崇実大学を訪問して学生交流会を行いました!



UPDATE 2023-04-14

2023年2月15日(水)、私たち外国語学部森ゼミナールは、韓国のソウル市銅雀区にある崇実[スンシル]大学を訪問し、学生交流を行いました。崇実大学国際処(本学のグローバル教育センターに該当)職員の方々と国際広報大使(Soongsil International Ambassador、SIA。崇実大学学生による大学広報組織)のメンバーが歓迎してくれました。SIAは世界中から崇実大学を訪れる来賓や大学関係者・留学生にキャンパスを案内し、学生同士の交流を手助けする役割を担っているという説明を受けました。SIAのメンバーは非常に流暢な英語や日本語を話すことができ、同じ学生ながらその語学力に大変驚きました。また、崇実大学学生であることに誇りを持っていることにも好感を持ちました。

崇実大学とは

崇実大学は、1906年に大学部を設置した歴史ある大学であり、韓国で最初に大学認可を得た大学です。キリスト教系の大学のためキリスト教の教理を踏まえた教育を基本としており、多様なカリキュラムが設けられています。IT分野の最先端の教育を実施していることに定評があり、IT学部を設置しています。近未来的な建物も目立ち、韓国内で時代の最先端を行く大学の一つと言えるでしょう。留学生も多く、グローバルな大学としても有名です。本学と崇実大学は2019年に交流協定(学術交流に関する覚書・学生交換協定書)を締結しています。

キャンパスツアー

訪問当日、まず崇実大学のSIAの学生たちがキャンパスツアーをしてくれました。キャンパスツアーでは、米国長老派教会の宣教師であり学校創設者であるウィリアム・ベアードの銅像や、広大なサッカーコート、それぞれの建物の特徴などを一つずつ丁寧に紹介してくれました。崇実大学はサッカーの強豪校として有名で、多くのプロサッカー選手も輩出しており、サッカーコートの大きさは実際に国家代表選手が使用する公式サッカーコートと同じ規格に基づいて作られているとのことです。キャンパスツアーの最後には、キャンパス内にある韓国キリスト教博物館を見学しました。大学付属の博物館とは思えないほどとても立派な建物で貴重な展示品も多く、崇実大学の歴史・韓国のキリスト教史・韓国近現代史を時系列で学べるようになっていました。ここでもSIAメンバーが英語と日本語で解説してくれました。

【韓国キリスト教博物館を見学している森ゼミナール学生】

【韓国キリスト教博物館で集合写真】

学生交流

キャンパスツアーのあとは、新陽館1階のグローバル情報センター(Global Information Center)ラウンジで学生交流会が行われました。テーブルには沢山の韓国のお菓子と飲み物が用意されていました。私たちゼミ学生は、事前に準備したパワーポイントを用いて自己紹介やゼミでの活動を英語・韓国語でプレンゼンテーションしました。

その後、崇実大学の皆さんからのQ&Aに答えました。質問の内容は、摂南大学の授業の雰囲気や、放課後の過ごし方、履修登録の仕方など主に日韓の大学の違いについての質問が多く、同年代の日本の大学生について関心を抱いてくれているようでした。とても楽しく和気あいあいとした時間を過ごしました。私たちも崇実大学のみなさんに大学生活などについて質問し、韓国の大学の仕組みや文化を知ることができました。また、私たちが「日本文化の中で好きなものはありますか?」と質問したところ「『スパイファミリー』のアーニャが可愛い」「『崖の上のポニョ』とかジブリが好きです」「あいみょんをよく聴きます」などポップカルチャーの好みや、「京都などの歴史ある場所が好き」など関心のある場所を聞かせてくれました。SIAのメンバーが日本によい印象を持っていることが分かりました。私たちゼミ生とSIAの学生たちはお菓子を食べながら学生同士気兼ねなく思いっきり会話を楽しみました。1時間以上は話し続けたと思いますが、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。訪問の最後には、パク・ジュヨン国際処長の挨拶や集合写真の撮影をしました。

【学生交流会の様子】

【パク・ジュヨン国際処長(崇実大学経営学部教授、左)と森類臣准教授(本学国際学部、右)】

訪問を終えて

海外の学生との交流は初めてだったため、私たちゼミ生はとても緊張していましたが、国際処職員の方々、SIAの学生たちがとても温かく迎えてくれ緊張がほぐれました。私たちを歓迎するための様々な工夫をしてくれていたことがとても嬉しかったです。実際に韓国で生活している学生との会話は新鮮で、それぞれの文化に触れることでたいへん貴重な交流ができました。これからも崇実大学の学生たちと連絡を取り合っていきたいと思います。

貴重な機会を設けてくださった崇実大学国際処関係者の方々、SIAの皆さんに心から感謝いたします。

ありがとうございました!

