、また中国には230万人、アメリカには260万人もの海外在住のコリアンがいるそうです。

 最も興味深かったのは、様々国に国境を越えた人的ネットワークがあるという話です。海外に住む人々は、家族がそれぞれ分かれて生活しているという例も少なくありません。しかし現代ではスマホなど通信媒体が充実しているため、別々で生活していても家族と意思疎通ができます。このような人たちは、トランスナショナル(transnational)な移動と社会の一歩先を歩んでいるとのことです。

 海外コリアンは、中国、ロシア、アメリカなどさまざまな国・地域で生活しています。過去の戦争などの影響で帰還を許されずそのまま住み続けた人たちも多くいると聞きました。加えて、韓国では就職難などが続き、海外へ移住してそこで就職して暮らす選択肢をとる人々もいるそうです。

 また、中国では、韓国ドラマ「星から来たあなた」の大ヒットをきっかけに、韓国のインスタントラーメンの代表である「辛ラーメン」の売り切れが続出したそうです。若い人たちでも韓国ファッションを真似したり、文化を好きになる気持ちに国境は関係ないのだとおっしゃったことが心に残りました。

 鄭先生のお話に対して、こうした海外コリアンの人々の中で故郷(故地)に戻った人はいるのかと質問したところ、中国では170万人のうち70万人が韓国へ戻ったとのことでした。また、アメリカでは朝鮮戦争による孤児が養子として在住していましたが、その方たちも親族を求めて大半が韓国へ戻ったそうです。

 以前より韓国ではジェンダー問題が強く意識されています。また競争社会のため、明るい未来を求め日本やアメリカ、オーストラリアなどで就職する方々もいるそうです。一見明るいように見える中で、こうした裏側で起こっている現実をよく見つめなくてはならないと考えさせられました。加えて、鄭先生は「韓国で起こっていることは、明日の日本」と仰っていました。今起こっている問題から目を背けるのではなく、自分たち一人一人が意識的に考え行動していかなくてはならないのだと思いました。

 今回のゲスト講義を通して、海外コリアンと韓国の現状について、より深いところまで知ることができました。とても貴重な時間になりました。これを機会に、韓国の歴史や文化の理解を深め、今後の研究へと繋げていきたいと思います。お忙しい中、足をお運びいただいた鄭雅英先生、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

(摂南大学外国語学部/国際学部 森ゼミナール 池上愛利)

 

ハノイで開催された国際学術会議「India in the New World Order after the Russia-Ukraine Crisis」に参加しました(森類臣)。



UPDATE 2024-02-24

 2023年9月7日に、ベトナム社会科学院の招請を受けてハノイで開かれた国際学術会議「India in the New World Order after the Russia-Ukraine Crisis」に参加しました。会議の主催はベトナム社会科学院インド西南アジア研究所(Vietnam Institute for Indian and Southwest Asian Studies, Vietnam Academy Of Social Sciences)です。

 会議のセッションⅠ「Impact of the Russia-Ukraine crisis and India’s policy」では、2021年から本格化した「ロシア・ウクライナ危機」後のインドの動向に第一の焦点が当てられていました。ベトナムは、外交上最も強固かつ重要な関係である「包括的戦略的パートナーシップ」を6か国と締結しており、インドはそのうちの一つです(他の5か国は中国・ロシア・韓国・米国・日本)。近年、ベトナムではインドの影響力に注目が集まっており、インド研究を行う研究者が増えているようです。

 また、セッションⅡ「Challenges of the Indo-Pacific region after the Russia-Ukraine crisis」では、ベトナム―インド関係に限らずアジア諸国の関係を幅広く議論しました。森准教授は「Analysis of Japan’s Policies for South / North Korea: With an emphasis on after the Russia-Ukraine Crisis」というタイトルの発表をし、日本の朝鮮半島政策(日韓関係と日朝関係)のうち近年の重要な事柄をいくつか取り上げ、現状分析を発表しました。

 会議には、ベトナム社会科学院所属研究者はもちろん、台湾・インドからも研究者が参加し発表しました。また、インド大使館および日本大使館の関係者や、諸外国での外交官経験があるベトナム外務省関係者なども参加しました。主催者側が述べたように、ロシア·ウクライナ危機後の新世界秩序について研究者と外交官が議論して各国の課題を考え、お互いの交流を深めていくことに会議の趣旨がおかれていました。