【学生同士の集合写真】

(摂南大学 外国語学部 森ゼミナール 梅田葉瑠奈、原口恭)

ハンギョレ新聞社を訪問しました!



UPDATE 2023-04-14

2023年2月15日(水)午前10時、私たち外国語学部森ゼミナールのメンバーはハンギョレ新聞社(ソウル市麻浦〔マッポ〕区)を訪問しました。ハンギョレ新聞社では、ハンギョレ経済社会研究院院長兼論説委員のイ・ボンヒョンさんと、編集局国際部長のキル・ユンヒョンさんにお話を伺いました。

 はじめに『ハンギョレ新聞』がどのようなマスメディアであるのか簡単に紹介します。1987年6月の民主化宣言後に発刊準備委員会が構成され、翌年5月15日に『ハンギョレ新聞』は全国民を対象に株を公募するという、メディア創設の方式として非常に珍しい「国民株方式」で資本金50億ウォン(当時)を集めて創刊されました。また、「権力や資本(広告主)からの独立」を理念として掲げ、韓国社会における革新系のメディアとして知られており、韓国現代史の重要な一幕を飾る主流メディアだと言えます。ちなみに、「ハンギョレ」とは「一つの民族(同胞)」を指しているそうです。

 ハンギョレ新聞社に到着するとイ院長やキル部長を始めとする関係者の方々に出迎えていただきました。社屋2階の経済社会研究院に移動し、自己紹介を済ませた後、イ院長から韓国社会の現在について解説をうかがいました。韓国のマスメディアに勤務している方からうかがう韓国社会の内情は非常にリアリティがあり、大変勉強になりました。映画『パラサイト』などの作品を事例に挙げつつ、韓国社会内部における様々な分断構造についてお話してくださいました。

【ハンギョレ経済社会研究院の会議室で。左端がイ院長、右端がキル部長】

その後、1階のラウンジに移動し、キル部長からも韓国の現状について話を伺いました。キル部長は「韓国は大統領制であり、大統領が交代するたびに激しい変化が起こる」と述べ、「分かりやすく説明すると、5年ごとに『関ヶ原の戦い』が起こっているようなものだ。大統領が変わると社会がガラリと変わる」と説明してくださいました。また、「韓国をよく知ろうと思ったら、韓国現代史という『縦軸』を学ぶことが重要だ」と強調しました。光州事件(光州民衆抗争)に関する映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』や、韓国全土に広がった民主化闘争を描いた映画『1987、ある闘いの真実』など、韓国現代史の中でも特にキーポイントである出来事を素材に作られた映画を勧めていただきました。

質疑応答では、メディアだけでなく日韓関係に関する質問もゼミ生より挙がりました。それに対しキル部長は「日韓が理解し合うには、まずお互いを否定せずに受け入れて考えることも重要だ」と答えてくださいました。

【私たちゼミ学生の質問に答えてくれるキル部長】

その後、キル部長にハンギョレ新聞社内を案内して頂きました。編集局や資料室はもちろん、映画専門雑誌『シネ21』の撮影スタジオと屋上庭園、ハンギョレ新聞社が運営している放送局「ハンギョレTV」のスタジオを見学しました。リアルタイムで働いている人の様子や新聞社内部の雰囲気など、普通では見られない貴重な体験をさせていただきました。最後に、玄関ロビーに飾られている「特ダネ」記事を見ました。そのうちの一つはキル部長が書いたそうです。

【編集局を見学】

ハンギョレ新聞社を訪問したのは2時間ほどでしたが、日本の大学生である私たちが韓国の主流メディアに勤めている第一線の方のお話を直接聞くことができたのはとても良い経験となりました。今回学んだことを、今後の調査・研究活動に活かしていきたいと思います。貴重な時間を割いて面会してくださったイ院長・キル部長、そして温かく出迎えてくださったハンギョレ新聞社の方々に心からお礼を申し上げます。

【ハンギョレ新聞社玄関前でキル部長と一緒に記念撮影】

                (摂南大学 外国語学部 森ゼミナール 神谷亜伶・大島知輝)

 

English Game Circle 始動!



UPDATE 2023-04-11

English Game Circleは、週に一度お昼休みに、英語でやり取りしながら海外のボードゲームをプレイするという活動をしています。

半年前にできたばかりのサークルで、今は外国語学部英プロの3・4年生や理工学部所属のE・S・S部メンバーを含む15人が所属しています。国際学部のトッド・フーパー先生がスポンサーで、海外のゲームを貸してもらって遊ぶこともあります。授業以外に英語で話す機会がほしい、対人でわいわいしながらボードゲームをやってみたい、と思ったら、ぜひ一度遊びに来てください。
英語教職の学生は、授業で使えるゲームを自作してみんなに実験として遊んでもらったり、プレイしたゲームで授業に使えそうなものがないか話したりもしています。教職を目指す学生にもぴったりです。

現在、活動は空き教室を使っているので、場所は学内のあちこち。興味を持った人は、インスタグラムにDMを送ってください。
Instagram: @setsunan_english.game

外国人留学生が書いた記事が読売新聞に掲載されました!:留学生対象「日本事情」科目の取り組みより



UPDATE 2023-04-07

読売新聞の「ニッポン暮らし:ボイス」というコーナーで、本学の外国人留学生張晋豪(ちょう しんごう)さんが投稿した「お手ふきを母国でも」という記事が3月12日(日)朝刊に掲載されました。この文章は、全学の外国人留学生を対象にした「日本事情」科目の授業での取り組みの一環で作成したものです。

「日本事情」の授業では、教員が「日本は~だ」というように講義形式で知識を一方的に伝授するというやり方ではなく、日本の映画やドラマの一部の場面を視聴し、それについて受講生でディスカッションをしながら日本や受講生の国についてお互い学び合うことを目的にしています。「日本でびっくりしたこと」をテーマにした授業では、日本語教員養成課程で学ぶ外国語学部の4年生10名に「日本事情」の授業に参加してもらい、留学生と共にテーマについてディスカッションをするグループワークを行いました。その後、留学生は各自で日本語で文章を書き、それについてプレゼンテーションをし、最後に文章にまとめ、授業担当教員(筆者)が添削し、推敲し、最後に読売新聞に全員が投稿しました。今回張さんの書いた文章がめでたく掲載されました。学習している言語で書いた文章が、その言語が使われている国の新聞に掲載されるということは、素晴らしいことだと思います。張さんだけではなく、外国語を学ぶ本学の学生皆さんにとっても今後の学習の励みになると思います。

(門脇 薫 教授)

<参考:2023年3月12日読売新聞 一部抜粋>

お手ふきを母語でも

中国の高校を卒業し、18歳で来日してから約2年がたちました。日本での暮らしに徐々に慣れてきましたが、母国の文化との違いに気付くことがあります。

飲食店やカフェで席に着くと無料のタオル(お手ふき)を店員さんが持ってきてくれることはその一つです。中国では、こうしたサービスは一般的ではありません。暑い時期は、冷たいお手ふきを使うとひんやりして、疲れが吹き飛びます。寒い季節だと、温かいお手ふきで気持ちがよくなります。お手ふきがお客さんの満足度を高めていると思います。

私は現在、大学で経営学を学んでいます。日本の良い文化や伝統を発見し、将来に生かしたいと思います。将来、中国で飲食店を経営することがあれば、お手ふきを提供してみたいです。

これからも日本で暮らす中で、母国との違いを実感することがあると思います。その際は、違いを受け入れ、学んでいきたいです。

*掲載にあたり許可を得ております。

韓国のテレビ放送局JTBCを訪問しました



UPDATE 2023-04-04

2023年2月14日(火)に、私たち外国語学部森ゼミナールは、韓国のソウル市麻浦〔マッポ〕区に位置するテレビ放送局JTBCを訪問しました。記者との面会、スタジオ見学をさせてもらいました。