 会議では活発な質疑応答がなされ、また国際協力について意見交換がなされました。なお、当日の模様は、VTC Digital Television Networkで報道されました(下記URLがリンクとなっています)。

https://vtc.vn/an-do-trong-trat-tu-the-gioi-moi-sau-khung-hoang-nga-ukraine-ar818144.html

(国際学部特任准教授 森類臣)

外国語学部・国際学部の言語コンテスト表彰式を開催しました



UPDATE 2024-02-13

2024年1月16日(火)に、2023年度の外国語学部・国際学部の各言語コンテストの表彰式および受賞者発表会を行いました。今年度は、英語、スペイン語、中国語、韓国語のスピーチコンテスト(プレゼンコンテスト)および、スペイン語のレシテーションコンテストが行われ、各コンテストの入賞者が参加しました。式典では、はじめに西川学部長から激励の言葉が贈られ、上位入賞者に賞状・副賞が授与されました。その後、各賞の1位の学生による発表がそれぞれの言語で行われました。

 

スピーチコンテスト(英語) 3年生 山越歩 How the people around us are important

スピーチコンテスト(スペイン語) 3年生 松井ゆに Mi otra familia preciosa (私の大切なもう一つの家族)

プレゼンコンテスト(中国語) 3年生 宵志織 給人批評還是贊美(人を批判すべきか、それとも褒めるべきか)

スピーチコンテスト(韓国語・テーマ①) 4年生 齋藤穂香 私にとって韓国語とは

スピーチコンテスト(韓国語・テーマ②) 1年生 小林 菫 韓国の文化・社会について

 教員が多く集まる中、発表者は言語の巧みさのみならず、表現も豊かに見事な発表を行いました。多言語の発表を通して、外国語学部・国際学部の学びの多様さを改めて感じる場となり、生き生きとした発表を聞いて言語を学ぶ楽しさを再認識することができました。学生の皆さんのますますの健闘を期待します。

 (文:国際学部准教授 加来奈奈、写真:国際学部准教授 金子正徳)

2023年度「基礎ゼミナール成果発表会」を開催しました



UPDATE 2024-02-07

 2024年1月16日(火)に、2023年度の「基礎ゼミナール成果発表会」を行いました。

 国際学部1年生が受講する科目「基礎ゼミナール」では、1クラス15名程度に分かれ、それぞれのクラスで様々なテーマを設定して学習します。本発表会はその学習の内容や成果について共有し競い合うことを目的として行うもので、2023年度は14クラス約220名が参加する大きなイベントとなりました。本年度は会場を「第1会場」と「第2会場」の2つに分けて開催しました。

発表会当日は、各クラスの代表者が学習の成果を発表し、その内容やプレゼンテーションの力を競いました。聴講する学生や教員から発表内容に対する質問が出されると、発表者の学生は積極的に回答をしており、大学生になってからわずか1年間での優れた学習成果に、教員のみならず学生も感銘や刺激を受けたことでしょう。

審査は「基礎ゼミナール」を担当した国際学部教員が担当しました。審査の結果、入賞者は下記の通りに決定しました。入賞の学生には、賞状と副賞が授与されます。

 

[第1会場]

 優勝   村田早希さん

   テーマ:「怖」(ZINE)

 準優勝  西浦詩織さん

                テーマ:「食品ロス問題とその対策について」

 

[第2会場]

 優勝   シャ・テイギョクさん

   テーマ:「JAWA ~新しいファッションの発想~」

 準優勝  福井妃菜望さん

                テーマ:「猫の舞台裏」

 

第1会場の様子

第2会場の様子

 

(文:国際学部准教授 古矢篤史准教授、写真:同講師 小林基・大谷侑也)

浦野ゼミで卒研発表会を開催しました



UPDATE 2024-01-30

2024年1月27日(土)、学内(3号館327教室)で浦野ゼミの卒研発表会を開催しました。

浦野ゼミでは年二回(7月と1月)に卒研発表会を実施しています。今回の発表会は、4年ゼミ生が過日提出を果たした「卒業研究レポート」の成果について、一人30分で発表を行いました。彼らは2月1日に卒研口頭試問が控えており、今回、改めて自身の卒業研究を見直す機会となりました。

当日は4年ゼミ生以外に、3年ゼミ生および2002年度・2012年度・2020年度の卒業生、さらには他大学の職員の方が対面で出席し、休学してインドネシアへ留学中の4年ゼミ生1名がオンラインで参加しました。

発表タイトルは以下の通りです。

「町工場の『いま』─協働体を担う人たちのたたかい─」

「教育分野から読み解くジェンダー ─格差をなくすために─」

「都市公園の歴史的変遷と現代的役割」

「分断される社会─日本における喫煙空間の変容を通じて─」

「スターバックスの現在地─憩いの場を求めて─」

現在、浦野ゼミでは3名が休学中のため、今回の発表会では5名のみの発表と数少なかったですが、それぞれのテーマが多種多様かつ身近なことを取り上げていたため、質疑応答では、質問者の経験を踏まえた質問や指摘だったり、3年次生からは今後の研究の進め方のヒントとするべく質問など、活発な議論が交わされました。

卒業研究は、個々の学生の成果ですが、このように成果発表会をゼミで一堂に会して実施することで、切磋琢磨している姿を垣間見ることができました。

次年度以後もこのような学年を越えたイベントを実施していきたいと考えています。

 

(文責:国際学部教授 浦野崇央)

留学帰国者報告会を行いました



UPDATE 2024-01-24

2022年度後期から2023年度前期にかけて海外での長期留学で学んだ学生による報告会を12月14日(木)に開催しました。

今回の報告会は,国際学部西川学部長の挨拶で始まり,カルガリー大学(カナダ)とサイモンフレーザー大学(カナダ)および台湾師範大学(台湾)で半年間または1年間学んで帰国した学生が現地での学習や体験をグループでプレゼンテーションしました。それぞれの報告のあと,出席した学生や教員との活発な質疑が交わされ,特に2024年度前期に留学する予定の学生からは熱心な質問やコメントがありました。

 

留学生たちが参加したのは英語や中国語を学ぶための語学プログラムです。留学先では,多国籍のクラスメイトが共に学び,そして学外でも一緒に過ごすことでコミュニケーション力と友情を深めました。そして学内のスポーツ活動やコミュニティーに参加することで現地の学生と交流し,多くの友だちができました。それぞれの大学での学び方,教室外での過ごし方,住む街の特徴は多様です。留学先別に帰国報告をご紹介しましょう。

 

カルガリー大学のメンバーは,1学期に1冊の小説を読むという課題に挑戦しました。難しい課題でしたが,読み終えた時の達成感は素晴らしいものでした。カナダは多民族国家です。ある学生のホストファミリーはモンゴル出身だったのでモンゴル料理を楽しめることもありました。休日に訪れたトロントやバンクーバー,バンフやウォータートンの山や湖,そしてオーロラ観光などカナダの自然も満喫しました。

カナダ西海岸バンクーバーのサイモンフレーザー大学に留学した学生はカナダ研究コースを履修したので,語学に磨きをかけるとともに野外やミュージアムでの学習も多く,カナダ文化への理解も深めることができました。海に近い地域なので,授業以外の時間にはビーチバレーやナイトマーケットを楽しんだこと,バンクーバー対岸のビクトリアを観光した経験などを紹介しました。

 

台湾師範大学には台湾最大の語学センターがあり,自分の語学力にぴったりのクラスを選べるのが魅力です。台湾の祝日やクリスマスなどイベントごとに食べ物のプレゼントがあります。学校は台北市の中心部にあるので放課後の過ごし方も退屈しません。市内の夜市を食べ歩きするのも楽しいです。人気の観光地九份も日帰りで訪れることができます。西海岸の古都台南や東海岸の台東まで足を伸ばしたメンバーもいます。

長期留学での住居はアパート,寮,ホームステイ,シェアハウスなどさまざまで,それぞれに特徴があります。留学先選びでは,キャンパスライフだけでなく自分に合った居住形態を実現できる留学先を選ぶこと,またそのための情報集めが大切です。

次に,カナダ留学から帰国した学生からの帰国報告をより詳しく紹介します。

 

  Students at Setsunan University Return from Study Abroad in Canada

 

Recently, Setsunan University students majoring in   returning from  of overseas study in Canada at the University of Calgary and Simon Fraser University gave a presentation on their study abroad.