JTBCとは

JTBCは中央日報系列のテレビ放送局です。総合編成チャンネルですが、限られた視聴者にではなく一般向けに広く放送しています。JTBCという社名は「中央東洋放送(Joongang Tongyang Broadcasting Company)」の略であり、その前身は、1964年から1980年に存在していた東洋放送(TBS)です。2011年12月1日に開局し、KBSやMBCなどの地上波と同様にニュースからドラマ、バラエティ、教養プログラムまで様々な番組を製作しています。JTBCで放送している代表的なバラエティ番組として『知ってるお兄さん(아는 형님)』『ヒョリの民宿(효리네 민박)』などがあり、ドラマとしては『梨泰院クラス(이태원 클라쓰)』などが挙げられます。有名な番組ですので、知っている人も少なくないと思います。

シン・アラム記者へのインタビュー

私たちは、JTBC側の配慮で、2013年からJTBCで記者として働いているシン・アラム記者(調査報道チーム)の話を聞くことができました。シン記者と面会できたのは20分程度の短い時間でしたが、私たちゼミメンバーの質問に丁寧に答えてくれました。

シン記者が言うには、韓国でも日本と同様に若者の「テレビ離れ」が進んでおり、その対策としてJTBCは常に新しいことに挑戦しているとのことでした。例えば、若者がよく見るようなティックトック(TikTok)やユーチューブ(YouTube)を使ったライブ放送など、視聴者とコミュニケーションが取れる通路と機会を多数作ることで、若者の興味を惹きつける努力をしているとのことでした。また、ウェブとテレビ放送のコンテンツを合わせて、相乗効果が出るような工夫もしているようです。バラエティ番組やニュースなどさまざまなことを放送している中で、最近JTBCが特に力を入れているものは、ドラマやNetflixへのコンテンツ提供、芸能プログラムであり、このことからも時代の流れを掴み流行に沿って放送コンテンツを制作しているということがわかりました。

ゼミの指導教員である森准教授が「韓国では、ニュースサイトを含めて様々な報道機関が調査報道(Investigative journalism)を実践し成果を出してきた。そのような状況の中で、JTBCはどのようなことに力点を置いて調査報道をしているのか」と質問したところ、シン記者は「日常的な話題や現象を深く掘り、そこにどのような問題があるのかを追及するようにしている」と答え、最近取材しているテーマを交えながら分かりやすく説明してくれました。

シン記者の話を聞きながら、JTBCの社員たちは、人々に寄り添うことを大切にし、視聴者のニーズや時代の変化に合わせて挑戦し続けている放送局だという印象を受けました。 

【シン記者を囲んで記念撮影】

スタジオ見学

シン記者との面会の後、コミュニケーションチーム職員のキム・ガンウンさんがJTBC内を案内してくれました。初めに見学したのは、報道番組を編集する「サブ」(副調整室)でした。大きなモニターや画面が多数あり、番組撮影の様子を見ながら時間調整や編集をしているそうです。

【ニュース編集のためのサブ(副調整室)】

【副調整室を見学するゼミメンバー】

その後、ニュース番組の制作スタジオに案内してもらいました。ここには、ニュース番組の出演者が座る椅子や机などのセットがあり、臨場感があふれていました。また、テレプロンターや、移動型の大型撮影カメラなどがあり、撮影の裏側を知ることができました。

 

【JTBCのニュース番組『事件班長(사건반장)』のセットに座らせてもらいました】

最後に見学したのは吹き抜けの3階建てのエリアで、2階と3階にはデスクがあり、スタッフが作業をしている様子を伺えました。1階には、ニュースを始めとしたさまざまな番組を撮影できる大きなスタジオがあります。どのような設備で撮影しているのかじっくり学ぶことができました。番組制作の裏側を見ることができたのは初めてで、貴重な機会となりました。