 

Of course, a major portion of their time in Canada was spent taking English courses. However, in Canada, they were able experience interesting and different approaches to language study. At the University of Calgary, students enjoyed the challenge of reading one English novel per semester. The novels they read were more challenging that the reading passages that they had studied in Japan. While it was difficult, the students expressed that they felt a strong sense of accomplishment on completing the novels. At Simon Fraser University, a Canadian Studies course is available. The student who took this course said that it was interesting that there were many field trips to museums as a part of the course. This gave her the opportunity to increase her appreciation of Canadian culture while studying English.

 

As many of those attending the presentation were Setsunan University students planning to study abroad in the future, the presenters gave advice on how to make their stays in Canada more productive and pleasant. One tip is to make an effort to make friends from other countries. To do this, it is important to take the initiative. Actively approach others and create opportunities to spend time with them. One student gave advice to join intramural sports. Intramural sports are sports that are organized at universities for recreational purposes. They provide the opportunity to get exercise and socialize. According to the student who gave the advice, not many Japanese students join intramural sports, so it is easier to meet students from Canada and other countries. So, why not try out intramural sports if you study abroad in the future?

Another student advised learning the rules of host families and adapting to them. By following the rules, it is possible to maintain a good relationship with the members of a host family. What are some of the rules you might encounter? One rule that was mentioned is that shower times may be limited. Another is there may be a limit on the number of times a week that you can use the washing machine. A final example is that you may be required to send a text to your host family before you arrive home. Each home stay family has their own rules. So, be sure to talk with your host family about their rules when you first arrive and be sure to follow them.

 

With this advice, you will be sure to have a positive study abroad experience, so why not try studying abroad as a Setsunan University student?

(文責:国際学部教授 中西 正樹,講師 フーパー トッド)

法廷通訳・裁判傍聴・弁護士会館での勉強会



UPDATE 2023-12-02

写真1:裁判所敷地の端に立つ参加者たち。建物の中が映る角度では撮影できません。

 

2023年11月7日(火)大阪地方裁判所にて、L部3年生文化演習(ハーキーゼミ・齋藤ゼミ)が裁判を傍聴し、その後、大阪弁護士会館で社会人とともに裁判に関する勉強会に参加しました。ハーキーゼミでは今学期のテーマがJustice , 齋藤ゼミでは複数の視点で1つの事件を見る、演習を行なっています。

この日に開かれた裁判のうち3件が法廷通訳を伴うもので、参加者は複数の言語文化に属する人々が同じ法廷にあって裁判が進行する現場を見ることになりました。地方裁判所の中での高裁の判決や、裁判員裁判、傍聴席が被告の関係者でいっぱいになった裁判もありました。学生のほとんどにとって初めての傍聴でしたが、勉強会を企画してくださった北御堂筋パートナーズ法律事務所の平澤威海(ひらさわともうみ)弁護士のおかげで、どの裁判がその日に開始するのか、途中なのか、判決を迎えるのか、争っている内容、などの情報をもとに、自分が傍聴する裁判を複数選べました。夕方まで傍聴した後、近くの弁護士会館での勉強会に参加しました。

写真2:弁護士会館で勉強会。社会人参加者は、企業経営者の多いロータリークラブの皆さん。

 

参加者のコメント:

・いつもはニュースで聞くだけの裁判がすぐ近くで見学できた!

・法廷通訳の方がものすごいスピードで双方向に訳していて、かっこよかった。

・裁判は、意外と身近なものだと感じた。

・被告人が申し訳なさそうで、悲しい顔をしていて、姿勢もしょんぼりしていて、同情してしまった。自分には裁判長は務まらないと思った。

・一方で、裁判の理由になった深刻な事情とは裏腹に裁判長と友達のように話している被告もいて、なぜこの場にいるのかわかっているのかな?と思うこともあった。

・弁護士は誰にも公平であるために、国から補助金をもらわない、と聞いて驚いた。

・被告の縄と手錠を裁判の始めと終わりにつけ外しするところを、傍聴席から自分が見つめてよいのか、迷った [弁護士会館にも、これに関するポスターが掲示されていました]

・海外のドラマの裁判では登場人物が感情的になって怒ったりするけれど、今日見た裁判はみんながルールに則って振る舞っていた。

・行く前は、裁判はピリピリした空気かと思っていたが、そうではなかった。裁判長によってゆったり進んだり、どの人にも優しく問いかけて話を整理したりと、雰囲気が裁判によって違った。

・ニュースで聞くだけだった保釈金の仕組みと理由に、びっくりした。

・裁判というのは判決を下すだけでなく、いろいろな人たちが話をして、聞いて、の、話し合いの場である、と感じた。

写真3:傍聴と勉強会を終えた参加者たち。長時間おつかれさまでした!

大阪地方裁判所:https://www.courts.go.jp/osaka/index.html

(文責・写真:国際学部教授 齋藤安以子)

大阪コリアタウンでフィールドワークを行いました(森ゼミ)



UPDATE 2023-11-02

 2023年7月25日(火)に、私たち摂南大学国際学部/外国語学部の森ゼミナールは大阪コリアタウンでフィールドワークを行いました。フィールドワークを行う前に、ゼミの指導教員である森先生から在日コリアンについてレクチャーを受けました。また、フィールドワーク中は、私たちの共同研究のテーマである「K-popにおけるインフルエンサーとファンダム」に繋げるため、大阪コリアタウンでのK-popの影響や、コリアタウンに訪れるK-popファンの現況についても尋ねました。

 フィールドワークでは、金賢泰さん(特定非営利活動法人コリアNGOセンター事務局長)が案内をしてくださいました。鶴橋駅で金賢泰さんと待ち合わせ、鶴橋国際市場と大阪コリアタウンを散策しながら、その歴史や在日コリアンの現状についてお話をして頂きました。

 大阪市生野区は外国人が暮らしている割合が多いところです。生野区の2割の人達が外国籍で、3~4割が日本以外の国にルーツを持っている人達が暮らしています。そのうち7割が韓国朝鮮の人たちです。鶴橋駅から広がっている商店街、通称「国際市場」をどんどん進むと、沢山のキムチやキンパ(韓国海苔巻き)・チヂミだけではなく、日本の商店街では見ることのない豚足などが並んでいました。日本で一番身近に韓国を感じることのできる市場といっても過言ではなく、時々聞こえる韓国語の会話が印象的でした。鶴橋本通商店街では、韓国の伝統的衣装である韓服やサムギョプサルの店舗が並んでいました。

 コリアタウンの入口にある御幸森天神宮は、仁徳天皇が鷹狩を楽しんだり、当時百済からやってきた渡来人との交流のために度々訪れた場所とされています。そのような歴史を伝えてくれる場所はもちろんのこと、徳山商店など有名なお店を実際に見てお話を聞きながらコリアタウンを散策し、大阪コリアタウン歴史資料館へ向かいました。

 歴史資料館では、昔の街並みの写真や、在日コリアンの方が書いた本など、在日コリアンやコリアタウンに関連した沢山の本や資料が並べられており、金賢泰さんがコリアタウンの歴史について詳しく教えてくださいました。

 コリアタウンはとても歴史が古いのですが、2022年1月に、一般社団法人「大阪コリアタウン」として再出発しました。もともと、御幸通商店街・御幸通東商店街・御幸通中央商店街の3つの商店街に区別されていたのですが、これらが「大阪コリアタウン」として統一されたのは最近のことであり、とても時間がかかったそうです。

 コリアタウンは、民族的にはコリアンの方が多いということですが、国籍は複雑です。なぜなら、日本籍を取得する人もある程度いるからです。最近では外国人でも日本で生まれた子供は日本の国籍を持つ人が多くなっています。そのため、現在は国籍と民族性を一致させることは難しくなっています。