【とても広いスタジオでした】

今回のJTBC訪問を通して、なかなか会うことが難しい方に話を聞くことはもちろん、実際の制作スタジオなど普通は入ることができない場所も見学することができ、とても貴重な経験をすることが出来ました。JTBC見学を通して、韓国のテレビ番組制作についてより深く理解することが出来ました。今回の経験を、私たちゼミの共同研究に充分に活かしていきたいと思います。訪問を歓迎してくださったJTBC関係者の皆様に、この場を借りて心よりお礼を申しあげます。

 

  【いただいた記念品を手に、JTBCの玄関で記念撮影】

(摂南大学 外国語学部 森ゼミナール   アダムス小百合・黄愛美)

アメリカのコミュニティカレッジと国際協働オンライン学習(COIL)プロジェクト



UPDATE 2023-03-27

国際学部が取り組んでいる国際協働オンライン学習プログラム(Collaborative Online International Learning:COIL)活動の一環で、2022年度後期(COIL活動期間は10月上旬から12月中旬の9週間)に、外国語学部(現国際学部)の3年生6名と4年生7名がアメリカ合衆国メリーランド州のHoward Community College(William Lowe先生のクラス9名)と協働学習をしました。テーマは、Short Stories(短編物語)で、Padletという教育用ICTツールを用い、非同期型で交流をしました。

最初の2週間は、お互いのことを知るために、自己紹介やキャンパス&大学周辺紹介の動画を交換しました。一番質問が多かったのは、菅原神社での参拝の仕方(や意味)で、一番反響が大きかったのは、キャンパス内の駐輪場(赤チャリ群)と周辺のお酒の自動販売機でした。意外なところに反応があるというのも新しい発見でした。

第3週目からは、日本とアメリカの短編をセットで3組読んでいきました。Padlet上で物語分析、質問、コメント、関連情報などを投稿し合いました。このプロジェクト(クラス)に参加したHoward Collegeの学生さんは文学に興味がある人ばかりで、中には将来作家になりたいという人もいたので、彼らの物語分析はとても深く、また、質問も鋭く、摂大生には大変刺激になるものでした。最初は向こうから来るコメントや質問の量に圧倒されました。スケジュールが密で迅速な反応が必要だったこと、語学ではなく内容重視のやりとりだったことから、4週目からはDeepL Translateなどの自動翻訳機の使用も許可しましたが、そこからぐんと議論が深まった気がします。どうしても最初から英語で書こうとすると時間がかかりすぎてしまい、表現や内容も限られてしまっていたのですが、自動翻訳機を使うとこちらからの問題提起やコメントも深くなり、より意味のあるやり取りができたようです。最終的に英語でのインプットやアウトプットも増えました。

「夕暮れの給食室と雨の中のプール」を読んでいたときには、丁度教育実習に行っていた4年生から中学校での「黙食」の給食風景写真が届けられ、最新情報を共有することができました。“cafeteria”と「給食」ということばのイメージの違いも興味深い議論となりました。「藪の中」の真犯人探し、「嵐」の奥さんの行動の倫理性、「大聖堂」の夫の変化など、様々な視点が展開しました。

最終課題では、日米混合の6グループに分かれ、紙芝居制作に取り組みました。各グループが6作品のうちの1つを担当したのですが、個別のやりとりにはPadlet以外にInstagramなどを利用してコミュニケーションを取りました。グループ内で取り上げるシーンを選び、絵を描き、原稿を作り、紙芝居風にストーリーを朗読し、それを動画にしてPadletにアップするというものでした。

事後アンケートでは、「このプロジェクトで一番楽しかったこと」として、「協働で紙芝居を作った事です。作業も楽しかったですが、向こうの学生と英語でやり取りする経験が新鮮で楽しく感じました。」「相手校の生徒さんとPadlet内で役割分担を決め、一つの紙芝居を完成させたこと」などが挙がり、最終課題での協働作業が高評価を得たようです。また、「このコラボレーションで学んだこと」としては、「文学作品を通して、英語は勿論、背景にあるものも学べたこと」、「異なる視点から見ることの大切さや、それを理解すること。相手の国(地域)の文化」「自分の考えや意見を持つ事の大切さを学びました。(中略)私には答えを出せない質問も多くあったので、日頃から何かしら疑問に対する自分の考えを頭の中で整理して過ごせたらいいなと感じました。」などの回答がありました。アメリカの大学生の分析力、批判的思考力に大いに感銘を受けたようでした。

国際学部では、今後も様々なCOILプロジェクトが試行されます。グローバルな協働作業を通して、新たな学びがあることを願っています。

<参考>

このプロジェクトで扱った6作品はこちらです。

民話

・“All God’s Chillen Had Wings” (*chillenはchildrenの意味)

・ “The Princess with the Magic Bowl” 「鉢かづき姫」*

近代小説

・”The Storm” (by Kate Chopin)「嵐」(ケイト・ショパン)

・“In a Grove” (by Ryunosuke Akutagawa)「藪の中」(芥川龍之介)

現代小説

・“Cathedral” (Raymond Carver)「大聖堂」(レイモンド・カーヴァー)

・“The Cafeteria in the Evening and the Pool in the Rain”(by Yoko Ogawa)

「夕暮れの給食室と雨の中のプール」(小川洋子)

*「鉢かづき姫」は河内の民話ということで、鉢かづきちゃんが寝屋川市のシンボルとなっていることもあり、是非アメリカの学生さんにも知ってもらいたいと思い、推薦しました。プロジェクトに先駆けて、「紙芝居」という伝統的な語りの方法の例を紹介するために、9月~10月にかけて、3年生が“The Princess Wearing a Bowl”の紙芝居と動画を制作しました。
期間限定で動画を公開中です:https://www.youtube.com/watch?v=OcO7y6ej0MQ

製作には“Learn Japanese Through Story-鉢かづき姫The Princess Wearing a Bowl” (https://www.youtube.com/watch?v=Zor4bbXfBLk)や「日本昔話―鉢かづき姫」(https://www.youtube.com/watch?v=m-lP64ITN0g)を参考にしました。

インドネシア語の春期オンラインプログラムを実施しました。



UPDATE 2023-03-02

2023年2月2日~24日、国際学部1年次4名が連携協定校であるストモ博士大学(Universitas Dr.Soetomo)のインドネシア語オンラインプログラム(海外実習)に参加しました。授業は土曜・日曜を除く毎日、日本時間の朝10時から午後2時30分まで行われ、会話や読解、作文、文法、リスニングといった授業を受講しました。また、ストモ博士大学には日本語学科があり、そこに在籍し、日本語を学んでいる学生たちと交流を深める機会もあり、参加学生は大満足だったようです。

今回のプログラムに参加した学生の感想を、以下にご紹介します。

私は、このプログラムに参加したことで、言語学習へのモチベーションを高めることができただけでなく、インドネシアの文化や生活についても興味がわいたので、とても有意義な時間を過ごせたと感じています。また、プログラムに参加する中でインドネシア人の友達ができたことも参加してよかったと思う点です。

私は初めての授業を受けたときはインドネシア語が聞き取れなくて、消極的でした。しかし、現地の先生に質問をすることによって、だんだん聞き取れるようになり、授業が楽しくなりました。失敗を恐れずにチャレンジしてみたらどうでしょうか?

 今回のプログラムを通して、改めて言語学習の難しさを感じました。私はもともとインドネシア語は得意ではなく、参加前と参加後でほかの人から見てわかるような違いはないかもしれませんが、プログラムを通して現地のインドネシア語を聞いてみて、想像していたより3倍は話すスピードが速く、確実にリスニング能力はつくと思います。これは現地の方の話がスラスラ耳に入るというよりも、プログラム後の日本での授業が比較的わかると思います。なんにせよ、今後いつコロナのような事態が再び起こるかわからないことからも、このプログラムへの参加はおすすめです。

 春休みを有意義に使えつつ、興味があったインドネシア語を本場のインドネシアの方々に教えてもらうことができた。英語以外の他言語を学ぶのは初めてであり、苦労したが、さらにインドネシア語に興味を持つことができ、インドネシア語への学習意欲が高まった。マレーシアやインドネシアといった国への留学を考えている方には、このプログラムはとてもおすすめであり、留学の前にオンラインで言語を学ぶことで、留学に備えることができる。

 (充実したプログラムの時間割はこちら↓)