 現在のコリアタウンには、現在40~50代の母親世代と10~20代の娘世代が数多く訪れているそうです。2000年代初めに遡ると、その時は『冬のソナタ』という韓国ドラマがとても有名になった時期であったため、現在の母親世代の方が多く訪れていました。このような影響から、現在は母娘など親子でコリアタウンを楽しむ方々が増加しているとのことです。

 また、韓国ドラマやK-POPなど韓国ポピュラーカルチャーは日本のみならずヨーロッパや他のアジアでも流行しているため、コリアタウンへは日本人以外の外国人観光客も増えています。実際に、私の周りの友達も親子で一緒にコリアタウンへ行ったり、家族みんなで買い物に行ったりすると聞きます。今は年代や性別、国籍を問わず多くの人がコリアンタウンを訪れ、楽しんでいるのだなと実感しました。

 コリアタウンから少し離れたところには「いくのコーライブズパーク」(御幸森小学校跡地)があり、そこには在日外国人の子供たちが少しでも心穏やかに笑顔で過ごせるように、たくさんの国の本や絵本が並べられた図書館があったり、お祭りのようなイベントを開いて楽しんだりと様々な工夫がされていました。実際に、図書館では子どもたちが友達と楽しく遊んでいる光景を見ることができました。

 私たちは今まで何度かコリアタウンを訪れたことがありますが、「韓国の有名な食べ物が売っているなあ」「お店の人が韓国語を話しているなあ」など感じるだけでした。そのため、今回のフィールドワークを通して、在日コリアンの人が苦労してきた歴史があったことや、長い年月をかけてここまで進展してきたことなど初めて知り、コリアタウンに対する知識と意識が深まりました。

また、コリアタウンの変化だけでなく、「そこに住む在日コリアン/在日外国人の人々の生活をどのようにしたら豊かにできるのか」「子ども達がよりのびのびとした生活を送るためにはどうしたらいいのか」について、地域の人々と悩み、工夫し続けていることがよく分かりました。皆さんの熱い思いがとても強く印象に残った調査でした。今回のフィールドワークは私たちにとってとても貴重な1日になり、考えを深めることができました。これを機会に、改めて韓国の歴史や文化に対する理解をさらに深め、今後の研究へと繋げていきたいと思います。また、暑い中フィールドワークの案内役を務めてくださった金賢泰さんへ心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

(摂南大学国際学部/外国語学部 森ゼミナール  夫馬涼葉・青山美由)

 

 

오사카 코리아타운 답사

2023년 7월 25일에 우리 세쓰난대학교 국제학부(외국어학부) 모리 세미나는 필드 워크를 하러 오사카 코리아타운을 찾았습니다. 필드워크를 하러 가기 전에 모리 선생님께 재일코리안에 대한 지식을 배우고, 그리고 우리 공동 연구의 주제인 ‘k-pop의 인플루언서와 팬덤’으로 이어지기 위해, 오사카 코리아타운에서의 k-pop의 영향과 코리아타운에 방문하는 k-pop 팬들에 대해서도 조사했습니다.

필드워크에서는 김현태 사무국장님(특정비영리활동법인 코리아NGO센터)가 안내를 해주셨습니다. 쓰루하시역에서 김현태 국장님을 뵙고 쓰루하시 국제시장과 오사카 코리아타운을 걸으면서 이 지역의 역사와 재일코리안의 상황에 대해 이야기를 들었습니다.

오사카시 이쿠노구는 외국인이 사는 비율이 높은 곳입니다. 이쿠노구의 약 20%의 사람들이 외국 국적이고, 약 30~40%가 일본 이외의 나라에 뿌리를 둔 사람들이 살고 있습니다. 그 중 약 70%가 코리아(한국/조선) 사람들입니다. 쓰루하시역에서 시작하는 상점가, 소위 ‘국제시장’을 걸어가면, 김치와 김밥, 그리고 부침개 뿐만 아니라, 일본 상가에서는 볼 수 없는 족발 등을 팔고 있었습니다. 일본에서 가장 코리아를 가깝게 느낄 수 있는 시장이라고 해도 과언이 아니라, 가끔 들리는 한국어 대화가 인상적이었습니다. 쓰루하시 혼도리(本通) 상가에는 한국의 전통 의상인 한복과 고기집 가게가 늘고 있습니다.