関連サイトはこちら:

ストモ博士大学

インドネシア語の授業

国際学部の留学制度

基礎ゼミナール成果発表会を開催しました



UPDATE 2023-02-24

2023年1月17日(火)に、2022年度「基礎ゼミナール成果発表会」が行われました。

 国際学部1年生が受講する科目「基礎ゼミナール」では、1クラス10数名に分かれ、それぞれのクラスで様々なテーマを設定して学習します。本発表会は、その学習の内容や成果について共有して競い合うことを目的とし、2022年度は9クラス約150名が参加しました。発表会当日は、各クラスの代表者7名が学習の成果を発表し、その内容やプレゼンテーションの力を競いました。

 国際学部教員の浦野崇央教授、橋本正俊教授、兪鳴蒙教授が審査を担当しました。審査の教員から発表内容に対する質問が出されると、発表者の学生は積極的に回答をし、他の学生は熱心に聴講するなど、緊張感のある充実した発表会となりました。

審査の結果、入賞者は下記の通りに決定しました。入賞の学生には、賞状と副賞が授与されます。

 優勝   溝川実莉さん テーマ:「幸運が訪れるかもしれないクローバータクシー」

 準優勝  長尾桃花さん テーマ:「たくさん食べる理由」

 審査員賞 

  村田優月さん テーマ:「Coffee & Life」

  福本萌さん テーマ:「ジェンダーレスの社会と市場の動向について」

  森心那さん・味本奏人さん・安永暉さん・山口琉音さん  テーマ:「大阪府の泉だこ」

 

 発表は、それぞれのテーマに対して深い関心を持ち、文献調査やフィールドワーク等の実地調査を行なっているなど、高い水準の学習到達度を感じさせてくれるものでした。

(文:古矢篤史講師、写真:加来奈奈准教授、藤原崇講師)

Tour Guiding MEF Australian University Students in Kyoto



UPDATE 2023-02-14

田浦ゼミの学生たちが、Mitsui Educational Foundation (MEF) Study Tour of Japan 2022 で来日したオーストラリアの大学生の皆さんの、京都滞在中のツアーガイドを務めました。以下、学生たちのレポートと笑顔をご覧ください。

Amanda Taura’s seminar class members had an experience meeting Australian university students in Kyoto on November 30, 2022. The visiting students were taking part of Mitsui Educational Foundation Study Tour of Japan 2022.



I had a good experience spending a great time with the international student from Australia. They were kind while sightseeing in Kyoto. I am glad it was so enjoyable.  In particular, I wanted to go to Australia even more because I was told about tourist spots in Australia.  It was a day when I learned the difficulty of English, and a day when I remembered the fun of English again.  If there is another opportunity, I would definitely like to participate. Thank you so much allowing me to join this event (Haru).


We walked from Nishiki Market to Yasaka Shrine. Also, we went to Starbucks that is Kyoto style. We ended up at Kiyomizu-dera Temple to watch the sunset and take lots of pictures with everyone. I could experience cross-cultural exchange with the Australian students. I could gain a lot of knowledge about what is popular in Australia now. (Ami)

 The experience of tour guiding was a good opportunity to speak English with the Australian students in Japan. It has been a while since I spoke in English with native speakers in person and it made me to want to go to study abroad again and I was encouraged to study English more and more. In addition, I was surprised that I could make great connections with my partner whose name is Lucy within 1 hour. We talked about a lot of things, such as how did I study English, how long was I in New Zealand and about my relationships. I am thankful to Amanda for giving me such a huge opportunity and it reminded me study English hard (Taka).

 

Taka and I took Callam and Lucy to Ichinen-zaka street and Ninen-zaka street first. Here we enjoyed the view of the Machiya and went to Starbucks. The reason why we went to this Starbucks was because there were tatami mats and it felt very Japanese. Next, we went to Yasaka street. Here we could see Machiya with the five-story pagoda. Next, we went to Sanjusangendo-temple, but it was closed, so we went to Kyoto Tower in a hurry. Kyoto Tower offered a panoramic view of Kyoto and even Abeno Harukas in Osaka. Finally we made a money offering at a small shrine. (Hayase)

I felt many things after completing my first tour guiding in my life. Before the tour, I was anxious about guiding international students in unfamiliar places in Kyoto, and communicating with them. However, they were very kind and friendly to me even though we had never met before, so I was able to guide them smoothly with a load off my shoulders. After the tour, the most important thing I thought was not to be too self-conscious during the tour. I learned that it is important to relax and be natural when guiding, and I felt that this was the key to a smooth tour. (Yusaku)

 

We went to Nishiki market, Fushimi Inari Shrine and to a recycling shop near Kyoto station. I was a little afraid because I didn’t have the opportunity to speak English with people from another country since coming back to Japan from Canada as a high school student. However, the students from Australia kept on talking to me so I could talk with them a lot. We walked a lot so we were very tired but It was so nice to meet students from Australia. I had a great experience. Also, I spend great time with students from Australia. I will do my best to improve my English skills. (Rin)

 

There are two highlights with the Aussie students. The first is a visit to the bamboo forest in Arashiyama. The bamboo forest was very beautiful and the Aussie students were very interested in it. We also enjoyed taking each other’s pictures. The second is a visit to a supermarket near Kyoto Station. From our point of view, it was a normal supermarket, but the Aussie students seemed to enjoy the many unique Japanese products. I was nervous at first, but I was able to talk a lot and had a great time with the students. (Kana)

 

We went to Arashiyama. We went through the bamboo forest path and felt the misty atmosphere and had a very nice time. After that, I tried to go to the cafe at Yojiya, but it was too crowded. On the way to see the Togetsu-kyo Bridge, we found a nice store and drank honey lemon and yuzu lemon together. After seeing and taking pictures of the Togetsu-kyo Bridge, we returned to Kyoto Station and went to Skyway at Kyoto Station for a panoramic view of Kyoto. After that, we went to the Japanese supermarket that Ailene had wanted to go to and saw lots of food and products! We talked a lot, took a lot of pictures, saw a lot of places, it was a lot of fun! (Saki)

ウトロ地区フィールドワーク



UPDATE 2023-02-14

2022年12月3日(土)に、私たち外国語学部森ゼミナールのメンバーは京都府宇治市伊勢田町のウトロ地区を訪れました。ウトロ地区は、1940年から日本政府が推進した「京都飛行場建設」に集められた在日朝鮮人労働者たちの飯場跡に形成された集落で、住人の方々は劣悪な生活環境や差別の目に苦しみながらも助け合いながら生活してきました。


まず初めに、ウトロ地区平和祈念館で、金秀煥さん(平和祈念館副館長)からウトロ地区の歴史や現状、ウトロ地区で生きる人々の心境についてのお話を伺いました。ここでは、ウトロ地区では水道整備がなかなかされず、浸水被害が多いということ、それでも住人達は、共生こそが生きる道だと考え、「常識」にとらわれずに自分たちの権利を主張してきたことなどについて学習をしました。

続いて、平和祈念館の展示コーナーで、実際に展示パネルを見て、ウトロ地区の歩んだ歴史や、ウトロ地区で生きた人々の声に触れました。

その後、ウトロ地区全体を歩いて、2021年8月30日に発生した放火事件の跡地にも訪れました。この事件により住宅や空き家など7棟、祈念館で展示される予定だった資料50点が焼失しました。

最後に私たちが事前に送った質問に金副館長が答えて下さりました。憎悪感情を抱いたり、ヘイトクライムを唱える人たちとどのように付き合っていけば良いかという質問に対しては、「その個人に関わるよりも、そのような人々を生んだ社会に働きかける必要があると感じる。もし個人に関わる機会があれば、その人の意見をまずは受け入れることも大切だと考える」と答えられました。また、今後ウトロ地区を住民たちが力をもらえるような、楽しく賑やかな場所にしたいとのことでした。

実際にウトロ地区に足を運んでみると、インターネットで調べるよりも直接伝わってくるものが多くて、とても考えさせられる良い機会になりました。差別や偏見、ヘイトクライムのない世界にするために、また、マイノリティーの人々が幸せに生きられるように私たちにできることは何かを考えるきっかけともなりました。

摂南大学 外国語学部 森ゼミナール     アダムス小百合)