코리아타운 입구에 있는 미유키모리 텐진궁(御幸森天神宮)은 인덕천황(仁徳天皇)이 매사냥을 즐겼던 장소이고 당시 백제에서 온 도래인들과의 교류를 위해 자주 방문했던 곳으로 알려져 있습니다.이렇게 코리아타운 주변을 산책하고 오사카 코리아타운 역사자료관을 방문했습니다.

역사자료관에서는 옛 거리 풍경의 사진과 재일코리안들이 쓴 책 등 재일교포와 코리아타운에 관련된 많은 책과 자료가 진열되어 있고 김현태 국장이 코리아타운의 역사에 대해 자세히 알려주셨습니다.

코리아타운은 2022년 1월에 일반사단법인 ‘오사카 코리아타운’으로서 재출발했습니다.원래 미유키도리(御幸通) 상점가, 미유키도리 히가시(御幸通東) 상점가, 미유키도리(御幸通) 중앙상점가의 3개 상점가로 나뉘어져 있었는데, 이 3개 상점가가 ‘오사카 코리아타운’으로 통합된 것은 최근 일이고 매우 시간이 걸렸다고 알려주셨습니다.

코리아타운은 민족 구성 측면에서 재일코리안이 많습니다만 사실은 상황이 복잡합니다. 왜냐면 재일코리안 중에 일본 국적을 취득한 사람들도 있기 때문입니다. 최근에는 외국인이라도 해도 일본에서 태어난 아이는 일본 국적을 가진 사람이 많아지고 있습니다. 그래서 현재는 국적과 민족성을 일치시키는 것이 어려워지고 있습니다.

현재 코리아타운에는 40-50대 어머니 세대와 10-20대 딸 세대가 함께 방문하는 경우도 많다고 합니다. 2000년대 초에는 ‘겨울연가’가 매우 유명해진 시기였기 때문에 어머니 세대가 더 많이 찾고 있었습니다. 이런 영향으로 어머니와 딸 등 부모와 자녀가 함께 코리아타운을 즐기는 것 같습니다.

또한 한국 드라마와 K-POP 등 한국 대중문화는 일본뿐만 아니라 유럽과 다른 아시아에서도 유행하고 있기 때문에 코리아타운에는 일본인 이외의 외국인 관광객도 늘고 있습니다. 실제로 제 주변 친구들도 부모와 자녀가 함께 코리아타운에 가거나 가족 모두 쇼핑하러 갔다 왔다는 야기를 들었습니다. 지금은 남녀노소 국적에 관계없이 많은 사람들이 코리아타운을 즐기고 사랑하는 것 같습니다.

코리아타운에서 조금 떨어진, 미유키모리소학교가 폐교된 터에  ‘이쿠노 코라이브즈 파크(IKUPA)’가 생겼습니다. 그곳에는 재일 외국인 어린이들이 조금이나마 편안하게 웃으면서 지낼 있도록 외국어 책과 그림책이 진열된 도서관이 있고, 다양한 축제를 열고 즐기거나 하는 등 많은 노력이 이루어지고 있습니다. 실제로 도서관에서는 아이들이 친구들과 즐겁게 놀고 있는 광경을 볼 수 있었습니다.

지금까지 저는 몇 번인가 코리아타운을 방문한 적이 있는데, ‘한국의 유명한 음식을 파는구나’, ‘가게 사람들이 한국어를 하는구나’ 등 표면적으로 느낀 뿐이었습니다. 그렇기 때문에 이번 답사를 통해서 이렇게 재일코리안들이 고생해 온 역사가 있었다는 것이나 오랜 세월에 걸쳐 여기까지 전진해 왔다는 것 등을 처음으로 알게 돼서 코리아타운에 대한 인상이 매우 바뀌었습니다.

또한 코리아타운의 변화 뿐만 아니라, 거기에 사는 재일코리안들 / 재일 외국인들의 생활을 어떻게 하면 풍요롭게 할 수 있는지, 그리고 아이들이 더 활발하게 살기 위해서는 어떻게 해야 하는지를 지역 사람들과 같이 고민하고 계속 노력하고 있다는 것을 잘 알 수 있어 습니다. 코리아타운의 관계자 여러분의 뜨거운 마음이 매우 인상적이었습니다. 이번 답사는 우리 학생들에게 매우 귀중한 하루가 되었습니다.이를 계기로 다시 한번 한국의 역사와 문화를 이해하고 향후의 공부와 연구로 이어가도록 하겠습니다.

  더운 날씨에도 불구하고 답사의 안내를 해주신 김현태 사무국장님께 진심으로 감사드립니다. 고맙습니다!

(세쓰난대학교 국제학부/외국어학부 후마 스즈하, 아오야마 미유)

 

 

 

第7回 国際文化セミナーが開催されました



UPDATE 2023-11-01

 10月7日、国際文化セミナーが開催されました。本セミナーは、2022年度に開設された国際学部の学びと所属教員の研究活動について学内外に広く紹介するもので、今回はその7回目です。「地理学の可能性〜フィールドワークからのアプローチ〜」をテーマとして、本学国際学部の講師2名が自然地理学と人文地理学の分野におけるそれぞれの活動の内容を紹介しました。

 大谷侑也講師は、「気候変動とアフリカ ―「熱帯の氷河」に焦点を当てて―」という題目で、ケニア山とキリマンジャロ山での文理融合的な研究調査の成果を、現地の写真や映像を交えて報告しました。人類が直面する気候変動や地球温暖化を象徴するように、ケニア山の氷河は非常に速いペースで縮小しており、10~20年後には消失すると予測されています。この氷河縮小と周辺の水環境の関係性を記録するためのモニタリング調査について、炭素安定同位体を用いた土壌成分の分析や高山植物の枯葉の分析といった具体的な方法を示しながら、わかりやすく解説しました。

 

 小林基特任講師は、「人が生きる空間、場所、世界―市民活動拠点とのかかわりから考える―」という題目で、この四半世紀あまり地理学が課題としてきた「どうすれば空間に人間性を復活できるのか?」ということについて講演しました。自身のフィールド調査の事例を紹介しながら、“無味乾燥”な「空間」の科学としての地理学の枠を超えて、人が関わり調和していく人間らしい「場所」を考える、新たな地理学への志向を示しました。

  今回は国際学部の基礎ゼミナールの一環として1回生も聴講し、質疑応答では、フィールドワークにおける難易点や今後の展望などについて応答がありました。

 文理社の領域の枠にとらわれない研究活動の実例にふれることは、“国際学”という一見つかみどころのない学際的分野の面白さと同時に、それを前提として幅広い関心と知識を要求するものであるという現実に気づかされる良い機会になったことでしょう。

(国際学部講師 安達直樹)

ANA中部空港において体験型特別実習を行いました!



UPDATE 2023-10-18

 夏休み期間に実施される(株)ANA総合研究所提供の「体験型特別実習ANA中部空港研修」に、今年は国際学部2年生の10名が参加しました。

 大学で2日間の事前学習を行い、エアライン業界や、エアライン職種ごとの業務を学びます。その知識を持って、8/29~8/31の2泊3日で愛知県の中部国際空港(セントレア)にあるANA中部空港株式会社でグランドスタッフ業務の実習を行いました。これはグランドスタッフが新入社員のときに実際に実施する業務訓練です。

 チェックインカウンターの業務ではお客様のお荷物を預かりながら、保安業務と、ホスピタリティの提供を同時に行う難しさを学びました(写真①)。搭乗ゲートでは、搭乗案内のアナウンスに緊張しながらも挑戦しました(写真②)。

写真①

写真②

 また、人事の方や、入社間もないグランドスタッフの方々との座談会も催され、業務のみならず、3年生に始まる就職活動に向けてのアドバイスもいただきました。

 事後学習として開催した研修参加後の報告会では、一人一人がPPTを作成し、どのような思いを持ってこの実習に参加し、何が得られたかを熱意を持って語ってくれました。

 2年生の段階で実際の空港業務を体験し、華やかさの裏にある厳しさや、また、仕事のやりがいを感じたことは、将来のキャリアを考えるうえで大きく役立ったのではないかと思われます。

(文責:国際学部客員准教授 沖中美喜)